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第704話

「ん~~……良く寝た~~」 「起きたか?おはよう」 チュッ! 寝起きのミキの唇に、おはようのキスをした。 「おはようございます。伊織さん、起きてたの?」 「俺もさっき起きた所だ」 「何時?」 「ん?9時過ぎかな」 「もう、そんな時間?朝食作りますね。お腹空いたでしょ?」 「焦らなくても良いぞ」 「ん…でも、海にも行きたいし」 大きな窓から見える空は快晴で温かな日差しが部屋に差し込む。 今日でセブ島滞在も最後の日だ。 思いっきり楽しみたいんだろうな。 ミキの心情を考えてると起き上ろうと上体を起こしたミキの体がバフッ!とベットに逆戻りした。 「痛っ!…いたた…」 「大丈夫か?」 心配しミキの顔を見ると、俺の顔を胡乱気な目で見て居た。 「……起き上がれない」 ああ、そう言う事か。 ヤリ過ぎたか?いや、回数的にはそうでもない。 激しかった所為か。 それなら思い当たる節はある。 これは……ご機嫌でも取るか。 それも楽しいんだがな。 俺的にはミキを思う存分可愛がれる喜びで内心では気分は上昇だ。 鼻歌混じりで冷蔵庫を漁り、食パンにバターを塗りトースターで焼きスクランブルエッグとベーコンを焼き、昨日から冷やしてたマンゴーを取り出しトレーに乗せミキの元に戻る。 ベットヘットに寄り掛かり座ってるミキの前にトレーを置き、俺もベットに上がり隣に座る。 「……ありがとうございます」 「大した事じゃない。さて、食べるか?」 「はい。いただきます」 大した朝食では無いが、ミキは美味しそうに食べ何度も「美味しい」「美味しい」と言ってくれる 全て食べ終わり片付けを済ます。 「少し、ゆっくりしたら海行くか?最後に、シュノーケリングしたいだろ?」 「行きたいけど……」 「海は直ぐにそこだ。俺がおぶって行ってやるよ」 「え~~! 恥ずかしいです~~」 「誰も見てないって。殆どプライベートビーチに近いし。それとも海行きたく無いのか?俺はここでまったりとミキと過ごすのも良いが?」 「行きたい.行きたいです!……じゃあ、動かなかったらお願いします」 上目遣いで可愛くお願いされ、俺はデレデレになってしまう。 「良し! 任せておけ! 海に入っちまえば、浮力で動けるようになるって! 海の中なら、体も楽になるから大丈夫だ」 「本当に?」 「ああ、俺を信じろ!」 「はい! 伊織さんがそう言うなら信じます。楽しみだなぁ~」 俺の言う事には間違い無いと信じる素直なミキ。 絶対的な信頼を得てると思うと、俺も嬉しさが込み上げてくる。 「さてと…少しでも良くなるように腰を摩ってやるか」 「すみません」 ミキは全然悪く無いのに……俺を責めずに…そんな優しいミキを労る事にした。 ベットにうつ伏せで横わるミキの腰を隣で片肘をついて横になり、スリスリ…撫で軽く揉んだりしてやると「気持ち良いです♪」と言ってたミキはそのうちにスースー…寝息が聞こえ始めた。 寝たか? スリスリスリ……撫でる手を休ませずに居たが、俺もミキの寝息に釣られるようにいつの間にか?うとうと…し、腰に手を当てたまま俺も寝てしまった 「伊織さ…伊織さん」 「…ん……あっ…寝ちまった~~」 「ごめんなさい。俺が先に寝ちゃったみたいで」 「いや、それより腰は大丈夫か?辛く無いか?」 「さっきより楽になりました。ありがとうございます」 「そうか。なら、良かった」 寝た事もあり疲れも取れたのかも知れないとホッとした。 「……伊織さん……体も楽になったから……」 ミキの様子から海に行きたいんだと解った。 「海に行きたいんだな?ミキが良ければ行こう」 「わぁ~い♪ 本当に?嬉しい♪最後のゼフ島の海を満喫したかったんです。まだ、目の前の海では泳いでなかったから♪」 パァ~っと明るく笑顔を見せたミキは本当に嬉しそうだ。 この笑顔を見れるなら何でも願い事を叶えてやりたくなる。 「じゃあ、水着に着替えて準備して行こうか。ラッシュガード着るの忘れるなよ。あとは~、シュノーケルマスクとバスタオルも1枚持って行こう砂浜熱いかも知れないからビーチサンダル履いて行くぞ。あとは~…飲み物も必要か」 「伊織さん! 解ったから早く行こう!」 待ち切れないらしいな。 「諸々の準備は俺がするから、ミキは取り敢えず自分の身支度してろ」 「解りました」 「良し! いい子だ‼︎」 ミキの頭をポンポンすると嬉しそうな顔を見せた マジ~~可愛い~~♪ 水着とラッシュガードを渡し、俺も水着に着替え準備を始めた。 セブ島滞在最後の海遊びだ。 思いっきり楽しんで良い思い出にしょう。

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