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第695話
ホテル前でタクシーから降り、散歩がてらヴィラまで歩いて行く事にした。
ザァザァ……波の音。
砂浜を歩くと、月明かりと星空。
夜でも心地良い風。
これだけでもセブ島に来た甲斐がある。
「気持ち良い風ですね」
「ああ、星空も綺麗だ」
「本当ですね。石垣島も綺麗だと思いましたけどそれ以上ですね。凄い数の星空で落ちて来そうです」
「落ちて来られたら、困るがな」
「んもう、例え話ですよ」
「解ってる.解ってる。ロマンチックだな」
可愛いミキの例え話しに、つい揶揄い笑ってしまう。
本当に、素直で可愛い♪
俺達はヴィラに着くまでゆっくりと、月明かりと星空に照らされて散歩した。
ヴィラに着いてソファに座り、やっと一息つく。
「明日の準備しないと」
「服装はTシャツとハーフパンツで充分だ。持って行くのは、水着とシュノーケリングのマスクと小銭位……あとは、タオル数枚と…日焼け止め忘れるなよ。あとは…ラッシュガード着ろよ! ミキは肌が弱いんだからな。あまり荷物持って行くとトラブルの元だ。明日はシュノーケリングがメインだからな」
ラッシュガード着せるのは肌が弱い事もあるが、なるべく露出を控えさせ他の奴らにミキの裸を見せたくないからだ。
ウエットスーツなら良かったが……海外ではウエットスーツなど着る習性はないようだ。
シュノーケリングのマスクは日本から持参した。
荷物になるからレンタルでも良いとミキは言うが幾ら消毒してるとは言え、誰が口をつけた物か解らないしミキが口にした物を他の奴がまた口にすると思うと、荷物になってもマスクだけは持参した。
そう言う所は、ミキは杜撰(ずさん)と言うか.いい加減と言うか……恋人の俺の気持ちが解ってない
そうだ! 水着も…どうせハーフパンツだしヴィラから着て行こう。
着替える所はあるとは思うが……念の為だ。
「ん~、トラブルは避けたいから、そうします。あ~、明日が楽しみ♪」
本人はのんびりと明日の事で頭がいっぱいらしい
「朝が早いから、ジャグジーに入ってゆっくりして、それからシャワー浴びて寝るか?」
時間的に20時は回ってた。
明日の朝、慌てるのもな。
朝が早いから準備だけはする事にした。
それから裸でジャグジーに入る。
「露天風呂みたい‼︎」
「変わらないな。外の風呂って言う意味じゃ」
「うん。でも、何だか開放感がありますよね?」
「そうだな」
2人でジャグジーに入りながら縁に頭を乗せ星空を見上げてた。
露天風呂でもジャグジーでもやる事は変わらないが、泡がボコボコ…出て、歩き疲れた足には心地良い。
俺はなるべくミキの裸は見ないようにした。
ヤリたくなるからだ。
今日は明日の朝の事を考え……我慢.我慢だ!
「ん~、気持ち良い~♪」
「本当だな」
気持ち良さそうに星空を見上げてる横顔をチラッと盗み見た。
綺麗だ‼︎
いつまで経っても…ドキッとさせられる。
手足は長く細身でスタイルも良いし、美しい顔もそうだが心も綺麗だ。
この人が俺の恋人なんだ‼︎ と自慢したいくらいだ
「伊織さん…伊織さん?」
「あっ! 何だ?」
「疲れました?何かボーっとしてたから」
「いや、ミキと海外に来てるんだなぁ~と思ってな」
「日本を離れると、知ってる人に早々会わないしこの南国の雰囲気がまた開放的になりますね?」
「そうだな。日本で出来ない事するか?」
「……何ですか?凄く嫌な予感がしますけど…」
ん?疑ってる?
