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第5話
柔らかそうで触り心地が良さそうな栗色の髪。
前髪は分けて流した毛先は跳ねさせとても似合っていた。瞳は大きく漆黒の色、鼻筋が通って程良い高さ、誘うような薄赤い唇、透き通るような白い肌、顔は小さく、体は華奢な程では無いが細身で全体のバランスが良かった。
男臭く無く女性的な色気があり中性的だ。
何より雰囲気が華やかだが柔らかくそれでいて儚げさもあり守ってやりたくなる。
店を出て行った彼を思い出し
「あれじゃぁ、周りが放って置かないだろう」
少しでも情報が欲しかったからさり気なく聞く
「まぁな、今のお前に話せる事はあまり無いが知りたいのか?」まだ、本気かどうか分からない奴には教えられ無いって事だろう。
「……。今、話せる範囲でいいから教えてくれ
少しでも知りたいんだ」
「話せる範囲ねぇ、そうだなぁ。あの容姿だ寄って来る奴は後を絶たない」
やはりな。花の蜜に蜂達が寄って来るようなイメージを持った。
「だろうな」苦笑した。
俺を見て
「特に自分に自信がある奴にな」
「他は恐れ多いって一線引いて眺めてるだけでいいって奴も居るし断られてもいいからって挑戦する奴も、だから1人で呑む時はこの店だけにさせてる。マコにも言われてるしな」
取り敢えず安心した祐一が目を光らせてる事に
「ある程度自信がある奴でもやっと口説き落として付き合い始めは喜んで浮かれて順調だが付き合っていく内に自分には勿体ないとか自分は相応しく無いとか言って自信が無くなって別れるパターンだな。まぁ長くても半年だな実際ミキは容姿だけじゃなく性格もいいからな」
そんな奴辞めとけばいいんだと思った。
「ミキの方は外見だけじゃなく内面も含めて本当の自分を見て愛して欲しいって思ってる奴だから尽くすわけだ。それも相手には重く感じるらしい。付き合ってる相手が居る時は一途に尽くすし、呑みにも殆ど来ないしな」
あの容姿でそんな健気な事されたら嬉しい、俺だったら愛し抜いてやる。
「まぁ、ミキも告白されて好きになれそうって曖昧な感じで付き合始めるからな。尽くして居るけど相手も分かるんだろそういうのは。愛されたいって気持ちが強いんだ」
黙って祐一の話を聞いて俺は口を開いた。
「祐一の話を聞いて益々欲しくなった。容姿も性格もいいって最高だ、愛されたいならイヤってほど愛してやる」ニヤって笑いながらも自分に誓った。
「お前ならそういうと思った」ニヤって笑う。
俺の性格も良く知ってる。さすが悪友だ。
「で、俺がアメリカ戻ってる間はちゃんと目を光らせてくれるんだろうな」
「それは暫くは大丈夫だ。アイツ男と別れたばかりだからな。1カ月位は1人で呑みにも来ない。変なルーティーンがあって別れて1週間は1人で相手を想って自分の何が悪かったか責めて部屋で中島みゆきを聴きながら泣く。2週め位に
真琴を呼んで家呑みする。3、4週めで、気分転換にショップ巡りで終わり。落ち込むだけ落ち込んで後は浮上するだけって感じらしい。まぁお前の本気が判ったらアメリカ行ってる間は見張っててやる。平日は仕事があるだろうしな。週末位だろう。呑むなら1人でもマコとでもここで呑ませるから安心しろ」
最後女を抱いて浄化して終わるらしいがコイツには黙って置いた方がいいな。中島みゆきといい最後に女を抱いて浄化とか良くわかんねぇ事するがミキには大切な事らしい、まぁそこがミキの面白い所だがな。
どうして女を抱くのか?聞いてみたら、母親の胎内に戻って生まれ変わるような気がするらしい。ちょっと天然と言うか変わってる所が面白い。俺が気に入っている所でもある。コイツには言えないが。
よし、言質を取った。コイツが言うなら安心だろう。
「俺の本気を見せてやるから。その後は任せた」
これで安心してアメリカに行ける。なるべく早く戻ってこようと決心した。
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