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第812話

「わぁ~凄い‼︎ 広い部屋~♪」 「まあ.まあだな」 「え~~、そんな事無いです」 「本来ならスイートかエグゼクティブクラスを…と思ってたが、両方共もう予約済みで無理だった」 「1泊なのに勿体無いです。ここもかなりしたでしょ?」 「そこそこかな。金の事は言うな。クリスマスだし、楽しもう」 「……はい。でも、最後に……ありがとうございます」 スイートやエグゼクティブの部屋だと気後れしたり金の事を気にすると思い、初めっからランクは少し下げて予約した。 予約する際には2部屋共既に予約済みだったが… スタンダードな部屋より1ランク上のデラックスにはしたが……それでもミキは金の事を気になるらしい。 まあ、俺が金は惜しまない性格だからな。 必要な物や欲しい物、そしてここぞと言う時には大枚を叩く。 今まで金に困った事は無いし家も裕福で育った所為もあるが、俺の性格やプライドもあるんだろう 「気にするな。俺が好きでやってる事だ。ミキとどう過ごしたら喜んでくれるか?楽しめるか?って、場所や宿泊やプランを考えるのも楽しいんだから。そう言う楽しみは年に数回ぐらいは許してくれよ」 「……はい。でも……俺は伊織さんと一緒なら、どんな場所でも宿でも嬉しいですし楽しいです」 「嬉しい事を言うな。このまま押し倒したくなるだろ?だが、それは夜のお楽しみだ。さて、少し休んだら家族風呂を予約してる。温泉らしいからゆっくり入ろう」 「家族風呂?……やっぱり大浴場はだめ?」 「当たり前‼︎ 何度も言ってるだろ?ミキの裸は俺以外には見せないって‼︎ ホテルの部屋の内風呂だと味気ないだろうと思って家族風呂予約した。それで我慢してくれ」 「お部屋のお風呂も広そうだけど?」 「家族風呂も半露天風呂っぽいから、少しは風情あると思ってな」 「そうなんですか?楽しみ♪」 さっきとは打って変わって喜んでる。 可愛いな。 それから、ミキは部屋の中を隅々まで見て回った 「部屋の広さや風呂もやはりスタンダードな部屋より広い」「アメニティも充実してる」「タオルもふわふわ」「冷蔵庫の中も無料!」「フットマッサージまである!」と何だか楽しそうに口にする。 「お~い、そろそろ家族風呂に行こう」 「は~い。楽しみ♪」 下着だけ持ち、俺達は部屋を出てフロントに行き家族風呂の場所と鍵を貰った。 5階の廊下を通り1番奥に外に出るドアを開け、上と下に階段があり俺達は下の階段を降りた。 鍵でドアを開け閉め中に入ると、脱衣所と半露天風呂.洗い場があった。 俺達は早速服を脱ぎ、かけ湯をし風呂に入った。 「あ~~あったまる~♪」 自分の肩に湯を掛け堪能してる。 「まじで体の芯からあったまるな。ここ何階だろうな。下に降りて来たから3階ぐらいか?見晴らし良いな」 3階に当るだろう場所に家族風呂を作り、両壁は突き出て回りからはこちらは見えない作りだった 目の前には雪景色が広がってた。 「本当‼︎ 雪もチラついて良い雰囲気‼︎ 温泉宿の木々や川の音も癒されて良いですけど、雪景色も雰囲気ありますよね。なんかこう…心が洗われるような真っさらな気持ちになります」 「そうだなぁ~。解る気がする」 「あ~疲れた体に染み渡る~。スキーしてる時は全然解らなかったけど、こうしてあったかいお風呂に入ると疲れが出るのが解る。でも、楽しかった! スキーして温泉入って最高‼︎ 最高なクリスマスになりました‼︎ ありがと、伊織さん」 「ミキが喜んでくれたなら俺も満足だ! 俺もスキー面白かったし、最初はやっぱ緊張したけど直ぐに感は取り戻せたしな。だが、上級者コースは失敗したな~」 「本当に‼︎ あれは無理‼︎ よく降りられて来れたと今でも思います。