セックスはしないと言ってるが……期待してる⁉︎
……だが、我慢.我慢‼︎
「何か期待してるかも知れないが、俺が言いたいのは……このままプールに入ってみようぜ」
「ええ~!……裸ですけど⁉︎」
「別に良いだろ?プライベートプールだし誰も見てないって言うか、見れないから大丈夫だ‼︎ ほら行くぞ‼︎ 尚更、開放的になるから」
俺はミキの腕を引き上げ裸のまま直ぐ近くのプールに向かった。
10mも満たないプライベートプールに一緒に飛び込んだ。
ザブンッ‼︎
「ひやぁ~、冷たい‼︎」
「さっきまでジャグジーに居たからな。直ぐに慣れる」
慣れるまでジッとしてるミキにプールの水をかけ悪戯をした。
バシャッバシャッ……
「ひやっ! 冷た~い…お返しです」
今度はミキからの反撃に遭い水をかけられまいとプールの中で走るように逃げ惑う俺を追いかけてくる。
「待て~~!」
「やなこった~。捕まえてみろよ~」
バシャッバシャッ……水をかけながらも追い掛けてくるミキは子供みたいだ。
俺はプールの中に頭から入り泳ぐ。
水中からミキの下半身が丸見えだ。
可愛いモノがゆらゆら揺れてた。
俺はそのままミキの元に潜水して行った。
「伊織さん?伊織さん‼︎」
ザバッ‼︎
「呼んだか?」
「もう‼︎ どこに消えたか?と思いました」
「消えるわけないだろ?もうプールの水に慣れたか?」
「あっ! はい」
「裸で泳ぐ体験もなかなか日本では出来ないだろ?あそこまで競走しようぜ」
俺はそう言い放ち、先に潜水で泳ぐ。
「あっ! 狡い~」
平泳ぎをし、俺を追い掛けてくる。
俺は先に着き、ミキが泳いで来るのを待ってた。
「狡いですよ~」
「競走に狡いも何も無い! 負けたミキには……そだなぁ~。ミキちゃんから俺にキスをする!って言うのは?」
「そんなのあるなら先に言って下さい……でも、そんな事ならお安い御用です。伊織さん……目を閉じて」
言われた通り目を閉じた…。
バシャッ‼︎
ミキは水を掛け、泳いで逃げて行く。
「やったな~‼︎ こら~、待て~~!」
「待ちませんよ~~」
今度はミキが水の中を走って逃げ、俺は潜水で追い掛けプリプリ…動く尻が見え……。
ヤバイッ!
反応しそうだ!
ダメだ! ダメ!
今日はヤらない‼︎
そう決めた‼︎
自分に言い聞かせ、ミキに追いつき捕まえた。
ザバッ!
「捕まえた!」
「伊織さん、速~~い」
俺はすぐさまミキの後頭部に手を宛て唇を奪った
チュッ!
唇の表面を舌で舐め口を開かせ舌を捻じ込んだ。
クチュクチュクチュ…レロレロレロ…チュパッチュパッ…ジュルジュル…クチュクチュクチュ…
「ん…んん」
一通り咥内を楯鱗し、俺は満足し唇を離した。
「寒くなっただろ?先にジャグジーに入って温まったらシャワー浴びろよ。俺はもう少し泳ぐ」
「えっ! でも……」
「明日は早いからな。順番にシャワー浴びて、今日は明日に備えて早く寝よう。ジンベイザメツアー楽しみにしてたんだろ。夜更かしすると遅刻して行けなくなるぞ」
「あ~~、そうだった。じゃあ先に、ジャグジーに入って温まりますね」
俺から離れザバッとプールから出てジャグジーに向かい入ったのを確認して、俺は少しゆったりと泳ぐ事にした。
実は……ミキとのキスで半勃ちになってたからだ
このままではプールから上がれないと思い、俺のモノが落ち着いたらプールから上るつもりで居た
ジャグジーから俺が泳ぐ姿を見てるミキに手を振り、如何にも泳ぎを楽しんでる風を装う。
暫くするとミキはシャワーを浴びに行ったのを見て、今度は俺がジャグジーに入った。
冷たい体を温め星空を眺めた。
明日のツアーを楽しみにしてるミキを抱きしめ、今日は大人しく寝よう。
そう決めた。
天蓋ベットに横になると「何だか、お姫様ベットみたいですね」と可愛い~~事を言う。
ミキは本当のお姫様みたいだと思いながらも、本人に言ったら拗ねられるだろうと、ロマンチックの欠片もない事を口にした。
「虫除けだろ?日本の蚊帳みたいなもんだ」
そう言いながらも、ミキがお姫様ならさしずめ俺は王子様…か?と心では思って居た。
「そうでしょうけど……。何か…秘密基地みたいな感じもして、楽しいかも‼︎」
あ~~、マジで可愛い~~。
可愛い過ぎて、キスして~~‼︎
だが、それだけで済むわけはないと自重し「明日も早いから、もう寝よう」と俺の忍耐が危うくなる前に.襲う前にそう言い、可愛いミキを抱きしめて明日に備えて眠りに着いた。
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