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第719話
ヒュ~~バン.バン‼︎🎇🎇
バン.バン.バン…バラバラバラ~~……🎆🎆🎇
ヒュ~~バン.バン‼︎ヒュ~~バン.バン‼︎🎇🎇🎆
「綺麗~~♪」「凄~~い♪」「綺麗.綺麗‼︎」「へえ~~すげぇ~~」etc……感嘆の声が、俺達の所だけじゃなくあっちこっちから聞こえる。
去年見た場所で、前列に沙織達と龍臣達が並びその背後に俺達と祐一達がカップル同士で座り始まった花火を眺めてた。
屋台で買って来た食べ物やビールは真ん中に置き飲みながら花火を堪能する。
俺達からは、前の2組が良く見える。
沙織は矢島君と腕を絡め顔を寄せ話したり花火を見上げてる。
龍臣達は優希さんの肩に手をやり引き寄せ、優希さんも龍臣の肩に頭の乗せ2人でボソボソ…語りまったりとした雰囲気で花火を見上げてる。
祐一達も真琴君が一生懸命に祐一に話し掛け楽しそうだ、祐一もそんな真琴君を見て嬉しそうな顔をしてる。
皆んなにはバレない様にこっそり手でも繋いでるんだろう、そう言う奴だ。
俺は勿論ミキの体を引き寄せ密着し恋人繋ぎをし食べ物も ‘あ~ん’ しラブラブ全開だ。
ヒュ~~バン.バン🎇バン.バン🎇バラバラ…🎆
バン.バン.バン🎇🎇ヒュ~~バン.バン🎇🎇
夜空に赤.黄色.青.ピンク……と、色鮮やかな花火が次々上がり空を明るく彩る。
皆んな花火に夢中だ。
中盤に差し掛かりビールも無くなった所で、飲み足りない俺はミキに「ビール買いに行かないか?」誘う。
「それなら、皆んなの分も買って来ましょう」
俺は頷き、皆んなに声を掛けた。
「ビール買いに行って来る。まだ、飲み足りないだろ?皆んなの分も買って来るから」
「ありがと」「悪いね」「やった」と言う事と共に、矢島君が「それなら俺が買って来ますよ」と1番年下と言う事で気を使って言ってきた。
「良いよ。俺達は去年も見たし、ゆっくり見てろよ。俺達も歩きながら見るから」
「すみません」と恐縮する矢島君に ‘良いから.良いから’ と手を振り、そして「行くぞ」とミキの手を繋ぎ歩き始めた。
背後で龍臣と祐一が「2人っきりになりたいんだよ~」「そ、だから気を使う必要無いって」と言ってたが……無視だ。
本当は、あいつらが言ったように2人っきりになりたかった。
やっぱ、長い付き合いだけあって俺の事を良く解ってる。
俺達は花火を見ながら恋人繋ぎで1番近くの屋台までのんびり歩く。
「花火ってやっぱ良いよな。夏って感じするし、いつ見ても綺麗だ」
「本当に~! 去年と同じプログラムなのかな?」
「ん~~、大まかな所は一緒だろ?」
「そっか。でも、同じものだとしても何度見ても良いですね」
「だな」
去年見た花火大会の事を、今こうやって話してる
付き合いの長さが解り嬉しい。
そしてまた来年には今年皆んなで行った花火大会の事を同じように話すんだろうな。
そう思うと心がほっこりする。
そして屋台で7人分のビールをホルダー型の紙トレーに乗せ2人で分けて持つ。
歩き始めて俺は屋台の裏の奥の方にミキを連れて行く。
「どうしたんですか?」と言うミキの唇にチュッ!っと、可愛いキスをし唇を離した。
両手が塞がってるミキは突然の事に驚き、そして直ぐに照れたような嬉しそうな顔をした。
何だか俺も照れ臭くなり「行くぞ」と声を掛け、皆んなの元に戻る事にした。
少しの間だったが2人っきりになれたし、隠れてキスした事も良い思い出になりそうだ。
「戻ったぞ。ほら、ビール取れよ」
「ありがと」とお礼を言い、ビールを取る中で龍臣と祐一はニヤニヤ…して「早かったな」「ま、この人混みじゃーな」と言われたが……無視だ。
俺とミキも元居た場所に座り、冷たいビール片手に空を見上げた。
クライマックスに向けどんどん花火は打ち上げられ、Wナイアガラやスターマインや大きな柳はやはり素晴らしかった。
手を叩き「凄い.凄い♪」「すげぇ~~な!」の感嘆の声の連発だ。
周りからも、やはり感嘆の声があっちこっちから聞こえた。
やはり圧巻だったのは最後のクライマックスの曲に合わせて何十発の連続花火だった。
ヒュ~~ドン.バン.バン、ヒュ~~ドン.ドン.バン.バン
……バン.バン.ドン.ド~ン.バンバン………バン…
🎇🎆🎇🎆🎇🎇🎆🎆🎇🎇🎆🎆🎇🎇❗️
夜空に色鮮やか花火が打ち上げられ、空一面明るく彩る。
日本の夏って感じがする。
これには声も出ず見入った程だ。
そしてクライマックスの花火が終わると花火大会終了のアナウンスが流れた。
去年のミキは花火が終わった後 ‘寂しい’と言って感傷に浸ってたが……「凄かったね」「見応えあった」「来て良かった~」etc…楽しげに感想を漏らす真琴君や沙織達にミキも寂しさを浸る暇も無く一緒に花火大会を見れた事を喜んでた。
これはこれで仲間達と見れて良かったのかも知れないな。
でも、来年は2人で花火大会見に行く!
