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第694話
ヴィラまでホテルからバドラーの運転でバギーに乗って来たが、俺達は散歩がてら敷地の内の地図片手にホテルまで歩いて行く事にした。
ヤシの木と緑豊かな木々と潮風が気持ち良い。
海も近くに見え、白い砂浜には人影があり泳いだり砂浜で海水浴と楽しそうに思い思い過ごしてる風景が見える。
10分程歩くとホテルが見えた。
ホテルの前からタクシーに乗り市内に移動し、スマホ検索してたマゼランクロスとサントニーニョ教会を観光する事にした。
タクシーで30分程でマゼランクロスに着き、俺達は降りた。
八角堂の建物ははっきり言って外観はパッとしないが、中のホールには大きな十字架が中央にありその周りをギャラリーが囲んで多くの人達は上を眺めて居た。
俺達も上を見るとそこには天井画が見えた。
大きな十字架の上の天井画は素晴らしかった…がそれ以外は特に何も見所が無く直ぐに見終わった
「大きな十字架と天井画だけだったな」
「まあ、そうですけど……あの天井画は凄く良かったです」
ミキはそう言うが、俺はちょっと物足りない感じだった。
建物も小さく十字架と天井画以外の見学出来る所が無かったからだ。
次に、期待するか。
直ぐ近くにサントニーニョ教会があり、そっちに歩いて行く事にした。
教会前の門前街には沢山の屋台が並び、花屋.土産屋.ご飯屋.フルーツ屋など賑わってた。
門を入った場所にも、おばあさん達がローソクや風船.お菓子を売っていた。
セブ島の中でも1番古い教会らしい。
土日はミサが行われ信者が多く訪問されるが、今日は平日の為、観光客で賑わってた。
外観はさっきの十字架クロスに比べれると、なかなか立派だった。
教会の聖堂はヨーロッパの教会を思わせる空間で天井も高く、そこには天井画がぎっしりと描かれてた。
キラキラしているのではなく、古く落ち着いた美しさのある空間だった。
窓にはスタンドグラス、そして天井からはシャンデリアと装飾をじっくり眺めてるだけでも、ここに来た甲斐がある。
サントニーニョとはイエスキリストの幼い時の名前だと言う事が解った。
それが教会の名前にもなってる。
そして教会内には天井画の他にもたくさんの像が飾られてた。
マリア様.大人になって十字架に貼り付けられてるキリスト.他にも多くあった。
古い絵の中にマリア様に抱かれてる幼きサントニーニョ(キリスト)の姿……良く見ると、ピースサインをしてるのが何とも可愛いらしかった。
ヨーロッパの格式のある教会とは違い、南国の人々の大らかさが垣間見れた。
他にも良く見ると、何だか頭を捻るようなおかしな絵もあり、それを探して見て歩くのも楽しくなる。
ミキも天井画や装飾の美しさに感心してたが、絵には笑顔になって見てた。
「何だか、ちょっと笑えてホッとしますね」
「絵のタッチも独特だしな」
感想を言いながら見て回った。
そして……なぜか?
教会の横に緑豊かな中庭があり、吹き抜け空間でゆっくり出来そうな所に、それはあった。
「伊織さん……これも教会の一部?」
「だろ?教会の敷地にあるんだからな。何だか違和感があるけどな。これも南国らしい」
「本当ですね。可愛いらしいけど……観光客の写真撮りスポット?かな~」
「かもな。丁度良い、俺達も撮ろうぜ」
中庭の座れそうな場所に腰を下ろし
I ♡ NINO…装飾品?オブジェ?をバックに、ミキと2人で数枚自撮りした。
セブ島で1番古い教会で格式高いのか?と思えばこんなポップな面もあって、なかなか面白い教会だ。
「結構、面白かったですね。ヨーロッパの教会とは、また一味違って厳かな感じも無く良いですね」
「地域性の違いかもな。信仰心は変わらないだろうけどな。この後、どうする?夕飯食べるか?」
「ん~、そうですね」
「良し! 今度は違うショッピングモールに行ってそこで飯にしよう。で、何か買いたい物あったら買って帰ろう」
「はい」
俺達はサントニーニョ教会を出て今度はバスで移動し、今度はアヤラショッピングモールに向かった。
こちらも敷地は広く4階建ての建物にはマーケット.レストラン.数多くの店舗と映画館.デバート.美容室.マッサージ等、やはり1日では回りきれなさそうだ。
「ここも広いですね」
「そうだな。前のショッピングモールより高級志向な感じだな」
「そうかも。地元の人って言うより富裕層の人や観光客の方が多い気がします」
「ふらっと見て、夕飯食べるか」
「はい。ついでにお土産のリサーチもしちゃおうかな~。そうすれば帰りの空港前に少し寄れば良いし」
「そうだな」
俺達はショッピングモールの中をふらふらする事にした。
それからある程度土産の目処をつけ、Tシャツと殺虫剤や虫刺されの薬とマンゴーを買い、夕飯に海老揚げや牡蠣のチーズガーリック焼き.海鮮パエリアを注文した。
どれも美味しく、腹もいっぱいになった。
ミキはデザートにマンゴーかき氷を注文し、それは2人で食べた。
マンゴーがゴロゴロ乗りマンゴーシロップも多めで、ミキは美味しそうに食べにこにこしてる。
その姿が可愛く、ついついスマホを出し写メを撮った。
「撮るなら撮るって言って下さいよ~」
「自然な感じが良いだよ。ほら、可愛い顔して幸せそうに食べてるぞ」
スプーンを口に入れマンゴーかき氷を頬張り、頬に手を当て幸せそうな顔が写メに収まってた。
「だって~~、冷たくってマンゴーが新鮮で美味しいんだもん。マンゴー美味しいですよ。食べます?」
スプーンを向けられ「あ~ん」して俺も頬張った
ここは海外で誰も俺達の事は知らないし気にしないのを良い事に解放的になってた。
そして土産はドライマンゴー.バージンココナッツオイル.パパイヤ石鹸に決めたらしい。
日本に帰国する前に土産は買う事にし、俺達はタクシーでホテルに戻る事にした。
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