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第678話

ワイワイ…騒ぐミキ達から離れ、俺と龍臣はカウンターに居た。 「どうだ?同棲生活は?」 「ああ、今の所は順調だ。祐一にも言われたが、お互い無理しない生活が1番だってな。俺もミキには同棲する時にそう話してある。部屋でイチャイチャするのもお互いが好きな事してても、同じ空間に好きな奴が側に居るだけで安心する。ミキもそう言ってた」 「解る.解る。まあ、初めから無理すると息が詰まるし長続きはしないからな。お互いありのままの自然体が1番だ。その内、生活スタイルも出来て来るだろうしな」 祐一もそうだが、龍臣も同棲生活の先輩だ。 色々あっただろうが、自分達の体験から俺に助言してくれている。 俺とミキの事を応援してくれてる。 「ああ、そうする」 「そう言えば、祐一達と4人で旅行行ったんだってな。優希が言ってた」 「ああ、やっぱり俺はミキと2人の旅行が1番良い。‘また、行きたいね’ とか言ってたが暫くは、いいや」 「何、楽しくなかったのか?優希からは美樹君も真琴君も楽しそうだったと言ってたけど?」 「まあ……楽しかったと言えば楽しかったが……」 俺は龍臣に、真琴君の悪戯でミキに誤解されその後にまた露天風呂で誤解され、ミキの誤解を解くのが大変だった事を大まかに話した(勿論、罰を受けたあの件は誤魔化し話さなかったが) はははは……ははは… こんなに笑う龍臣も珍しいって言うか.久し振りに見た。 「それは災難だったな。一難去ってまた一難?」 「それでよぉ~、祐一の奴、性格悪いだろ?‘パートナー交換しよう、俺はミキならイケる' とか、ぬかして部屋に連れてって、慌てて行ってみればミキの上に跨ってたんだぞ! カ~っときて、ブン殴りそうになるところだった。祐一の奴、シラ~とした顔で ‘マッサージしてるだけだ’ とか、ぬかしやがって~~。あいつの性格の悪さが身に染みた」 はははは…はははは…… 「あいつはそう言う所あるよな。やったらやり返すみたいな。味方につけると頼もしいが敵になったら怖い相手だ。伊織は竹を割ったような真っ直ぐな男だからな。対象的だけど、お互いに無い所が引き付けてウマが合うのかもな」 「笑い事じゃねぇ~よ。あんな奴と合う訳ねぇ~だろーが。それによぉ~、高校の時も」 それから懐かしい学生時代の話しをし2人で大笑いした。 「そんな事もあったな。懐かしい~な」 「そうだな。もう十何年前の話か。龍臣と祐一と話してると学生時代に戻っちまうな」 笑ってた龍臣の顔が真顔になり 「俺は伊織と祐一に感謝してる。高校の時に、お前らと会って俺の学生生活が楽しくなった。それまでは教師やクラスメイトには怖がれて当たり障り無いようにされてたし俺も諦めてた。初めて、本音でぶつかり合えて何でも話す事が出来る友人を持った。そして……今もな。さっきの優希はともかく、沙織さんと矢島君が話してくれた事も嬉しかった」 しんみりと話す龍臣の背中をバンッ!と叩き 「お前は昔の家の事に囚われ過ぎだ! 沙織も言ってただろーが。今は、お前も俺達と同じ一般人なんだって自覚しろ。優希さんや尊君の為に、会社組織に苦労して頑張ったんだろ?2人に、お前と同じ気持ちを味わせ無いように世間から嫌な目で見られないように肩身の狭い思いさせないようにする為に! 優希さんもそこの所は充分解ってるし俺も祐一もお前の苦労も頑張りも知ってる」 俺はずっと龍臣のトラウマをどうにかしたかった それは、ここに居ない祐一も同じ気持ちだろう。 良い機会だから、ずっと思ってた事を語った。 「そうだな。俺は生まれた時からずっとそう言う環境だったから、今だに身に染みて抜け出せてないのかもな。俺がこんなんじゃダメだな。優希や尊の為にも」 「そうだぞ! お前には俺達がついてる」 「龍臣、良い仲間を持ったな。優希さんと同じ位に大切にしろ!」 黙ってカウンターで料理を作りながらおやじは聞いてたらしく、ミキ達の方を見ながら話した。 俺と龍臣も背後で賑やかな仲間を見つめた。 大切な仲間だ‼︎ 俺だけじゃなく龍臣もそう思ってるはずだ。 「ねえ、そっちで2人で語ってないでこっちに来なよ~」 沙織に呼ばれ、俺と龍臣は顔を見合わせ 「行くか?」 「ああ、その前に話が変わったが、優希も旅行に行きたいって言ってた。機会があったら、一緒に行こうぜ」 「マジ‼︎ さっきの俺の話聞いてたか~⁉︎ 俺はミキと2人が良いんだよ~………ま、気が向いたらな」 「ああ」 そして、ビール片手に賑やかな仲間の元に戻った それからは大いに飲み食べ、そして笑った。 沙織と矢島君からの招待状が届いたのはGW明けだった。 勿論、俺とミキは出席するにO(まる)を出した。 「沙織さんのドレス姿、楽しみ~~♪」と言ってたが、俺はミキのウエディングドレス姿の方が絶対に綺麗だと心で思った。 いつか着せてみせたい‼︎

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