一緒に行こう!と言われても、断固阻止だ!
そして俺達も帰る事にし、帰りの電車はやはり花火大会の帰りの人々で車内は混雑して居た。
俺達4人はミキ達4人を守るように囲んで電車に乗った。
やはり、さっきまでの花火大会の話しで盛り上がる。
途中で、龍臣達が「まだ早いし、ちょっとブラブラ…して帰る」と言い電車から降りた。
「じゃあね~」「またね~」と手を振るミキ達を見ながら、俺は ‘どうせ、優希さんの女装姿をこの際堪能しようと思ってるんだろ’と、心で思ってると祐一も同じように思ってたらしく目と目が合い笑った。
俺達は祐一の仕事もあるし荷物も祐一の車に置いてあったから、そのまま車で送って貰う事にした
祐一の運転する助手席で背後に座ってるミキにしきりに話し掛け、はしゃぐ真琴君だったが暫くすると静かになった。
「あれ、マコ寝ちゃった?」
「ああ、余程楽しかったんだろ。はしゃぎ過ぎて寝た~。このまま店に連れって、店終わるまで事務所のソファに寝かせて一緒に帰る事にする」
「楽しかったから1人で部屋で祐さんを待ってるのも寂しいから、その方が良いかも」
ミキは祐一の事を優しいと思ってるだろうが……こいつの事だ、折角の女装姿の真琴君が部屋に帰って着替えられるのが嫌なんだろう。
違う意味でも楽しみたいはずだ。
実際、俺がそうだからな。
長い付き合いの祐一の事は俺には良く解ってる。
そして祐一達に送って貰いマンション前で分かれた。
やっと2人っきりになれた。
逸る気持ちで玄関ドアを開けた。
先に玄関に入り、ミキがドアを閉めたのを確認して、そのままミキを玄関ドアに押し付け唇を奪った。
ずっとお預けを食らってたようで、一刻も待てなかった。
咥内に舌を入れ貪るように舌を絡め楯鱗した。
クチュクチュクチュ…ジュルジュルジュル……
「はぁはぁ…いお」
浴衣の裾から片手を入れ太腿も撫で回す。
すべすべでしっとりと手に吸い付くようだ。
背中を叩かれ、やっと唇を離した。
「はぁはぁ…まだ玄関…」
激しいキスで息が弾み目が潤んで居る。
色っぽい!
「待て無かった。ずっとこうしたかった!」
「ここじゃ…」
「解った。部屋に行こう」
俺は草履を脱ぎミキを急かすようにし、腕を掴みリビングに入った。
玄関の続きとばかりに、リビングの壁にミキを押し付け唇を奪った。
そしてこの日はミキの女装姿に欲情し、いつも以上に激しい夜になった。
勿論、次の日はベットの住人になり拗ねるミキを構い倒した。
ミキとの同棲生活が順調で、俺は幸せな絶頂に居た。
この幸せな日々がずっと続くと信じてた。
まさか、この後に俺を悩ますような…最大の危機が起きようとは……この幸せな日々の中で思いもしなかった。
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