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第690話
結婚式から2週間経ち、沙織さん達は新婚旅行から帰国し、数日経った時「新婚旅行のお土産を渡したい」と連絡貰い、それなら皆んなの都合の良い日に、お祝いも兼ねて大将のお店で集まる事になった
「乾杯! 改めて。矢島君.沙織、結婚おめでとう‼︎」
『おめでとう‼︎』
「ありがと!」「ありがとうございます」
伊織さんの乾杯音頭で始まり、乾杯しながら新婚の2人とグラスを合わせた。
祝福ムードの中で2人共幸せそうだ。
「披露宴に来て頂き、ありがとうございました。これ新婚旅行のお土産です。どうぞ」
矢島さんが1人1人に手渡した後に、沙織さんからも俺とマコと優希さんと3人だけにまた別にお土産を手渡しされた。
何で、沙織さんから俺達3人だけ?
不思議に思いながらも、お土産を開けてみた。
矢島さんからは俺とマコと優希さんにはメープルシロップ、伊織さんと祐さんと龍臣さんにはアイスワインだった。
そして大将には、この2つを手渡ししてた。
「メイプルシロップだ~。凄い綺麗な色だね。ありがとうございます」
「本場は違うね。ありがと」
「美味しそう。パンケーキに使おう。ありがとうございます」
「俺達はアイスワインか。カナダ行ったんだったな。ありがとう」
「ありがと」
「飲むのが楽しみだ。ありがと」
皆んなで沙織さん達にお礼を言ってると「もう1つの、お土産も見て.見て~」嬉しそうな沙織さんの笑顔に嫌な予感がした。
何となく、この小さな細長い箱に……予想がつく
俺と優希さんは顔を見合わせ苦笑いし、マコは見当がつかないのか?「何かな~♪」と嬉しそうに箱を開けて居る。
「えっ! 何で?」
箱から取り出した物を見て目が点になってるマコを見て、やはり…と思った通りだった。
マコが手にしてる物は、口紅だった。
俺は箱の大きさと沙織さんの嬉しそうな顔で、口紅か香水かと思ってた……香水なら、まだ使えるんだけど…口紅は使う時があるのか?…はあ~、沙織さんの趣味に、また付き合えって事だよね?
優希さんも俺と同じ考えらしく苦笑いしてた。
「ねぇ.ねぇ~、色、見て.見て~。流行りの赤にしてみたの~。マコちゃんにはちょっと大人の雰囲気だけど構わないわよね?女友達のお土産に買って来たんだけど、余ったからヨシ君達にもって」
「……ありがとうございます。使う時は無いとは思いますけど……折角だから貰って置きます」
「わざわざ良かったのに~。ま、ありがと」
「……俺も使う時は無いけど、有り難く頂いて置きます」
優希さんは大人の対応で俺とマコは複雑な気持ちが表れてたけど、沙織さんは全然気にしない。
「あら~、いつ使う時があるか?解らないわよ~。あ~~、楽しみだわ」
伊織さん達は人ごとだと思ってニヤニヤ笑ってるし、このままだとまた着せ替え人形にされちゃうと思い話しを変えた。
「どうでした?カナダは?」
「そう.そう、聞かせて」
「凄く良かったわ~。ハワイとかバリ島とか南の島で海を満喫して、ゆっくり過ごそうか迷ったんだけど~。大自然のカナダでゆっくり過ごすのも良いかなって。凄く自然豊かで湖は綺麗だし滝も凄い見応えあったわ。写真見る?」
「見た~い」
「見る.見る」
「見せて」
沙織の新婚旅行の写真に釘付けのミキ達とは別に俺達は矢島君と新婚旅行の話しを聞いて居た。
「ゆっくり出来たのか?」
「はい、結婚式や色々忙しかったので、大自然の中で観光もできたし、ゆっくりしました」
「矢島君、婿養子に入ったんだって?」
「はい、沙織さんは1人娘ですし、ご両親が元気なうちは近くで別に住むって事で。まあ、気が楽です」
「沙織さんのご両親も気を使ったって事か?」
「たぶん、そうですね。でも、頻繁にお邪魔しますから」
「そうだな。そうしてやってくれ。あとは子供だな」
「子供はまだ先かな?会社の事もありますし、もう少し2人で過ごす時間も楽しみたいって話してるんで」
「早く孫を見たいって言ってくるぞ」
「そこら辺は、沙織さんに言って貰います」
「それが一番良い。まあ、子供出来ると2人の時間なんて、なかなか持てなくなるらしいからな。子供中心の生活になるらしい」
「確かにな。俺も尊と生活始めた時は、やはりそうだった。恥ずかしい話しだが……始めは優希が尊ばかり構うから…妬き持ちも焼いたもんだ。俺も子供だったんだな。まあ、2人の時間に、マンネリがきたら子作りしても良いんじゃないかな?」
「勉強になります。まだ、俺も沙織さんに甘えてる所ありますから……今、子供出来たら嬉しいですけど、沙織さんの取り合いになりそうです」
「ラブラブだね~」
「新婚さんらしいね~」
「それより2次会の時の件……大丈夫でした?」
矢島君に聞かれて何の事かと、あれから日にちも経ってるし解決済みの件で直ぐには思い当たらなかったが……思い出した。
お仕置きと言って、いつもと違うセックスで興奮した事を思い出し、ついニヤニヤ…してしまう。
祐一と龍臣もニヤついてた。
こいつらも……か。
「あの件な、まあ大丈夫だ。お互い勘違いで妬き持ち焼いてた事で誤解したが……話し合って誤解を解き仲直りしたよ」
「マコも謝ってたし」
「優希の奴が1番タチが悪かったが、お互い言いたい事言って誤解は解けたから、安心して良い」
龍臣が矢島君に真剣な顔で話してる横で、俺と祐一はニヤニヤ…してた。
どんな誤解の解き方したんだか?
俺や祐一よりタチが悪いはずだ。
「良かった~。大丈夫だとは思ってましたけど、一応聞いてみました」
正直者な矢島君には、俺達の裏での悪戯など考えもしないだろう。
本当に、沙織は良い旦那を捕まえた。
それから8人で飲んで食べ、ガヤガヤ…騒いで楽しく過ごした。
俺とミキの絆も強くなってるが……この8人での仲間意識も強くなってる気がした。
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