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第22話
「課長、‘手拭い洗顔’って知ってらしゃいますか?」課長は暫く考えて「いや初めて聞いた」課長も知らなかったようだ。
「私も知らなかったですが10年位前から‘手拭い洗顔’が口コミで美肌&角質ケアがあると言われ1部で人気があるみたいです。日本人も余り知らない事ですから外国人の方は尚更知らなくて当然だと思うので手拭い商品の横にこんな使い方があるとか効果があるみたいなポップを英語で作ってはどうかと思いました」と言って1枚の資料を課長に渡した。課長は黙って聞いて、渡された資料に目を通していく。
「今、渡した資料は‘手拭い洗顔’のやり方.効果で実際使った人の感想欄.適している手拭いの種類が載っているものをパソコンで検索した物です」
「……それでうちの会社の手拭いは、いくつ適している商品がある?」
「良く調べて無いですが4〜5ぐらいだと思います。ただ桜シリ-ズの手拭いは適しているのは確認済みです」
俺に質問しながらも渡した書類を隅々まで目を通して
「なるほどな。……日本人程美肌に拘っている人種は無い。外国人が日本人の肌のきめ細かさに驚いているのも事実だ。洗顔の仕方も横着な外国人には週2〜3回でいいのも適してる。手拭いと石鹸だけでいいのもポイントだな。金も掛から無いしやってみる価値はあるな。香坂、見本のポップを作って持ってこい。来週中に見せろ。」
まさか、採用して貰えると思わなかったので思わず嬉しくって
「はい。判りました。ありがとうございます」
大きな声で返事をしてしまった、恥ずかしくなって顔が赤くなる。
「どこで‘手拭い洗顔’を知った?」赤い顔をしている俺を見て微笑しながら言った。
「はい。私の趣味が既製品をアレンジしてオリジナルにする事と休日に服や雑貨などお店巡りをする事で先週、偶々、手拭い専門店を見つけて中に入って商品の中に桜シリ-ズがあったので嬉しくって手に取って見ていたら、店員さんが色々手拭いの使い方を教えてくれました。それで初めて‘手拭い洗顔’を知って調べました」自分の趣味迄話してしまった。
「そうか。中々良い趣味している。これからも色々興味を持って見てみろ。知らない事や解らない事は専門の人に聞くのが手っ取り早い」アドバイスを受けた。
「はい」
「ポップの見本は来週中。洗顔の仕方.効果.うちの商品で適している手拭いを書いておけ。後、注意事項もなポップは判り易く簡単に。もう1つ、手拭いを買って頂いた人には商品の中にもっと細かい説明書を入れる事も考えてるからそれも合わせてやれるか?」
商品の中に説明書を入れるなんて考えもしなかった。やはり凄い人だ。仕事が出来る人は違うと思った。
この人の下で仕事をしたいと思った瞬間だった
「はい、大丈夫です」また、元気良く返事してしまった。
「じゃあ、それで頼む。これからはどんな事でも遠慮なく相談しろ。面談は終わりだ、仕事戻っていいぞ」緊張してた面談が終わった。
「はい、これから宜しくお願いします」と言って席を立って「失礼しました」会議室を出てひと息ついた。
やっぱり相当緊張してた、オ-ラが半端なく圧倒される。
些細な事だが採用されて嬉しくって顔が緩んでしまう
香坂との面談が終わり俺はまだ会議室で香坂から渡された資料を改めて見ていた。
目の付け所がいいな。金も余り掛から無い。
デパートとセレブが行きそうな店で試験的に第1弾でやって様子見るか。予想外に化けるかもしれ無いと考えていた。
店巡りが趣味とはこの仕事では大事なことだ。
正に趣味と実益が叶っている。
店員の話を聞き逃さず興味があれば直ぐ調べる事もいい。仕事面では能力がある。俺がこれから鍛えて伸ばしてやる。
また1つ香坂の事を知れて喜びが顔に出て微笑む。
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