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第788話
駅や会社での待伏せに避けられたと感じたのか?業を煮やした三田は今度はどうやって知ったのか?マンション付近に出没しやがった‼︎
まさか‼︎ マンションまでとは思いもしなかった。
いつ、つけられてたのか?
知り合った頃には警戒もして無かった。
たぶん会社もマンションも、その頃にもう知られてたのかも知れない。
そうなると、俺1人の問題でも無くなってくる。
その日は金曜日と言う事もあり、ミキはいつものメンバーとおやじの店に集まる事になってた。
「久し振りだし、楽しみ♪」
ミキは嬉しそうに朝から話してた。
俺はミキも遅いだろうと残業し、いつもより遅く会社を出た。
この時間なら、三田も流石に居ないだろうと思ったが、一応、警戒し会社を出て駅に向かった。
やはり遅い時間だったのが功を奏し会社付近にも駅周辺にも三田の姿が無かった事にホッとし、マンションまで帰って来た。
遅い時間なら、大丈夫なのか!
だが、いつもいつも残業しても居られないし、俺としては早く帰りミキと一緒の時間も過ごしたい‼︎
はあ~。
早く諦めてくれねーかな⁉︎
晩飯の弁当をコンビニで買って、そんな事を考えながらマンションに着いた。
マンションに入ろうとした時に声を掛けられた。
「な・り・み・やさん!」
この声は⁉︎
嫌な予感がした‼︎
ここまで誰の姿も見てないはず‼︎
どこに居るのか確かめる為に辺りを見回した時にマンション入口付近の植込みの陰から現れた‼︎
こいつ植込みとか好きだな~と、変な感想を持った。
俺に近寄り笑顔で話して来る。
その笑顔が怖え~‼︎
「成宮さん、今、お帰りなの?こんな時間までお仕事?お疲れ様‼︎」
「…………」
「ここが成宮さんが住んでるマンション? 凄く素敵ね~」
知ってた癖にわざとらしい‼︎
「何で、ここに居る⁉︎」
低い声で機嫌悪く話すが、空気を読まずに平気な顔で話してきた。
「お友達がこの近くに居るの。友達に会った帰りに成宮さんの姿を見つけて声を掛けたの。んもう~、成宮さんと全然会えなくって……寂しかった」
友達の家の帰り⁉︎
嘘吐け‼︎
そこの植込みから出てきたじゃねーか‼︎
どう考えても待ってただろーが‼︎
それに全然会えなかったって、当たり前だ! こっちは避けてるんだからな‼︎
早く察して諦めてくれよ‼︎
「…………」
三田の話をスルーするとお構いなしに話してくる
「成宮さん、今から夕飯? コンビニ弁当じゃ体に悪いわよ。私、何か作ります! それにもっと話したいし、ここじゃなんだから」
目敏く俺の夕飯の心配をし、何とか部屋に入りたいと遠回しに言ってきた。
図々しいって言うか.何言ってもめげないと言うか凄え~神経してる‼︎
ある意味感心する!とすら思う。
「晩飯はこれで大丈夫ですし、迷惑なのでもう帰って下さい‼︎ 2度と俺の前に現れないで下さい‼︎」
わざと丁寧に冷たく言い放った。
「もう、遠慮してるんだから。これでも結構料理は得意なのよ。成宮さんは何が好きかしら?」
話聞いてるか⁉︎このヤロー!
「とにかく、これ以上は俺に関わらないで下さい‼︎ 本当に迷惑です‼︎」
「そんな事言わないで。1度位食事に行って色々話さない?私の事を知って欲しいし。ね?」
「これ以上話しても無駄ですね‼︎ 早くここから消えてくれ‼︎」
俺の話を聞かない三田に呆れ、俺は三田をその場に置いて何か話してたが、さっさとマンションに入った。
セキュリティがしっかりしてるマンションだけあって、三田は入って来れなかった。
俺は振り向きもせずにフロアを抜け、奥のエレベーターに乗った。
ったく‼︎
マンションにまで‼︎
何を言っても聞く耳持たない三田に疲れと怒りを感じ、そのまま部屋に入り直ぐに管理人に電話した。
直ぐに出た管理人にマンションの前に変な女性が居る! 注意と見回りをお願いした。
管理人は直ぐにマンション前と付近を見てくれ折返しの電話を貰った。
「今、見回りして来ましたが、それらしき人は見当りませんでしたが、一応気を付けておきます」
「お願いします」
管理人もいつもいつも見回りばかり出来ないだろうが、それでも気に掛けてくれる事には越した事がない。
充分では無いが対策はとった。
レンジで買って来た弁当をチン!してる間に、寝室に行きスーツから部屋着に着替えキッチンに行き弁当を取り出しソファで食べ始めた。
駅や会社も迷惑だがマンションまでとなると……流石に……ミキにも言わざる得ないな。
三田は会社の人の出入りも見てるし、もしかしてミキの姿も見てるかも知れない。
ここのマンションでもミキの姿を見たら……何を言われて何をするか解らないな。
ミキに危害でも加えられたら堪らん!と、弁当をさっさと食べおやじの店で楽しんでるミキに電話した。
♪♪♪♪……♪♪♪♪…
数回のコールでミキは電話に出た。
「伊織さん?どうかしたの?」
沙織達との飲み会を知ってる俺が電話を掛けてきた事に心配してるようだ。
そりゃそうだよな。
沙織に何を言われるか解んねーから、飲み会の時はよっぽどじゃないと電話したりしない。
たまに帰る時間帯に迎えに行くかどうするかの確認をLINEでする位だからだ。
「悪い。今日は帰りどうするのか?と思ってな」
「あと1時間位かな。帰りはマコとタクシーで帰りますから」
「そうか。今日は優希さんは?」
「居ますよ」
「悪い、優希さんに代わってくれないか?」
「良いですけど……」
「優希さん、伊織さんからです」と言って、優希さんに電話を代わった。
「何~?美樹君は無事だよ!」
少し飲んで気分が良いみたいだな。
「無事なのは当たり前‼︎ 何かあったら許さねーから!」
「ははは……。相変わらずだね~。で、何?」
「優希さん、帰り迎えに来るだろ?悪いが、ミキと真琴君も一緒にお願い出来ないか?」
優希さんが飲む時は龍臣は必ず迎えの車を寄越す事を知ってるから頼んだ。
「良いけど?」
「悪いな。それで真琴君を送ったら、そのままミキと一緒に部屋に来て欲しい。優希さんに相談って言うか.話しがある」
「解った」
「頼む! ミキ達には上手く言ってくれ。あと沙織には言わなくて良いから」
「解った。美樹君に代わるね」
「はい、美樹君」と言ってミキと代わった。
「優希さんに帰りは送って貰うように頼んだから」
「えっ! わざわざ?」
「良いから、良いから。じゃあな」
「はい。じゃあ、そうします」
電話を切り少しホッとした。
管理人も言ってたし、たぶん三田はもう居ないだろうが、これで大丈夫だろう。
そして俺はこれからの事を1人で対策を考えてた
弁護士でもある優希さんにも話し、法的な事も含め一緒に対策を考えても貰うつもりで部屋に呼んだ。
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