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第6話

‘R’moneを出て俺の部屋でマコと家呑みだ。もちろん失恋には必需品の中島みゆきをBGMにしている。 2人でビールやカクテル缶とツマミを買い込んで、今日はマコに愚痴を聞いて貰う日。 「マコぉ。俺の何が悪かったのかな?いつも向こうから告白してきて俺が振られる。何でぇマコぉ。ねぇ。ねぇってば聞いてる」 「聞いてる、聞いてる。もう、酔ってるの?何回も同じ事言ってるよ」チビチビ呑みながら言ってくる。 自分では酔って無いつもりだから。 「マコぉ。皆んな同じ理由で別れる。何が 美樹は自分には勿体無いとか美樹には自分は相応しく無いとかってなんなの?俺そんな凄い人じゃないよ。普通なのに美化し過ぎてる全然本当の俺を見てくれ無い。マコぉ」グスングスンと泣き始めた。 あ-ぁ。泣き始めた。もう限界かな? お酒弱くは無いが程々に呑める程度なんだから、呑むと色っぽくなるし甘えて可愛くなるから祐さんの所以外では1人で絶対呑みに行かせられ無い。無自覚だから困る全く。 毎回同じ事言ってるけどと思いながら 「ミキは悪く無い。尽くし過ぎる位尽くしてる。でも、ミキも好きになれそうって感じで付き合うから駄目なんだよ。いつも言ってるでしょ本当に好きになってからじゃないと同じ事繰り返すよって」 グスングスンと鼻を啜りながら 「だって本当に好きな人は皆んな俺を置いて居なくなる」 涙が頬を伝ってる顔が綺麗だなぁと思いながら、その言葉を聞いて何を示してるのかが判って切なくなる。 「大丈夫。少なくとも俺は居なくなったりしない。祐さんも」 「ミキの事愛してくれる人は絶対居るから。ミキも恐がらず自分から好きになって」 「マコ、ありがとう。いつも辛い時、側に居てくれて。マコに救われてる」 肩に頭を乗せて甘えてくるから可愛い。そのまま手触りのいい髪を数度撫でてやるとス-ス-寝息が聞こえてきた。 「寝ちゃったか」 スマホで時間を確認すると 「1時かぁ。祐さんまだお店だし迎え来るまでミキとこのまま少し寝ようかなぁ」 ラグに静かに横たえ寝室から毛布を持ってきてミキに掛けて自分も横になる。 ミキの髪を撫でながら「綺麗な顔してるんだからもっと上手く立ち回れば良いのに。本当不器用なんだからなぁ。昔からそうだった」と言ってミキとの出会いを思い出していた。 ミキと出会ったのは大学1年の時で講義が一緒だった。偶々、僕がその講義に遅刻ギリギリで教室に入って行ったら殆どが席が埋まっていたがミキの周りだけが数席空いていた。 ラッキーと思い「隣いい?」って声掛けた。 俯いていた顔を上げて「どうぞ」と言われたが僕は暫く立ち尽くしてた。 こんな綺麗な人が世の中にはいるんだ、まるで女神のような人間離れしていると思ってボ-としてたら「大丈夫?座らないの」って声掛けられてハッとして慌てて隣に座った。 講義中ずっと気になってチラチラ見て、このまま講義終わったら親しくなれるチャンスが無いかもしれない 彼と親しくなりたかったから講義終わり間近ノ-トに、僕の名前は園田真琴。君の名前は?って書いて見せた 目を丸くしてノ-トに返事が返ってきた。 香坂美樹とだけ。 講義が終わって隣に直ぐ声を掛けた。 「昼御飯、学食行かない?」少し考えてたが 「いいけど俺と一緒でいいの?」何故、そんな事言うのか分からないけど「いいに決まってる僕から誘ったんだよ」と言ったら凄く嬉しいそうに笑った顔が凄く綺麗だった。 学食で昼御飯を食べながら話をした。 「ねぇ、さっき何で誘った時、俺でいいの?って言ったの?」こんなに綺麗なら沢山誘われてるだろうにと思い不思議で聞いてみた。 「俺、何故か他の人に遠巻きで見られてて大学で友達出来ないんだ。だから俺と一緒だと悪いと思って」寂しそうに笑うから。 「そんな事無いよ。皆んな話し掛けたいけど遠慮してるんだよ。良かったら僕と友達にならない?僕もまだ友達少ないから学食とか講義の空いてる時間とか一緒にいる人居無いんだ」 「友達多そうなのに俺で良かったら」 「わぁ、ありがとう。これで暇な時間1人で過ごさな無くなって良くなる」と言って友達になった他にも友達が居たが何故かどうしてもミキと友達になりたかった

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