また今度スキーに来たいですね?今度はスノボとかどうです?」 「いつでも来れるよ。それこそもっと近場なら日帰りも出来るしな。スノボか~。ミキに教えて貰わないとな」 「俺もそんなには上手く無いですけど、何とか転ばないで降りられる程度です。伊織さんは運動神経抜群だから直ぐに出来ますよ」 「俺もそう思う‼︎」 「また~~。伊織さんは本当に自信家ですよね~」 「まあな。でも有言実行型だし、まあ、やれば何でも出来るし何もしないよりやってみて後悔するタイプだからな」 「羨ましい。俺は石橋を叩いて渡るタイプだから」 「だから良いんだろ?正反対だから、お互い補える。俺達は相性が良いって事だろ?」 「伊織さんのそう言う前向きなポジティブな考えも好きだなぁ~」 「そうか?俺はミキみたいな優しく慎まやかな所が好きだが…」 ミキの後頭部に手を当て強引に唇を奪った。 クチュクチュクチュ…チュッチュ… 軽い口づけのつもりが、ついつい舌を入れ濃厚になりそうになり唇を離した。 「か.体洗わなきゃ…」 頬を染めるミキはやはり照れてるんだろう。 そう言う所が好きなんだっつーの。 髪を洗い始めたミキの後ろ姿をジッと見入ってしまう。 男にしては細い肩とウエスト.小さな尻、そして白い肌……堪らん‼︎ いや、今は我慢.我慢。 目を逸らし景色を眺めザアッ…と湯船を出た。 体を洗ってるミキの背後から声を掛けた。 「さてと、俺も体でも洗うか」 俺の声に反応し、俺の姿を見たミキは目を逸らした。 「何?」 「あの…その……伊織さんの…」 俺の? ああ~、目を逸らしたのはそう言う事か。 俺のモノは、さっきのキスとミキの後ろ姿を見て半勃ちになってた。 「気にするな。ここではしない‼︎ 上にも人が居るかも知れねーからな。可愛いミキの声を聞かせる訳にはいかねーし。それに楽しみは夜にとっておかないとな!」 そうだ、今日の夜の為に昨日の夜も‘朝早いから’と言ってしなかった。 違うな、平日だと言う事もあり、もう3日間も悶々と我慢してた。 一緒のベットに抱き合って寝るのはやはり辛かったが、今日の夜を忘れられない夜にする為にも耐えた。 だから、俺の今の状況ではちょっとミキに触られたら、直ぐに完勃ちし我慢出来ずにここで襲ってしまう可能性があると思い先にミキに牽制し話した。 ミキが口を開く前に、俺はさっさと髪を洗い体を洗い始めた。 なるべくソコは刺激しないようにしたが……やはり触らず洗う事は出来ずに、綺麗に洗う為に触るとヒクヒク…反応する。 マズいと思い、さっさとシャワー浴びて直ぐに風呂に入った。 これで何とか落ち着かせよう。 ミキも風呂に入り隣に並び、その事には触れずに2人で景色を眺めたりスキーの話や世間話をし体を温めた。 1時間だけの家族風呂を堪能し部屋に戻り、備え付けの冷蔵庫から水を取りだしゴクゴク…飲み、残り半分をミキに渡すとやはり風呂で喉が渇いてたらしいミキもゴクゴク…飲み干した。 「スキーもして体も動かしたし風呂にも入ったし夕飯は部屋食で19時からだ。それまで少し寝ないか?」 「そうですね。滑ってる時は解らなかったけど、お風呂に浸かってドッと疲れが出たような気がします。ぐっすり眠れそう」 「じゃあ、寝過ごさないようにタイマー掛けて置くか?」 「うん! 昼寝して起きたら夕飯とかって贅沢‼︎」 「偶には良いだろ?そう言う時間も大切だ」 寝室には大きなダブルベットがあり、ミキは「凄いベット‼︎ お布団もふっかふか~♪」と大はしゃぎだ。 2人で服を着たまま横になり、俺はミキに腕枕し少し話をしてたが、どちらともなく寝落ちしてた 大きなベットの真ん中で自然に抱き合うように眠ってた。

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