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第693話

*基本的に伊織とミキが2人で話す時は日本語。それ以外の他の人と話す時などは英語となります ホテルでチェックイン手続きを済ませ、24時間常勤してるバドラーの運転するバギーに乗り、ホテルからヴィラに向かう。 ホテルの敷地内にヴィラの棟も併設し、広大な敷地にはお洒落な雑貨店や土産物屋などの店やレストランも数店営業してた。 食事も心配はないようだと一安心した。  「ホテルの敷地は広いですから散歩にも良いですし、プライベートプールも完備してます。目の前の海や砂浜でも楽しめますよ。敷地内のお店で海を見ながら食べても良いですし、ホテル内のレストランやバーもご利用出来ます。何か御用や要望がございましたら、私達バドラーがホテルで24時間常勤しておりますので、遠慮なくお申し付けて下さい」 バドラー……か。 コンシェルジュやマネージャー的な感じか。 困った時には、頼りになりそうだ。 バギーに揺られながら、南国の木々や海のさざ波や砂浜が見えた。 「海が近いですね」 「俺達が泊まるヴィラからも海や砂浜が見えるかもな」 「楽しみ♪」 「そろそろ、着きます」 バギーから降り、可愛いらしいヴィラの建物を見て、今日からここでミキとゆっくり過ごせるんだな。 「荷物を部屋の中に、お持ちしましょう」 「ありがとう」 バドラーに続き部屋に入ると、リビングに大きなソファとテーブルが見えた。 「荷物はここに置いておきます。それじゃ、私はホテルに戻ります。何か御用や要望がございましたら内線電話下さい。ホテルまでの送迎でも参りますので、遠慮なく」 「ありがとう、助かった。これ少ないが」 気持ちばかりのチップを渡した。 そしてバドラーはバギーに乗り戻って行った。 やっと2人っきりになった。 リビングからの大きな窓を開け放すと気持ち良い風が入り砂浜と海が一望出来た。 「伊織さん、凄く綺麗ですね。海が近い! 歩いても行けますね」 俺もミキの側に行き、背後から抱きしめ腰に手を回した。 「良い景色だ! 日本での忙しさを忘れて、ゆっくり出来そうだな。この近さなら水着着たまま行って、そのまま帰って来れそうだ。殆どプライベートビーチだな」 「楽で助かりますね。ここでシュノーケリングも出来ますね」 「まあな。でも、シュノーケリングスポットがあるらしいからな。たぶん魚がたくさん見れるんだろう」 「楽しみ♪」 気持ち良い風とロケーションで暫く海を眺めて居た。 「海が近いし、ヤシの木見ると南国に来たって感じしますね。静かで良いですね」 「そうだな。暖かい所に来ると、何だか開放的になるな~。ま、楽しもうな」 「はい♪ お部屋の中も見て良いですか?」 「良いけど。ここのリビングとミニキッチンとシャワー室とトイレ、後は寝室だけだぞ。あっ!プールもあるはず!」 「本当‼︎ 見たい.見た~い!」 子供みたいに目をキラキラして話すミキが可愛くついつい頬が緩む。 「ん、解った。その前に!」 背後から抱きしめたまま少し無理な体勢で、ミキの頬に手を宛て顔を近づけると、目を閉じ待つミキの唇にキスした。 チュッ! クチュクチュ…… 軽いキスとほんの少しだけ舌を絡め唇を離した。 「これ以上は止めておく。この後、観光もする予定だしな。止まらなくなると困るからな」 「……伊織さん。大好き‼︎」 振り向き背伸びし、俺の唇にキスをくれた。 チュッ! 「……お部屋、見に行こう!」 照れて、俺の手を繋いだままリビングを通って行く。 リビングの奥にはミニキッチンがあり、簡単な料理ぐらいなら作れそうだ。 「トースターと電気ケトルもある! 良かった~」 「スティックコーヒー買って来て正解だったな。後で、食材は冷蔵庫に入れて置こう」 奥に進むと、ジャグジーとシャワー室とトイレがあった。 その隣はベットルーム。 天蓋付きキングサイズのベットが、ど~んと存在感がある。 「うわぁ~、大きいベット! それに天蓋付きって…まるで、お姫様が寝る童話の世界ですね。ん~、南国って感じします」 「夢心地の世界の所悪いが…。たぶん……虫除けだろうな。実際は、ミキが考えてるようなメルヘンチックとは違うな」 「……俺、乙女チックな感じでした?そうか、虫除けね~。なるほど‼︎」 「乙女チックとは違うが……可愛いかったぞ」 くっくっくっ……。 「もう‼︎ 見て~。目の前にプールある~」 「おっ! 丁度良いサイズだな。それに他から見えないプライベートプールになってるし裸で入っても良いな。より開放的だ」 ニヤニヤ…して話すと、ミキはそんな俺を横目で見て 「……イヤラしい顔をしてますよ」 「そうか?俺はいつもこんな顔だ。イヤラしいって、どんな事を考えてると思ったんだ?」 「知りません!」 プイッと頬を染めてリビングに戻るミキを笑いながら追う。 全体的に、セミオープン的なヴィラは開放的だがプライベートはきちんと隔離され、ゆっくり過ごせそうだ。 俺はソファで海を眺め、そしてテーブルの上にあるホテルの施設案内や地図を見てた。 冷蔵庫に食材や飲み物を仕舞い終えたミキがコーヒーを持って来て隣に座った。 「はい、伊織さん」 「ありがと。暑いが、やはりコーヒーを飲むと落ち着くな」 「あまり冷たい物ばかりだとお腹にきますからね何、見てるんですか?」 「ああ、ホテルの施設案内と敷地内の地図だな。あとは…部屋掃除.シーツ交換は外出してる時に来るようだ。必要無い時は、玄関にこれを吊して置けば良いみたいだ」 「ホテルと違ってヴィラは清掃はどうかなって思ってましたけど、良かった~。ここからも寝室からも海が見えて日常の喧騒を忘れて過ごせますね伊織さん、旅行に誘ってくれて、ありがとうございます。来て良かった」 「そう言ってくれると誘った甲斐がある。まだ、これからだぞ。少し休んだら観光に行って、店で夕飯食べて帰って来よう。夜に少し砂浜を散歩しないか?」 「はい!」 「たぶん、観光出来るのは今日ぐらいだろうからな。明日はミキが楽しみにしてるジンベイザメと運が良ければ、ご対面出来るぞ」 「ツアーの?シュノーケリングしながら、ジンベイザメを見れるって言うのですよね。楽しみですジンベイザメを見れなくてもシュノーケリングスポットに連れてって貰えるんですから、他にも魚たくさん見れますから、それでも充分です」 「比較的、ジンベイザメが泳いでるらしいから遭遇する確率は高いみたいだ。明日は早いからな、今日は早く寝る事になる。ミキには悪いが、セックスは明日の晩だな」 ニヤニヤ…すると 「伊織さん! その言い方だと、俺がセックスしたがってるように聞こえますけど?明日も疲れて寝ちゃいますから、俺はセックス無しでも構いません!」 冗談だったが……怒らせたか? 「言い方が悪かった。俺がセックスしたい! この南国の雰囲気の中で、ミキを抱きたい! 今日は明日の朝を考えて我慢する……だから、明日の夜は予約な。その分の体力は残してくれよ。頼む!」 手を合わせて懇願する俺を見て笑った。 クスクスクス…… 「怒ってませんよ~。伊織さんが揶揄うから、ちょっと拗ねた振りしてみました~♪」 やられた~~。 これは明日の晩にリベンジだ! そう心に決めた。

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