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第710話
「わぁ~~♪このロケーションで食事出来るなんて~~♪最高‼︎」
あれからミキのシャワーを待って、俺達はヴィラから散歩がてら歩いて敷地内のレストランに着いた。
「丁度良い時間帯だったな。夕日が沈み掛けて海にも反射し、凄え~良いロケーションだ。記念に
1枚撮っておこう。ほら、自撮りするから少し近づけ!」
ミキの肩を引き寄せ、カシャッ! カチャッ!
「見せて、見せて♪」
今、撮ったばかりの写メを2人で覗きこむ。
夕日をバックに、仲良く頬を寄せ笑顔の2人が写し出されていた。
「夕日が綺麗で凄く良い写真ですね」
「そうだな。夕日よりミキの方が綺麗だがな」
「またまた~~♪」
自己評価が低いミキは自分の容姿には、無頓着で全然解って無い。
言い寄って来る者も居るし.人に見られてる事は多少は自覚はあるようだが、本人的にはそれは単にクォーターだからだと言う認識らしい。
「お待たせしました」
そこに店員が注文してた料理を持って来た。
テーブルにはワインとシーフード料理とステーキ.サラダ等がテーブルに並べられた。
「以上で、お揃いでしょうか?それでは、ごゆっくり」
店員が去ると「うわあ~~、美味しそう♪」と笑みを漏らした。
「まずは、乾杯するか?」
「はい♪」
「良い旅行だったな。乾杯!」
軽くワイングラスを掲げると俺のグラスに軽くカチンッ!と合わせ
「凄く、楽しかった~~。旅行に誘ってくれて、ありがとうございます。乾杯♪」
お礼の言葉を伝え微笑みワインを口にした。
その姿に俺も微笑み一口飲む。
「さて、食べるか。昼はある物で満たしたからな腹も空いてるだろ?」
「どれにしようかな。やっぱ海老からかな」
チリソースの海老.ホワイトソース乗せロブスター.新鮮な牡蠣.BBQソースのステーキ.シーザーサラダ.マンゴーフルーツ.チーズ乗せカリカリトーストとテーブルいっぱいに並んでた。
大ぶりの海老を口に入れ「美味しい♪美味しい♪」と笑顔で話す。
「伊織さんも見てないで。美味しいから早く食べて.食べて♪」
美味しそうに食べるミキの笑顔に満足し、俺はステーキを口にした。
肉厚でジューシーでソースも美味しかった。
「これも美味い! ミキも食べて見ろ」
一口サイズに切りフォークに乗せ、ミキの口元に持っていくとパクッと口に入れ「美味しい♪」と蔓延の笑みになった。
可愛いらしい。
「あ~~、太っちゃうけど…美味しいから食べちゃう」
牡蠣を手にそんな事を言うが、出会ってから全然容姿は変わらない。
逆に、俺の方がミキと同棲してからと言うもの食生活が俄然充実し、料理が上手いミキの手料理をついつい食べてしまう。
気をつけるように自覚し、マンションのジムや部屋での筋トレは欠かさないようにしてるし、ミキにも ‘品数は多くなくて良い’ と ‘美味すぎて食べ過ぎる’ と言った事があった。
それからは品数も肉料理には野菜多めにしたり、割とヘルシーだがボリュームがある物を工夫し作ってくれる。
俺の体を気遣い料理をしてくれるミキにいつも感謝してる。
「でも、その分昨日も今日も泳いでたしな。これくらい気にする必要ない。大体、ミキは太る体質じゃないだろーが。気を付けないと俺の方が中年太りになる」
「伊織さんは背も高いし筋肉あるし、それに……シックスパックじゃないですか~~。中年太りなんて全然ですよ~~。俺には羨ましい体型です」
「ま、気を付けてるからな。太ってブヨブヨな体になったら、ミキに嫌われてしまうからな」
「それはありません‼︎ 確かに、外見もタイプですが…それを上回る位に、性格とか心が大好きですから……」
言ってて恥ずかしくなったのか?
誤魔化す様に、ロブスターを口いっぱいに頬張った。
可愛いな。
頬を緩め、俺も話した。
「俺の方がメロメロ…だよ」
「メロメロ…って。何か恥ずかしい」
シャワーを浴びてサラサラ…の長い前髪を掻き上げ、照れてる姿に愛しさを感じる。
それからはラブラブモードで楽しく食事をし、心地良い風とロケーションを堪能し食事を終えた。
散歩がてら歩いて砂浜を歩き、日も暮れ星がちらほら見え始めてた。
ザァ~ザァ~……波の音。
サワサワ……風の音。
ジャリジャリ…ザクザク…砂浜を歩く音。
余り人が居ない砂浜を手を繋ぎ歩く。
この旅行での事.食事の事…etcたくさん歩きながら話す。
良く話すミキは少し酔ってるのかもしれないな。
俺もほろ酔い加減で気持ち良い。
良い雰囲気の中で、俺は手を繋ぐミキを引き寄せ抱きしめ、いきなり唇を合わせた。
突然の事で目を丸くしたが…静かに目を閉じて俺のキスを受け入れた。
舌を入れクチュクチュ…絡めるキスをし、唇を離した。
額にキスし、額を合わせた。
愛し過ぎて愛が溢れてくる。
「もう~、話してたらいきなりでびっくりしました」
「悪い。でも、俺はいつでもキスしたいし抱きしめたいと思ってる」
俺の首に手を回し、ミキから抱きついてきた。
そして俺の耳元で小さな声で囁く。
「俺もです」
可愛い過ぎて俺はギュッと強く抱きしめた。
まるでそこには2人だけの世界に居るような、そんな錯覚をした。
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