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第793話
暫く和気藹々とした雰囲気で過ごしてたが。
「そろそろ夕飯を作ろうかしら。龍臣達も食べて行くでしょ?」
「ああ。この後、伊織達と話しもするしな」
「夕飯作るなら一緒に作ります」
「俺も手伝います」
優希さんに続いてミキもそう話す。
「それならお願いしようかしら」
叔母さんは嬉しそうに言い、3人は揃ってキッチンに行った。
いつもは叔母さんと健太と良二で作るらしく、叔父さんは「母さん、嬉しそうだな」とボソリと俺達の前で言った叔父さんも嬉しそうだった。
良い親だな~と、俺は龍臣が羨ましく思った。
そして健太や良二も一緒に豪華な夕飯を頂いた。
夕飯後には、ミキが暫く使う部屋に案内された。
尊君が小さい時に使ってた部屋で、偶に泊まりに来る時にも使われてる部屋だった。
ちゃんと鍵もあるか?確認し、窓からの侵入もどうか?確認してる俺を見て龍臣と優希さんは笑ってたがスルーした。
大事なミキに何かあったら大変だからな。
部屋の鍵も窓の鍵も大丈夫だし、隣は叔父さん達の部屋だと聞いてるし取り敢えずは大丈夫だろうと思った。
そしてストーカー女との今後の対策と対応を話しあった。
1週間を目処とし、龍臣の部下の報告を待って決着をどうするか?その週の金曜日に話し合う事に決めた。
弁護士である優希さんも、それまでにどのような法的手段が取れるかも確認してくれる事になった
俺も出来るだけストーカー行為となる証拠をICレコーダーやスマホに収めて置く事にした。
その話し合ってる時に、俺のスマホが鳴った。
♪♪♪♪…♪♪♪♪……
誰か?と思ったら、スマホの画面にはマンションの管理人の名前が表示。
電話に出て、少し話しをし礼を言い電話を終えた
「何かあったんですか?」
ミキが心配し聞いて来た。
「さっきまでマンションの玄関付近に、あの女が居たらしい。管理人には話してたから、直ぐに対応してくれたみたいだったが ‘成宮さんの部屋番号を教えて’ ‘私は成宮さんの彼女なんだから良いじゃないの’ ‘最近、付き合い出したから部屋番号聞いて無かったのよ!’とか色々言ってたらしい。管理人さんは、彼女なら部屋番号は知ってるだろうし俺から話してた事もあり、女の話はおかしいと思って ‘個人情報は教えられません’ ‘ここに居られては、他の住人の方の迷惑になるから帰って欲しい。帰らないなら、警察呼びます’と言ったら、何やら喚いてたが帰って行ったらしい。管理人さんには、お礼と迷惑してる事を言い今後も対応お願いした」
「何だか、伊織に聞いた話より妄想が進んでねーか?」
「ヤバい感じだね。早いうちに、こっちも対処した方が良いかもね」
「伊織さん……大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫だ‼︎ ただ、マンションもバレたしミキに危害がある事だけが不安だったが、それもここに避難した事で安心だし。あとは、あの女をどうにかする事だけに集中出来る。ったく! あの女~‼︎」
「マジ、危機一髪だったな。日曜日まで突撃してくるなんてよ」
「本当だぜ! 今までは、そんな事無かったが…。はぁ~、休みの時も安心してられねー」
「ねえ、何で今回は休みの日まで来たのかな?今までは平日の帰り時間だけだったよね?それも毎日じゃなく来たり来なかったり……何か行動が読めないね」
「頭の中も沸いてるし、何言っても変な脳内変換しやがって話しになんねーし」
「取り敢えずは、伊織も気をつけろ‼︎ 何するか解んねーからな。何かあったら直ぐ連絡しろ‼︎」
「そうだね。私でも良いしね」
「迷惑掛けて、悪い‼︎」
「俺も伊織や祐一には助けられたしな。こう言う時は、お互い様だろ?」
「ありがとーな」
「珍しい~~。伊織が礼言うなんて‼︎ 明日は雪でも降るか?」
