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第836話 其々の夜(祐一x真琴)

「祐さん、ミキ達凄く幸せそうだったね。ミキのウェディングドレス姿、凄く綺麗だったよね~僕、ミキとバージンロード歩いた時、凄く緊張しちゃった~。父親じゃないけど……何か寂しいとか.幸せになって欲しいとか.複雑な気持ちになるのが解った……。僕、ミキを成宮さんに手渡した時良く解らないんだけど…ウルウル…きちゃって~成宮さんの者になるんだなぁ~とか.僕の手から離れちゃうんだなぁ~とか.もちろん! そんな事は解ってたけど…実際、結婚式するの見て実感したって感じ……。でも、ミキの幸せが1番だし成宮さんなら任せられる。感動と感激と寂しさと…色んな感情で2人を見守ってたよ」 ホテルの部屋に入り、ソファに座って直ぐにマコはそんな事を言い始めた。  ミキの幸せが1番とは解ってるんだろうが、今までミキを守ってきたのはマコだからな。 複雑な気持ちも解るし、皆んなの前では言えなかった気持ちを俺と2人っきりになった事で露呈したって感じだな。 「マコも複雑だったかも知れないが、ミキが伊織を選んだんだし俺達は2人の幸せを祈って見守ってやろうぜ。それに伊織の者になったって親友の座はマコだろ?何かあったら今までと変わらずにマコに相談するさ」 少ししょんぼりしてたマコも俺がそう話すと笑顔になった。 「うん! そうだね。僕はいつまで経ってもミキの親友だもんね。恋人や夫夫は別れる事があっても親友なら離れる事はないもんね」 余程、ミキの事が好きなんだな。 ここまで来ると呆れを通り越して尊敬すらする。 「ま、そう言う事だ。それと伊織がミキを手放す事はないだろうな。伊織はミキにベタ惚れだし、ミキに出会って良い意味で伊織は変わった。前にも話しただろ?龍臣と伊織の2人は恋愛に関しては本気にならないって。それでも龍臣はきちんと線引き出来る奴で相手にもそうさせてたが、伊織は寂しさと人恋しいからって本気でもねーくせに中途半端な優しさで相手の方が割り切れないってパターンだった。俺は近くで見てきたから将来、龍臣は本気で好きな奴はいずれ出来るだろうが、伊織は無理だろうなと思ってた。伊織はそのまま適当に遊んで、その時その時で楽しくやっていくんだろうなと……寂しがり屋で人恋しいくせに本気になる事に怯えてるようでもあった…敢えて、そう言う相手を見つけようとしないって節があったな。だから、ミキに一目惚れした!って言われた時は驚いたってもんじゃなかった。長い付き合いで、あいつからそんな言葉初めて聞いたからな。あ~やっとこいつにも本気になれる相手が見つかったのか!と安心したよ。相手がミキなら尚更な。2人が出会った時にマコも居ただろ?あの時に、俺は直感した。この2人は惹かれ合うってな。俺は伊織もミキもどっちも知ってたからな」 成宮さんと龍臣さんの学生の話は前に少し聞いた事があったけど…ミキ達が初めて会った時に祐さんがそう思ってたとこの時に初めて聞いた。 「そうだったんだ。僕は成宮さんの事全然知らなかったから……でも、成宮さんの性格とか知るとミキのタイプって後々解ったけどね。ミキは強引で男らしい人が好きだからね」 「それを言うなら伊織は家庭に飢えてる所があるからな。ミキの家庭的な所や優しさ.健気な所とか伊織のタイプそのものだ」 「じゃあ、2人は必然的な出会いだったって事だね。会うべくして出会ったって事でしょ?運命だね」 「ま、今、考えればそう言う事だろうな。寂しいのは解るが、ミキ達の話はそろそろ終わりにしよう」 「あっ! ごめん」 隣のマコの体を引き寄せ、俺の膝に横抱きに乗せた。 「ゆ.祐さん!」 「偶に、家でもしてるだろ?別に、良いじゃん」 「そうだけど…」 偶に家でも横抱きに膝に乗せて話したりするが、その度に照れてるマコが可愛いと思って、またしたくなる。 「なあ、マコにとっては誰が1番?俺?ミキ?」 祐さんがこんな事聞くなんて珍しい。 今まで長い付き合いだけど、聞かれた事なかった。 「2人共どっちも同じくらい大切な人だよ。けど ……順番は決められないけど…ミキに成宮さんと言う恋人が出来て任せられると思った。僕にも祐さんと言う恋人が居るし」 返事になってるかな? 僕の気持ち解ってくれたかな? 「そうだな。マコには俺が居る! 俺にはマコが必要だ!」 な.どうしたの?今日の祐さん…何か変⁉︎ 確かに、祐さんが話す通りこうやって偶に僕の事を膝に乗せる時がある。 僕はちょっと照れちゃうけど嬉しい気持ちもある でも、そう言う時の祐さんは大抵疲れてる時だ。 甘えたくなるのかな?と思って、僕はいつも祐さんの頭を抱えてたわいのない話しをずっとしてる 祐さんは僕の腰に手を回し抱き着いて黙って僕の話しを聞いてる。 今日も、もしかして疲れたのかな? でも、こんな事言うなんて…。 「ありがと……どうしたの?何か、いつもの祐さんじゃないみたい」 戸惑う僕の顔を覗きに込む顔は笑ってた。 「マコ!………」 名前を呼んで……黙った祐さん。 「……何?」 真剣な顔の祐さん……。 僕……何かしたかな? 何を話そうとしてのか解らず、いつもとは違う祐さんに……僕は戸惑う。 そして祐さんから出た言葉は………。

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