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第675話

ひと騒動あった祐一達との旅行から数週間経ち、俺達の同棲生活も順調だ。 3月に入ると俺は3月末決算で1年間の総決算と言う事もあり、会議での資料作りやらで通常業務以外にもやる事があり忙しくなり始めた。 平日も残業する日々が多くなり、遅く帰って来てもミキはソファでうたた寝して待ってたりしてた。 ミキのそう言う優しさは嬉しいが……。 「9時過ぎて帰って来ない時には、待たないで食事も風呂も先に済ませていいからな。それと眠くなったらベットで寝ろよ」 そう話すと申し訳なさそうな顔で「でも……」と、俺を気遣うのは解るが、俺はミキが待ってると思うと気になり仕事に集中できないのが本音だし、気を使う生活はお互いの為に良くないと思い、そう話した。 「同棲する時に、お互い無理しないでやっていこうと言っただろ?」 「……そうでした。じゃあ、そうします。でも、無理はしてないですよ」 「そうか、なら良いが。3月末までだから少しの辛抱だが寂しい思いさせるけど、勘弁な」 頭をポンポンして話すと 「寂しくはありません。別々に暮らしてる時には寂しいと感じた時もあったけど、伊織さんが帰って来る部屋はここだし、お互い違う事をしてても同じ空間に居るだけで、伊織さんを感じられるから寂しくありませんよ」 思った事を素直に話してるんだろうけど、嬉しい事を言ってくれる。 男心を擽る事を無自覚で話すから困ったもんだ。 それからは俺が9時過ぎに帰っても、ミキは食事と風呂は済まして趣味のアクセサリー本や最近嵌ってる塗り絵をして過ごしてる。 もっと遅くなる時には、食事の用意をし電子レンジで温めるだけにして、先にベットで寝てたりもする。 そんな時には用意してくれる食事に感謝し、食事を済ましシャワー浴びてミキを抱きしめて寝ると、仕事の忙しさも忘れひと時の安らぎを得られる。 俺の幸せな時間だ。 休日もゆっくり起きて食事を済ませ、俺は書斎へミキは午前中に家事を済ませ、午後からは俺はマンションのジムに行き、ミキは趣味の時間に費やして、夕方には2人で散歩がてらス~パーに行く。 この何でもない日常が幸せを感じる。 そんな忙しい日々も、この3月決算会議で終わる。 毎回同じような事をダラダラ…話す役職の話を聞き、各部署の反省点.達成率.次の目標など発表し合った。 俺達1課は海外への達成率もほぼクリアし、下期の新しいプロジェクトとしてヘルシー食の件が成功を収めG&Kとの更なる繋がりを深くした事も話し、今後の目標としては着物関係を何とかしたいと考えてる旨も話す。 今回に限らず籠バック.ヘルシー食と会社への利益に褒め言葉を頂いた。 2課は中国進出にまだ手応えがイマイチらしく、経済成長率がすざましい中国をどう攻略するか?が課題らしい、中国人の購買威力はこれからの会社にとっても見過ごせないと役職からも話しがあった。 アメリカもそうだが中国.インドと、会社の主柱となるのは間違えない。 2課も頭を悩まし議題として、その事についてディスカッションが始まったが、最終的にはやはり市場マーケティング戦略と広告と言う事になった。 2課としてもやってるとは思うが、中国は広いし格差があり一筋縄ではいかないようだ。 1発当てれば大きい市場だけに戦略を練らないと……次回もまた議題になりそうだ。 そして国内.海外との2日間に渡った会議もやっと終わり、これで俺も暫くはゆっくりできる。 今日は早く帰って、2人で一緒に夕飯を作っても良いな。 俺にできるのは野菜を洗ったり皮を剥いたりと、ミキの指示に従い動くだけだが、それも2人で一緒に作業するのが楽しいからな。 普段任せっきりだから、早く帰った時位はやるのも良いだろう。 そしてミキとゆっくりしよう、いやイチャイチャして過ごそう。 俺達の同棲生活は順調だ。 ミキが居る部屋は安らぎと温かさを感じる。

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