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第803話
今日の午後には報告がてら優希さんと一緒に俺達の部屋に来ると龍臣は言ってたが音沙汰が無い。
俺とミキは朝からどうなったか?結果を早く知りたいとそわそわしながら連絡を待ってた。
「どうなったんでしょうね?」
「ま、俺の要望も話して優希さんと龍臣に任せた
たぶん、上手くやってくれるはず」
「相手がごねたりして揉めてないと言いんですけど……」
「確かに! あの女じゃ、話も聞かないしな。すんなりとはいかないかも知れないな。はあ~、龍臣達に悪い事したな。何だか面倒事押し付けたようで」
「ん~。でも、今度龍臣さん達に何かあったら、俺達も協力したり助けてあげましょう」
「そうだな。それにしても、そろそろ連絡ぐらいあっても良い頃じゃねーのか?やっぱ、すんなりとはいかなかったのかなぁ~。経過だけでも途中で電話の一つでもくれれば良いのに!」
「優希さん達も頑張ってくれてるんです。結果が気になる伊織さんの気持ちも解りますが、ここは良い方に進んでいると信じて待ちましょう」
もう昼は過ぎてる。
午後に来るとは言ってたが……電話あっても良いんじゃないか⁉︎
この結果次第で、ミキがこの部屋に戻って来る日が決まる!
俺は出来れば荷物は後で取りに行くとして、無事解決したら、今日から以前のように生活したい!と考えてた事もあり、結果が気になって仕方無い。
この1週間はミキが居ない部屋は静かで寂しいと感じた。
何より俺がミキの居ない部屋に帰るのが辛かった
ソファを見ると2人でまったりとした時間やイチャイチャした時間.癒された時間、キッチンを見ると料理してるミキの姿.ダイニングテーブルを見ると‘美味しいね’と笑顔で食べるミキの姿、部屋のどこを見てもミキの姿を思い出してた、極め付けは…やはり広いベットでの1人寝は…寂しい。
いつもミキを背後から抱きしめるか.腕の中で抱いて寝てたから……あまり寝付きも良く無かった。
それもあり1日でも早くミキと一緒に以前のように生活したかった。
結局、龍臣達が部屋に来たのは14時過ぎだった。
「どうぞ.どうぞ! 今回は色々とご迷惑お掛けしてすみませんでした」
「良いの.良いの! 私も会社関係の弁護が多いから勉強になったし。美樹君が気にする事ないって」
玄関に迎えに行ったミキと優希さんの会話がリビングに居る俺の所まで聞こえた。
「伊織さん! 優希さんと龍臣さんがいらっしゃいました」
「おう! 体は大丈夫か?」
「遅かったな。揉めたのか?」
「ん……まあまあかな」
「疲れたんで、優希と昼飯に精のつくものでも食べようってなってな。鰻屋に行って来た。これ、お前達にお土産。夕飯にでも食べろよ」
ミキが龍臣から手渡され中身を見てた。
「うわぁ~、鰻のお弁当‼︎ 良い匂い! 嬉しいです! ありがとうございます。今、直ぐコーヒー入れますから、座ってて下さい」
ミキに促されソファに2人共座った。
「鰻?豪勢だな」
「いや~、疲れた.疲れた! 自分勝手な奴と話すと話しも聞かねーし話しにならねー。で、優希と美味いもんでも食べようってなってな。お前らも色々と消耗してるだろうから、精のつくもんと思ってな。美樹君の体は大丈夫だったか?」
ニヤニヤ…やらしい顔をして話す龍臣にムカつく!
「お前! 何、想像してんだ‼︎ ミキの事を想像するの止めろ‼︎ ニヤけたその顔! ムカつく‼︎」
「龍‼︎ 美樹君の事……へえ~、想像してるんだ‼︎ ふ~ん。別に…どうでも良いけど‼︎ じゃあ、私もカッコ良い男性の事でも色々と考えようかな~」
「優希~。ちょっと伊織の事を揶揄っただけだろそれが何でそうなっちゃうんだよ~」
「さあね~」
「優希~」
流石! 優希さんだ!
龍臣の操縦方法は解ってる‼︎
社長で強面で仕事に厳しい龍臣も優希さんには頭が上がらないらしい。
ま、昔っからだけどな。
夫婦になって、尚更、いや年々尻に敷かれてるんじゃねーの。
タイミング良く何も知らないミキが皆んなのコーヒーを入れてきた事で、その場の雰囲気が変わった。
そしてミキが俺の隣に座った事を確認して、俺から龍臣達に話を切り出した。
「龍臣、優希さん。今回は本当に申し訳なかった
色々、面倒事を引き受けてくれて、助かった。ありがとう! そして迷惑掛けて済まなかった」
「本当に、色々ありがとうございます。ご迷惑をお掛けしました」
俺が感謝の言葉と謝罪を込め、その場で頭を下げて話すと隣のミキも直ぐに一緒に頭を下げた。
龍臣と優希さんは笑顔で
「迷惑だなんて思ってないから。それにさっきも言ったけど、私もこう言う機会もなければ経験できないし勉強になったしね。だから、気にしないで」
「ま、大変な時はお互い様って事で!」
そう言ってくれる2人の言葉に俺は感謝しかない
「それで、早速だけど。解決したのか?俺の要望は通ったんだろ?」
朝からどうなったのか?気になってた。
たぶん……大丈夫だとは思うが、2人からはっきり聞かないとやはり安心できない。
そして優希さんから隠されてた驚愕の真実を聞かされた。
俺は怒りと呆れと改めて女の怖さを知り、更に
女に対して嫌悪感を深める事になった。
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