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第14話

パチっと目が覚めた。誰かに抱きしめられて、目の前には逞しい胸があった一瞬、わけが判らなかった。 抱きしめていた腕を起こさないように、そぉっと 退けて体をそぉっと離した。 ピクっとして寝返りを打って規則正しい寝息が聞こえほっとした。 寝返りを打つ時に見えた顔で昨日の事を思い出した。 バ-で会った人だ。 1つ思い出すと昨日の夜に濫れた自分を思い出し恥ずかしくなって、そぉっとベッドから出た 体が鉛のように重かったがどうにか服を着て鞄を持って壁伝いに鈍い体で部屋を出た。 エレベーターに乗り壁に体を預け鞄からスマホを取り出し時間を確認すると7時だった。 そう言えばあの人今日の3時のフライトでアメリカ戻るって言ってたなぁ。 起こした方が良かったかなぁ。でも、恥ずかしくって朝一緒には居られないしと考えてエレベーターを降りた。 ホテルを出てここが何処かわから無いが取り敢えず駅に向かった。 トルル.…トルル…部屋の電話で目が覚めた。 「はい」 「成宮様 11時です」 フロントからだった。 「ああ、判った。ありがとう。……そう言えばモニングコ-ル頼んで無いが」不思議に思い聞いた。 「お連れの方が11時と頼まれて行かれましたが」 はっとして部屋の中を見回し「そうか、ありがとう」と言って電話を切った。 部屋のテ-ブルにメモがありそこには綺麗な字で "気をつけて お元気で ありがとう" と3行の文があった。 モ-ニングコ-ルといいこのメモといいこんな可愛い事されたら益々手に入れたく成る。 メモを折り畳み「御守りにするか」とサイフの中に入れた。 祐一の所に連日通ってて疲れていたのも有るが起きなかった自分に腹が立った。 こんな可愛い事するなら朝を一緒に迎えたかった。 どうせ恥ずかしくなって逃げて行ったんだろ。今回は逃してやるが次、日本に戻ったら絶対逃がさない。 必ず見つけて手に入れてやるからな。 決意を新たにしアメリカに戻る準備をしてホテルを出て空港に向かった。

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