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第682話
「幸せな2人見てたら、甘い物食べたくなっちゃったー。ミキ~、デザート取りに、行こう♪」
「うん! 優希さんも行かない?」
「行く.行く! 実は、ずっと行きたかったんだ~♪さっき料理取りに行った時に、どれも美味しそうでチェックしてた~」
3人でデザートの話しで盛り上がり「デザート取りに行って来るね♪」と言って、3人で連なってビュッフェに向かった。
ミキと真琴君は甘い物が好きなのは外見の見た目からも解るが、優希さんがあんなに嬉しそうな顔を見せるとは……。
俺がそう思ってるのが顔に出てたらしく、何も言ってないのに龍臣が横から話し出した。
「優希って、見かけに似合わず甘い物が好きなんだぜ。どっちかと言うと和菓子っぽいけど、バリバリのクリーム大好きでさ。特に、シュークリームとかケーキとかな」
龍臣にしか解らない優希さんの事を顔を緩めて話す龍臣はどこか嬉しそうだった。
「マジ⁉︎ 何か、優希さんのイメージで言えば、あれば食べるけど無くても平気みたいなそんな感じだと思ってた」
「俺も。コーヒーにちょっとしたクッキーぐらいのイメージだったけどな。人は見かけによらないって、こう言う事を言うんだな。誘われた時の優希さん、見た?」
「見た.見た! 嬉しそうで何だか子供みたいに、はしゃいでたよな~。高校の時のクールなイメージが崩れた~」
「おいおい! ギャップ萌えで優希に興味示すなよな! しっかり者で落ち着いてるイメージがあるけど、あれで案外可愛い~んだよ」
「誰が、優希さんに興味何か示すか‼︎ 純粋に、高校の時のイメージと違うって言ってるだけ! 俺達に妬き持ちとか論外‼︎ あと惚気も止めろ! キモい‼︎」
「誰がキモいって⁉︎」
俺と龍臣とが言い合いになりそうな所で、祐一がいつものように間に入った。
「おいおい! ここは結婚式の2次会だぞ! 場所を弁えろって!」
「「………」」
……そうだった。
話してるうちに、いつものノリになってしまい俺と龍臣は反省し黙った。
そこに………。
「あの~、ちょっと話しても良いですか?」
遠慮がちに声を掛けて来た女の声が聞こえた。
俺達は声をする方を見ると、そこには3人の綺麗に着飾った女達が居た。
断るつもりで口を開こうとした時に、先に3人の内の1人が話し出した。
「私達、沙織の高校の時の友達なんですけど、あなた達は矢島さんの方の友人ですか?」
「違うんじゃない?年齢的に、大学の先輩とか会社の先輩かしら?」
沙織の高校の時の友達?
沙織の……無下にできない…か。
無視したりすれば、後で沙織に何て言われるか解ったもんじゃねーからな。
俺はチラッと龍臣と祐一を見ると同じ事を考えてたらしく、目で ‘仕方ねー、適当に話して終わらせよう’ って感じで合図してきた。
「2次会に呼ばれたのは良いんだけど。矢島さんも沙織も同じ大学だから…やたらと大学の時の友人が多いじゃない。あっちこっち同窓会みたいで私達だけ浮いちゃって……」
それで俺達に声を掛けて来たってわけ…か。
確かに、俺達は他の人達と絡んでないからな。
「俺達は矢島君の仕事関係で仲良くなったんです」
龍臣が適当な事を言い取り繕う。
「そうなの。だから他の人と話してないのね」
「まあ、そう言う事です」
今度は祐一も言葉は少ないが、店用の外面で対応した。
珍しいーとは思ったが、やはり沙織が怖いらしいいや、煩いっつーか面倒だと思ってるんだろうな
チラッとミキ達の居るビュッフェの方を見ると奥の方でデザートを見てる姿が小さく見えた。
帰って来る前に何とかしないと……。
「矢島さんとは仕事絡みで知り合ったって言う事は、3人は同じ会社なのかしら?」
あまり詳しく突っ込まれるとボロが出ると思い、それには答えずに逆に質問した。
「3人は沙織さんの高校の時の友達って?クラスが一緒とか部活とかですか?」
「沙織とは1年の時は違ったんだけど、2年.3年とクラスが一緒で仲良くなったの」
「沙織って、綺麗で近寄り難いけど話してみたら凄くさっぱりして思った事をズバズバ言うし面白いのよ」
「そうそう! それで居て綺麗なのとか可愛い物には目が無いのよね~」
やはり沙織の友達だけあって良く沙織の事を知ってる……が、逆に質問したことで自分達に興味があると思ったようだ。
その証拠に話が止まらない!
俺は龍臣と祐一をチラッと見ると2人と目が合った。
余計な質問するなよ! と龍臣の目が訴えてくる。
お前が適当な事言うからだ! と目で返す。
早く、どうにかしようぜ! と言う目をする祐一。
そんな目での会話をしながらも、3人の止まらない話しを笑顔で聞き、たまに相槌を打つ。
何とか相槌を打つ事でやり過ごそうとしてたが、それが返って女達の話しが止まらなくしてた事には気付かずに、沙織の友達と言う事もあり俺達はどうにか気持ち良くここから立ち去って欲しい一心で相手をしてた。
それが周りから見ると男女6人が和かに輪になって談笑してる風景に見えてたのは、必死な俺達には解らなかった。
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