「俺だって礼ぐらい言うつーの‼︎」
「そっちの方が伊織らしい! やっぱ、伊織は憎まれ口叩いてる方が良い‼︎」
俺を励ましてる龍臣の気持ちは充分に伝わってたが、素直になれない俺はついつい龍臣が言う憎まれ口をきく。
「俺がまるで性格悪いみてーじゃねーか!」
「ま、良くはねーな」
「お前に言われたくねーつーの!」
俺と龍臣の子供みたいな言い合いに優希さんは呆れ、ミキは口を挟まずおろおろしてた。
そうこうしてるうちに、そろそろ帰ると言う龍臣達と一緒に俺もミキと離れるのは名残惜しいが帰る事した。
龍臣達が帰る前に、叔父さん達に挨拶して来ると言い部屋を出てミキと2人っきりになった。
たぶん、龍臣と優希さんは気を使って少しの間2人にしてくれたんだろう。
「ミキ、少しの間だけ辛抱してくれ! 俺も寂しいが辛抱する! そして1週間で解決して必ず迎えに来るから」
「大丈夫です。会社でも会えるし毎日電話かLINEします。俺の事より伊織さんの事が心配です。食事はきちんと食べて下さいね。あまりお酒は飲まないように。3日に1度は洗濯して下さいね。あと
あまり無理しないで。逆上されて、何されるか解らないから」
「ミキ‼︎ 離れたくない‼︎」
自分の事より俺の事ばかり心配するミキを離れ難くギュッと抱きしめた。
「俺もです‼︎ 何も出来ずに、伊織さんの足手まといになってるのが悔しくて…」
抱きしめて手を緩め、ミキと額を合わせてジッと目を見て話す。
「そんな事ない‼︎ ミキに何かあってからでは…後悔してもし足りない‼︎ 安心したいと言う俺の我儘なんだ‼︎ ミキには不自由掛けるが待っててくれ‼︎」
「解りました」
ミキの頬に手を宛て唇を奪う。
舌を入れクチュクチュ…レロレロ……舌を絡め激しいキスをし、最後にチュッ!とキスし唇を離した
また、額を合わせて
「これ以上したら我慢できなくなる! ここで止めておく」
クスッ…と笑うミキ。
「本当に、そろそろ行かないと…。優希さん達、待ってるよ」
「そうだな。行くか!」
ミキと一緒に部屋を出て叔父さん達の所に向かった。
叔父さん達とミキ.健太.良二が玄関口で見送ってくれた。
「叔父さん.叔母さん! そして健太.良二‼︎ ミキの事くれぐれも宜しくお願いします!」
「解った。安心しなさい」
「大丈夫よ」
「うっす!」「大丈夫っす!」
「伊織、行くぞ‼︎」
龍臣に言われ玄関を出たが……。
「健太.良二。ちょっと」
玄関の外に手招きし2人を呼ぶとサンダルを履いて出て来た。
「お前ら! ミキに手を出しやがったら、ただじゃーおかねーからな‼︎ 知合いに闇医者が居るから、頼んで角膜と腎臓.肝臓取り出して必要な人にやる! んで、あそこはちょん切って一生使い物にならねーようにしてやる‼︎ そう覚悟しておけ‼︎ いいな⁉︎ 俺はミキの為なら何でもする‼︎ それ程、大切なんだ‼︎ ちょっかい掛けようなんて思うより、ミキを守れ‼︎」
顔を近づけギロッと睨み低いドスの効いた声で静かに脅してやった。
もう一度釘を刺しておく為に呼び出した。
俺が話したエグい内容に顔面が蒼白になり、本気な気配とただならぬ雰囲気に圧倒され、2人は背筋をパシッ!と伸ばし、直立不動で『解りました‼︎』と良い返事をくれた。
殺す!とか言うより、具体的な方が本気度が解って良いと判断したが効果的面だったようだ。
「良し‼︎ じゃあ、ミキを頼む‼︎」
『はい‼︎ 任せて下さい‼︎』
そして玄関口に居るミキと叔父さん達にもう一度顔を見せ、先に待ってる龍臣達と後ろ髪引かれる思いで駐車場まで向かった。
これでミキの事は大丈夫だ!と安心したが、何で俺達が離れなきゃならないのか?理不尽さも感じ、あの女に痛い目を合わせてやろーとも考えた。
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