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第24話

GW最終日間近に悪友3人で久しぶりに呑む事になっていた。 場所は‘R’mone開店前に5時からだ、3人で呑む時は大体祐一の店が多い開店前から呑み時間がきたら祐一がそのまま仕事に入れるからだ。 俺は日本に帰国してからは仕事が落ち着くまで呑みに来ていないが香坂の件もあり電話やLINEで連絡を取り合っていた。 俺や祐一は比較的、時間は取れるが龍臣が忙しくいつも中々時間が取れない。 その龍臣が今日なら時間があると言う事で決まった。 ‘R’moneの重厚な扉の前で久しぶりだな、ここで初めて香坂と会ったんだな、あの時の衝撃は今でも忘れない。 今、仕事場が一緒なのが奇跡に近い、やっぱり俺と香坂は出会う運命だったんだ。 香坂と初めて会った日を懐かしく思い出した。 扉を開けて「ちょっと早かったか?龍臣はまだか?」カウンターの中に居る祐一に声を掛ける 「いや、適当に座れ、いつも俺の所で悪いな。 龍臣は忙しいんだろその内来る。先に呑んでようぜいつものか?」自分の分と俺の分を作り軽いつまみを用意する。 「ああ、頼む。ここが一番落ち着くな」祐一の前のカウンターに座る。 バ-ボンとつまみを置きながら「帰国してから顔出さなかったな。仕事忙しいのか?」と聞き自分のバ-ボンを1口呑む。 俺もバ-ボンに口を付けて「やはり祐一の所のが1番美味い。あっ仕事か?仕事はまぁ忙しいって言えば忙しいが久しぶりの日本だから他も色々あってな」会社で香坂が部下になった事はまだ言わない。 そこに「悪い。遅れた」龍臣が現われた。 「よぉ。龍臣随分と久しぶりだな。お前貫禄出てきたな」久しぶりの龍臣は男としてそして上に立つ者としての貫禄が出ていた。 「龍臣もいつものでいいか?」と祐一が聞き龍臣は軽く頷く。 龍臣は俺の隣に座りバ-ボンが出てきた所で改めて再会に乾杯した。 「祐一、店は順調そうだな」龍臣は‘R’moneが入っているビルのオ-ナ-だ。 祐一の昔からの夢は店を持つ事だった。 大学からずっと高級なバ-でバイトしてカクテル作りの腕を磨いて経営のノウハウを学んで頑張っていた。 25歳の時自分の店を出す店舗探しをしていた際、龍臣が自分が所有しているビルの空きを紹介して今‘R’moneはここにある。 その時龍臣は融資を申し出たそれに俺も乗った。 だから龍臣は賃貸料+毎月の利益の何%か貰っている、俺も同じく利益の何%か毎月振り込まれてくる。 俺も龍臣も本当は返済なんて考えて無い、協力したかっただけだが祐一は律儀に毎月欠かさず振り込んでくる、始めは微々たる金額が徐々に経営が安定して今は結構な金額になる祐一も頑張ってるといつも思う。 「まぁな、お陰様でな。龍臣も相変わらず忙しいそうだな」祐一も久しぶりに会ったようだ。 龍臣は顔だけで苦笑いしていた。 龍臣の会社は今は会社組織にしているが元暴力団だから色々あるんだろう。 龍臣と言ったらもう1人気になる人の事を聞いた「龍臣、先生は元気か?」龍臣の恋人で俺達3人の元担任だ。 「優希か。元気だ」優しい顔で答えた、こいつ先生にベタ惚れだったからな。 俺達3人は高校.大学と腐れ縁だ、先生は高3の時の担任だ。 あんなヤンチャな奴が先生に一目惚れして変わった、恋人同士になるまで大変な思いをしてるからな。 「今は教師辞めて尊を育てながら司法試験受ける勉強してる。まぁ、尊も手離れて時間があるからな。弁護士になって俺の仕事手伝うらしい俺の所は何かといざこざが多いからな」 尊君は龍臣の子だ。今度高校に入るはず。 「尊君が高校生になるのか?俺達も歳取るはずだな。先生も良く頑張ったな、その上まだお前に尽くすのか?」暗に大事にしろよって事だが龍臣も解ったようで「判ってる。俺は優希がいるから頑張れるし優希に救われている。大切で守りたい人がいるのが今すげぇ嬉しいんだ」愛おしいって顔で話す。 「あの龍臣がねぇ。人って変わるよ、本当」祐一の意見に俺も頷く。 「何言ってる。祐一も大切な奴出来たんだろう?前にここでちらっと見た子だろ。お前があんな風に大切に接してるの初めて見たからな」龍臣に言われて照れながら「まぁな。大事で泣かせたく無い。口説いてきたのは向こうからだが今は俺の方が夢中だ」祐一も幸せそうだ。 月日が経ったのが判った、龍臣も祐一も其々大切な人.大事な人.守りたい人が出来て人間として男としてひと周り大きくなった気がした。 いいな羨ましかった俺も香坂をそういう風に早く言える様になりたいと思った。 懐かしい話をしたり思い出話に花が咲く。 開店になり祐一はバ-テンの仕事に戻り俺と龍臣は暫く呑んで店を出た。 また、3人で呑もうって約束して別れた。 月日が経ち変わった事もあるが変わらない友情もありやっぱ悪友もいいと思った夜だった。

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