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第21話

田口さんが面談から戻ってきて直ぐに佐藤さんが「田口さん、どうでした?」と面談の様子を聞いた。 俺も気になって顏を向けた。 「ん。売上と窯(かま)の先生達との関係は良好か聞かれた。後は、俺は陶器とか焼物関係が多いから偶に骨董市や骨董品を扱っている店を見てみろって言われた。確かに休みは寝てたりしてるからな。月1でも行くか」って笑ってた。 「次、俺ですよ。何言われるのかなぁ。恐いなぁ、取り敢えず行ってきます」書類を持って出て行く。 「俺も何言われるのか恐いです」田口さんに心情を話すと 「まぁ言う事は厳しいかもしれないが的を射てるしあの人が言うなら納得する。実績があるからな。3週間だけなのに良く見てるぞ。出したアイデアは今回ダメだったけど着眼点はいいってダメ出しだけじゃなくフォローもするし上司としてはいいと思う」 「田口さんが言うならそうなのかも知れませんね」って言って安心した。 田口さんとそれから仕事の話をしていたら佐藤さんが戻ってきた。 次は俺の番だから聞いてみた「どうでした?」 俺の顏見て「俺もガラスと竹細工の工房職人との関係が良好か聞かれた。出したアイデアはワイングラスに金箔の粉を付けたら白ワインに映えるかもって思って言ったら、赤ワインには映え無いが白ワインは綺麗だなって、でもコスト面も考えろって言われた」 「コストを考え無いのはお前らしいな」 「はあ、何かアイデアとそればっかり考えてたんで、後は……飲み会とか合コンの時に女の子から何が流行ってるとかどんな物が良いとかリサ-チしろって言われた」ははははって照れ笑いしてる。 「課長、良く見てるよ確かにそうだな、今度からはリサ-チしてから口説けよ」ははははって田口さんが笑いながら返していた。 そんな光景を見ながら次は俺の番だなって課長の待つ会議室に向かう。 会議室のドアの前でドキドキしていた。 この3週間見た限りでは、あの時の俺とは気づいていないみたいだ。 今の俺を見て同一人物だとは誰も思わないはず、だからそれは心配していないがあの一夜から始めて2人っきりで話す事に心臓が高鳴っている。 ドキドキする胸を押さえてノックした。 コンコン。 ドアを開けて「高坂です。失礼します」 部屋の真ん中で書類に目を通していた課長が顔を上げて「そこに掛けろ」とバリトンのいい声で言われ目の前の椅子に座る。 「香坂は4年めか、どうだ仕事は?」と聞かれ 「まだまだ色々教えられる事も多いですが日本伝統商品に携われるのは嬉しいので楽しく仕事させて貰ってます」正直な気持ちを話した。 「そうか、先輩の良いアドバイスは素直に聞く事とまだ若いんだから色々挑戦する気持ちが大事だからな。さて、香坂の受け持ちの商品は着物関連と日本酒か。小物は中々いいが着物が弱いな。どう考えてる」質問され、正直頭を悩ませたている、着物は高額商品も多いから当たれば大きいが外国人は観て楽しむが着る人は殆ど居ない日本人でも着物は正月や成人式ぐらいだ最近はお手頃価格の着物も増えているのが 「はい、正直頭を悩ましてます。着物を着る文化が無いので、着付けも大変な事もあり売り上げが伸び悩ん出ると思ってます。今は浴衣の方が柄も多いですし簡単に着付けできる様になっているので需要が増えてきているのが現状で浴衣の方に力を入れています」現状を話した。 「そうだな、着物をそのまま着せようとすると今のままだ。まぁ、着物をどうするかはこれからの香坂の課題にするから何でも考え付いた事は私に話しに来なさい。……課題はどうした?何か考えたか?」 どうしよう課長が考えてる課題の応えになっているかどうか判らないから不安で仕方ない。 「すみません。課長が出した課題に応えられて無いかもしれないですが……」商品にアイデアを加えたわじゃ無いしデザインしたわけじゃないからだ。 「いい、言ってみろ」と言われもうここまで来たら言うしか無いと覚悟を決めた。

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