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第787話
三田は、まさかの行動に出た。
帰りの駅では捕まらず、俺が避けてるのを察したのか?
駅付近での待伏せを止め、会社付近で待伏せされた。
会社のフロアを抜け自動ドアで外に出て数m歩いた時だった。
背後で「成宮さん!」と名前を呼ばれ、嫌な予感をしながらも振り向いた。
目立たないように植込みから姿を現し、笑顔で近づいて来る。
嘘だろ?
何で、会社まで?
それに勤務先は話してないはず……なぜ、会社がここだと解った?
俺はずっと避けてたし会う事も無かった!
つけられてた?
朝は大丈夫だと油断してた!
俺は直ぐに前を向き無視し歩き始めた。
「成宮さ~ん」
タッタッタッ……
足音が聞こえ小走りで近寄り、俺の隣に並び歩く
「成宮さん。最近、会えないから寂しかった! 忙しいのかしら?」
「………なぜ?会社を知ってる⁉︎……会社にまで押し掛けられたら、迷惑だ‼︎」
足を止めず前を向いたまま機嫌の悪い低い声で話した。
「だって~、なかなか会えないんですもの。好きな人の事を知りたいと思うのは、自然な事だと思うけど?成宮さんだって、私の事を知りたいでしょ?ねぇ、彼女と直ぐには別れられないのなら、少しの間だけ我慢するから! その代わり食事や飲みに行くぐらいは付き合ってよ~」
はあ?
何で?
この間より話が進んでないか?
妄想?
「この間、はっきり断ったよな?俺は付き合ってる人と別れるつもりは更々無いし、お前と付き合うつもりも無い‼︎ 駅での待伏せもそうだが、会社にも現れて迷惑なんだ‼︎ これ以上、付き纏うなら警察に通報する」
もう丁寧語なんて使ってられねー。
はっきりキツく言い放った。
「やっと、気さくに話してくれるようになったわね。他人行儀で寂しかったから、そっちの方が良いわ。警察?何で、警察?私、何もして無いけど?好きな人にアプローチして食事誘って、何が悪いの?警察だって取り扱ってくれないわ」
確かに……何をされたわけじゃない。
ストーカー行為だと俺は思ってるが……好きな人にアプローチ……と言われたら、警察も事件性が無いと判断する…か。
こっちが迷惑と思っても……ストーカーとの線引きはどこからなんだ?
「どっちにしろ、俺は迷惑だから。もう、付き纏うのは止めてくれ‼︎」
そう言い放ち、俺は三田から離れ走って駅に向かった。
電車の中で、何で俺が逃げなきゃなんねーんだ⁉︎
理不尽で腹が立つ‼︎
そして何を言っても三田には効果無い。
まるで話にならない。
次の日は、駐車場に出る裏口から会社を出て、こっそり玄関口付近を見たが三田の姿は無かった。
そのまま駐車場から道路に出て急いで駅に向かいやはり反対口から駅構内に入り電車に乗った。
昨日は現れて今日は来ない……ストーカーとは言い難いか⁉︎
毎日現るわけじゃなく1日置きなのか?3日後の時もあった。
反省して諦めてたか?と思えば現れる。
油断出来ないって事………か‼︎
そして次の日はやはり植込みの陰で待って居た。
自動ドアから出て来る人を確認してるようだった
俺は昨日と同じく裏口から出てこっそり確認すると、三田の姿がチラッと見え隙を見てそのまま駐車場から道路に出て急いで駅に向かった。
はあ~、いい加減にしてくれ‼︎
迷惑を通り越し、怒りさえ湧く。
このまま逃げ惑っても埒があかない。
何とか解決策はないか?
日を追う事に、三田の頭の中では俺との事が進行形で妄想してるようだ。
この先どこまで妄想が進むか……不安だ‼︎
キツく言ってもはっきり言っても馬の耳に念仏⁉︎
糠に釘⁉︎
三田の良いように解釈されちまう。
どう言う脳内変換してんだ‼︎
話しにならねー‼︎
その後も日にちや場所を変え、駅や会社付近に神出鬼没する三田に頭を悩まし、それでも上手い事避けて居た。
相手が諦めるのを待ってたが……俺も我慢の限界がきてた。
この時には、まだ自分で解決出来る事だと思いミキにも誰にも言わずに居た。
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