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第801話

「そうか。ん、申し訳なかったな」 「いや、優希も呆れ果てたが、逆にやる気も俄然出た!と言ってる」 「ありがたい。迷惑かけてるのにな」 リビングで電話してると寝室から声が聞こえた。 「伊織さ~ん!」 「あっ! 悪い! ミキが起きたようだ」 「はあ⁉︎もう昼過ぎだぞ。ああ~、そうか‼︎ 昨日、ヤリ過ぎか?ま、薬盛られたからな。美樹君、壊れなかったか?」 龍臣が電話の向こうでニヤニヤ…してるのが解る‼︎ 「ああ、ヤッタ.ヤッタ! ヤリまくり‼︎ 回数なんか覚えてねー程、ヤッタ‼︎ 俺の最高記録だな‼︎」 開き直って自慢話のように話す。 「はあ⁉︎ 呆れたな、お前には恥じらいってもんが無いのかね~。ま、回数よりテクニックだから‼︎」 「はあ⁉︎ 俺にはテクニック無いって言いてーのか⁉︎ 悪いが回数もテクニックも龍臣より俺の方が上‼︎」 「はあ⁉︎ 俺に喧嘩売ってんのか⁉︎ ばか言ってんな‼︎ 俺の方が上だっつーの‼︎」 「伊織さ~ん! 居ないの~⁉︎」 また、ミキに呼ばれ、ここは一旦引く事にした。 「お前と遊んでらんねー。ミキが呼んでるから電話切るぞ‼︎ 真面目な話。申し訳ないが色々頼む‼︎ お礼はするから‼︎」 「礼は良いよ。明日、午後には報告込みで優希とそっちに行くから。色々、面白い事が解ったし。ま、悪いようにはしないから優希に任せておけ‼︎ んじゃ、俺達も出掛けねーといけねーし。愛しの美樹君が待ってるんだろ?じゃ~な。また、明日な」 「悪い‼︎ 宜しく頼む‼︎ 優希さんにもそう言ってくれ!」 「解った‼︎」 龍臣との電話を切り、寝室に居るミキの元に向かった。 ガチャッ! 「ミキ、起きたのか?体はどうだ?」 ベットに座り待つミキの側に行き、俺もベットの片隅に腰掛けた。 「ん~……めちゃくちゃあっちこっち痛いし……何より…腰が……」 「昨日は無理させたからな。今日は何もせずに寝てろ」 俺も腰の振り過ぎで普通に歩いても何だか腰がガクガク…してるような、そして多少の痛みもある位だ、ミキは尚更だろうな。 体力の差か?日頃から鍛えてるからなのか? やはりミキの方がダメージはあるようだ。 ま、どんだけヤッタか⁉︎ 自分でも解んねー程しまくったしな。 「伊織さんは平気なの?」 「多少は腰にきてるが、ま、大丈夫だ」 「凄い、体力ですね。それに比べて、俺は……」 「いやいや、今回は仕方無いっつーか。薬の所為でもあるし。それと……薬の影響とは言え……自分でもヤリ過ぎた‼︎ 申し訳ない‼︎」 俺はその場で頭を下げた。 実際問題、最後の方は薬の影響なのか自分の意思なのか定かじゃなかった。 「伊織さんの所為ではありませんから。それに昨夜、送ってくれた車の中で龍臣さんにも説明って言うか.話聞いて覚悟してましたし」 そうか、昨夜の車の中で朦朧とした頭で、龍臣とミキの会話は断片的には聞こえてたが……俺は自分の事で精一杯で話の内容は理解出来なかった。 あんな事言ってたが、龍臣も心配してくれてるのは解ってたが……解り難いが優しい奴だ。 「そうか」 「誰かと電話してた? それともTV見てた?声が聞こえた気がしたんだけど…」 「ああ、龍臣と電話してた。昨日、スーツとか脱ぎっぱなしだったから片付けてた。んで、スーツのポケットに入れてたスマホとレコーダーを出そうと思ったら、証拠となるレコーダーがなかっためちゃくちゃ焦って、あの後の事も気になったし龍臣に連絡しようと思ったら、龍臣から着信が何件か入ってた。それでこっちから電話した」 「龍臣さん、何て?」 「この後、人と会う約束してるらしく余り話せなかったが。俺達を送って戻ると、あの女が不貞腐れて喚いて優希さんが何言っても話しにならなかったらしく呆れてたようだ。取り敢えず、後日、連絡すると言って帰らせたらしい。龍臣の用件は俺の要望確認と明日に内容証明と接近禁止令を公正証書にして持って行く事で良いか?慰謝料請求はするのか?の確認だった。俺は金はどうでも良いから、今後2度と俺の前に姿を現さない.接近しない.関わらない事、それで頼むって話した。弁護士として優希さんと龍臣がボディーガードを兼ねて、俺の代理人として明日の日曜日の早めの時間帯にあの女の家に行って逃げられないように親の前で内容証明による事実確認と接近禁止令の公正証書を出す事にしたらしい。あとレコーダーの件を話したら ‘昨日の車の中で美樹君から渡して貰った’って言われてホッとした。これも証拠にするって言ってた。あとは色々面白い事が解ったとも言ってた。俺の悪いようにはしないから優希さんと龍臣に任せてろ‼︎って。詳しい事はあの女との話し合いが終わったら結果報告がてら、こっちに来てくれるらしい。その時には連絡するって言ってた」 「何から何まで申し訳ないですね」 「今回は龍臣と優希さんに頭が上がらない。自分自身で解決出来ないのも…迷惑掛けて、情けないし悔しい‼︎ だから、俺も龍臣や優希さんに何か困った事があったら無条件に助ける‼︎ もちろん祐一にも何かあったら助けるつもりだ‼︎」 俺が力作するとミキはふんわりと笑顔を見せた。 「素敵な関係ですね。やはり伊織さんと龍臣さんと祐さんの絆の深さが解ります。ちょっと嫉妬する位…羨ましいです」 俺はミキの頭をぽんぽんし話す。 「ミキだって、真琴君に何かあったら駆けつけて助けるだろ?それと同じだ! 変な意味ではないが俺だって真琴君にはこれまでだって何度も嫉妬してるぞ。真琴君とミキの絆も俺には羨ましい」 「お互い以外にも大切な人が居るって幸せな事ですね」 家族が居ないミキの言葉には重みがあった。 「そうだな。俺達の関係もだが、周りの大切な人達も大切にしていこう」 「はい‼︎」 また、ふんわりと俺の好きな笑顔を見せた。 1番大切で守っていきたいのは、この笑顔だ‼︎と口にはしなかったが心でそう思った。

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