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第842話 其々の夜(伊織x美樹)

背後から抱きしめたまま首筋に顔を埋めた。 あ~ミキの匂いだ! 化粧の匂いと混じりながらも、ミキの匂いがする! 「もう、伊織さんったら。くすぐったいって~」 髪の毛と鼻先が首筋やら頬に当たり、くすぐったいと言われた。 思わずクンクン…匂いを無意識に嗅いで居たらしい。 「悪い! でも、ミキの匂いがする! こうしてると安心って言うか.落ち着くんだ」 腹に回した俺の手を撫でながら 「俺も、こうやってると落ち着きます」 「ミキもか。俺達の定番の体勢だからな。ミキ、ずっとこうしてこれからもやっていこうな‼︎ お互い歳を取ってもずっとこうやってミキを抱きしめたい」 「うん! 俺もそうしたい! 喧嘩しても仲直りしたらこうしてね?」 「勿論だ! 俺はミキの側をずっと片時も離れたくない位だからな。ずっとイチャイチャ…してたい! そう思えるのは、ミキだけだよ」 「俺もイチャイチャしたり甘えたい方だから。伊織さん、ウザく思わないでね?」 「もっと.もっと甘えて欲しい‼︎ それこそウザッ!と思える程にな。まあ、ミキに甘えられたらウザい!なんて思わないけどな」 「伊織さんも! 俺は頼りないかも知れないけど、甘えて欲しい」 「いや、俺はミキに甘えてると思うぞ! 家での俺を知ったら、長い付き合いの祐一や龍臣も驚くと思う」 俺が人に甘える事をしないのは、あいつらは知ってるからな。 いや……引くな‼︎ 絶対に見せられないが。 クスクスクス…… 「家に居る時は、ずっとこうやってる事や膝枕してる事とか?あっ、それとも…お風呂2人で入りたがる事?俺の髪や体を全部洗いたがる事とか髪の毛を乾かしたがる事も?なんか話してて…俺…伊織さんにいつもやって貰ってばっか」 ミキに言われて、初めてそんなにミキを構い倒してたとは…俺は自覚無かった。 「俺が好きでやってる事だし気にするな。それに俺の楽しみでもあるしな。あと…こうやってる事とか膝枕の事は、あいつらに内緒な?絶対‼︎ 引かれるし揶揄われる‼︎ 性格悪いからな、あいつら!」 クスクスクス…… 「言いませんよ。俺にとっても楽しみですからねでも、本当に3人仲が良いですね」 「はあ?どうしてそう思う?」 仲が良いとか悪いとかは無いが、信頼はしてる。 「そうやって悪く言ってるのに、祐さん達の事話してると声とか顔が違うもん。何を言っても大丈夫って信頼関係が凄く解る。祐さんも龍臣さんからもそれは伝わります」 そうか、あいつらからも。 何だか、嬉しいような照れ臭いような気がする…でも、こうやって俺達3人の関係を解ってくれる人が居るのはやはり嬉しい! それはミキだけじゃないだろう……優希さん、真琴君、沙織、矢島君もそう思ってくれてるはず。 やっぱ、俺は仲間や友達(ダチ)に恵まれてる。 「ありがとう。そう言ってくれて嬉しいよ。俺達幸せ者だな。良い仲間に恵まれて」 「うん‼︎ こうやって結婚式のサプライズしてくれて。そして、今までも一緒に悩んでくれたり怒ってくれたり.笑ったり……そんな仲間を持てた事は俺の宝物です」 「俺もそう思うが、その中でも俺の1番の宝物はミキだよ」 首筋に唇を当て、ミキの匂いを嗅ぎ話す。 「それを言うなら、俺も伊織さんが1番の宝物です。ん…伊織さん、また、くすぐったいって~」 くっくっくっくっ…… 首を傾げ肩を上げくすぐったさから避けようとする仕草が何とも可愛い! 「んもう……くすぐったいから…口を当てたまま笑わないでよ~」 「もう!マジ‼︎ 食べちゃいたい位可愛い‼︎」 そう言って、俺は本当に頸(うなじ)の辺りにカプっと軽く噛み付いた。 本当は首筋にしたかったが……Yシャツから見えるギリギリの所だと思い誰かに見られたらミキが困るだろうと頸に噛み付いた。 これなら後ろ髪とスーツの襟で解らないだろう。 衝動的にならないのは、全てミキの事を考えてだ クスクスクス……。 「食べちゃだめ~。もう、狼さんからは逃げま~す」 可愛い事を言って、預けてた体を起こそうとするミキをがっちり掴んで離さない‼︎ 「離さないぞ‼︎ 今日は満月だからな。狼になって頭から足の爪先までじっくり吟味してやる!」 俺もミキに合わせて話す。 満月か.どうかは解らないが…まあ、ノリだな。 「誰か、助けて~」 「助けは来ない。美味そうだ! どれどれ味見しよう」 「え~! やだ.やだ~」 がっちり掴んだ体は離れないと思ったのか、足をバタバタ…してる。 おいおい、ドレスから綺麗な足が……。 他の奴らが、この光景を見たら呆れて ‘バカップル‘とでも言われそうだが、俺はこんな何気ないイチャイチャが好きだ。 それも相手がミキだからこそだ。 もし……ミキ以外なら、俺がこんなイチャイチャするなんて絶対にあり得ない。 「観念しろ。さてと…まずは、ここから味見するか」 首筋と耳の裏をペロペロ…舐める。 「や、くすぐった~い」 身を捩るミキだが、本当は嫌がって居ない。 そして今度はねっとり首筋を舐め上げた。 「あっ…ん……ぁ」 小さな喘ぎ声が漏れる。 ミキの腹に回してた片手を外し、ドレスを捲り上げ太腿を摩りながら首筋と耳の裏にチュッチュッ ……キスと舌を這わす。 「ん…ぁ…ぁん」 雰囲気的に……。 このままヤル‼︎ 絶対ヤル‼︎ そして俺は耳元で宣言した。 「今日は寝かせない‼︎ 前回のリベンジだ‼︎ 俺がどれだけミキを愛してるか…この体で解らせてやる! 愛してる‼︎ 俺の全身全霊を注ぎ愛し続ける‼︎」 「俺も愛してる。これからの一生を伊織さんと共に……最後の時まで一緒に居ます」 チャペルで愛を誓った時にも感動し感激したが… このミキの言葉にまた感激した。 俺はこれから一生ミキに愛を囁き体で愛を注ぐ。 それが俺の愛し方だからだ‼︎

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