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第814話
食事が済みゆっくり過ごした後に、これからの時間を邪魔されたくないと思い、2人で片付けたワゴンを部屋の外に出し、俺が部屋に戻るとミキは大きな窓から外を眺めてた。
「ワゴンを部屋の外に出して置いた」
「ありがとうございます」
「雪降ってるか?」
「チラチラ…と少しだけ降ってます。雪景色も良いもんですね。ちょっとロマンチックです」
「外に行って見るか?確か…敷地内でイルミネーションしてるはず……ここからも……ほら、あそことかあっちの方にも…」
俺が指差す方向には、白と青でイルミネーションが煌びやかに光ってた。
「あっ! 本当だ‼︎ 全然気付かなかった。雪に気を取られて……うわぁ♪綺麗‼︎」
「近くに行けばもっと見れるだろうし、ロビーにも大きなクリスマスツリーあったよな。そこも、この時間ならLED点灯してるんじゃね~」
「そうかも。チェックインの時にはまだ点灯して無かったし。行って見たい!」
「外に出るから、寒く無い格好しろよ‼︎」
「はい」
食事が済んだら、外に連れ出すつもりだった。
ミキが窓から眺めてる事で、流れ的に言い出しやすかったな。
良し‼︎ 計画通りだ‼︎
俺は細く微笑んだ。
「行くか?」
「はい……あっ! でも……男2人でって変かな?」
「薄暗し解んねーだろ。ま、気になるなら、こうしておけ!」
俺はミキのマフラーを口元まで隠し、コートのフードを頭に被せた。
「うん‼︎ これなら少しは……イチャイチャ…出来る…かな?」
可愛い事を言うなっつーの‼︎
このままベットに押し倒したくなるじゃねーか!
「出来る.出来る! 俺は元から気にしねーし。ま、他のカップルも自分達の世界で周りのことなんか見てねーだろうしな」
「そうだね! じゃあ、早く行こう!」
俺の手を引っ張りはしゃぐ。
部屋から出てエレベーターに乗りロビーに向かった。
カードキーとスマホ……後は……良し! 全部持った事をコートのポケットに手を突っ込み密かに確認した。
ロビーにはやはり大きなツリーがイルミネーションで煌びやかに輝き、このツリーを目当てに回りには数人程居た。
考える事は皆一緒だな。
カップルやら家族連れで大きなツリーを眺め、その前で写メを撮って居た。
俺達も負けずに自撮りで写メを撮ってると、話し掛けて来たカップルが居た。
「写真撮りましょか?出来れば、俺達も撮って欲しいんで」
助かる!
「お願いします」
俺のスマホを渡し、大きなクリスマスツリーの前で2人で並び肩に腕を回しミキは背後から俺の腰に腕を回し密着して撮って貰う。
カシャ.カシャッ…と数枚撮った所で確認した。
「これで大丈夫ですか?」
「ありがとうございます」
煌びやかツリーの前で仲良さそうな2人の写真に満足し、俺もそのカップルの写真を数枚撮った。
スマホを返す時に
「お似合いのお2人ですね。良いクリスマスを」
一応、そう話すと2人は嬉しそうにし照れて居た
初々しいな。
初めての2人のクリスマスを過ごすのだろうか?
そう言えば、俺達も初めてのクリスマスは都内のホテルだったな。
その時もこうやってロビーの大きなクリスマスツリーの前で写メを撮ったな。
あれから3年か。
それ程長くミキとの時間を過ごしたんだな。
感慨深く思いながら「良いクリスマスを」と言って、そして俺達はロビーを離れた。
あの2人も今日の夜には……そう思うと、俺も頑張らねば……とニヤつく。
外に出ると、雪がチラつく外はやはり寒かった。
「やはり寒いな。風邪引くなよ」
「大丈夫です。それより凄く綺麗ですね」
木々には青と白のイルミネーションが点灯され、やはり綺麗だった。
俺はミキの手を取り俺のポケットの中に入れ、2人で手を繋ぎ足元には4〜5cm程積もってる雪の中を歩き始めた。
通りの木々のイルミネーションを見ながら歩く。
「あっちに確かフラワーガーデンがあって、今はイルミネーションで飾られてるらしいから行って見よう」
「はい。良く知ってますね」
「部屋食をセッティングしてる時に教えて貰った」
「ホテルの人が言ってるなら、さぞ綺麗なんでしょうね」
「だろうな」
本当は、このホテルを予約して直ぐに電話し、色々とリサーチ済みだった。
歩いて行くと広いガーデンスペースが有り今は花は咲いておらず、その代わりに木々にはイルミネーション.ツリーの形をしたオブジェにはライトアップされ一際煌びやかだった。
その他にも色々とオブジェがあり、インスタスポットとしてカップルや家族連れで写メを撮ってた
キラキラ…光り煌びやかな世界はクリスマスの雰囲気を寄り盛り上げてた。
「凄いな」
「本当に‼︎ 雪もチラついて幻想的で! 凄い綺麗‼︎」
「フラワーガーデンらしいが春や夏には花でいっぱいなんだろうな」
「そう言う時期も良いですね」
「そうだな、また来れば良い。少し歩いて見て回りながら記念に俺達も写メを撮ろう」
「はい」
ツリーやオブジェの前でも自撮りし一通り見て回った。
「可愛い♪」「綺麗‼︎」と何度も感激し口にするミキの鼻の頭は寒さで赤いのが可愛い♪
辺りを見回すが、数個あるベンチには既にカップルが座ってイチャイチャ…し座る所が無かった。
「ミキ、あっちに行って見るか?」
「はい」
ミキは俺に誘われ黙って着いて来た。
少し歩くと、さっきのフラワーガーデンより小さな中庭があり、そこもそこそこイルミネーションで飾られてた。
「こんな所にも飾られてたんですね♪」
「ちょっと解り難いけどな。たぶんさっきの方がメインで、こっちはレストランで食事してる人が見て楽しむ為なんだろうな。ほら、こっちからもレストラン見えるだろ?」
「本当だ~。こっちから見えるって事はレストラン側からも見られてるって事だよね?ちょっと恥ずかしいな」
「ま、そんなに近くは無いし人が居るって程度だろ」
話しながらイルミネーションを見て周り、俺は少しずつ誘導して行った。
ミキは何も知らずにイルミネーションに夢中で俺に手を引かれるまま着いてくる。
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