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第25話

GW明けて週始めから俺は忙しく働いていた。 今週の木.金と課長同行で京都出張があるからそれまでに例の‘手拭い洗顔’のポップ.説明書を終わらせ無ければいけないからだった。 月曜日に課長の最終確認を貰いその時に業者に頼む程では無いと言う事になり俺とパ-トの上野さんと2人で製作する事になったから尚更忙しくなった。 火.水でポップ50枚カラ-コピーしラミを掛け説明書は300枚コピーし4等分にカットする出来上がったらアメリカ支社とG&Kに送るまでを出張前に終わらせる予定で課長はその間にアメリカ支社とG&Kに連絡を入れる事になっていた。 他の仕事も並行してやって疲れていたが凄く遣り甲斐も感じていた、何とか木曜日に送れるように手配したがその頃には週始めからの疲れがピークになっていた 2台あったコピー機の1台をほぼ占領したのは申し訳無かった。 昨日の夜は仕事が一段落した高揚と課長との出張という事で緊張してあまり寝れなかったのもあって新幹線が発車して始めは課長と世間話をしてたと思う。 確かGWどうした?とか友達と映画みたり買い物行った話をした気がするが新幹線の揺れで眠気がきて頭は良く回って無いし欠伸を噛み締めてた気がする。 そんな俺を見て「昨日は遊び過ぎか?」って笑いながら聞かれ「課長と出張かと考えて緊張して眠れ無かったんです」と話すと「そうか京都着く迄少し寝ろ。着く30分前に打ち合わせするからな着いたら休む暇も無い今のうちだ休んでおけ」気持ちいい揺れに抗えず「すみません、少しだけ」って目を閉じ直ぐ眠気がきて記憶が遠のいていく。 香坂が眠いのを我慢していたようだから少しでも体を休めるように言ったが余程今週きつかったのか直ぐに眠りに入って隣でス-ス-と寝息が聞こえて顔を覗き込む。 寝顔を見るのも2回目だが今は漆黒の青み掛かった瞳が閉じられているのを残念に思いながら会社での香坂を思い出していた、何事にも一生懸命で素直で頑張っている姿にどんどん愛しさが増していく。 俺はこの出張で香坂を手に入れると考えている 会社だけじゃなくプライベートの香坂をもっと知りたい.独り占めしたくなった、これ以上は限界だった。 会社以外の香坂は魅力的で他の奴が手を出す前にと焦ってきてもいる祐一に頼んではいるがやはり心配になる。 今まで会社に行けば逢えると思っていたから気にして無かったがGWを一緒に過ごせ無かった事がやはり大きいこれからは休日を一緒に過ごしたい。 どう口説き落とすか考えてると俺の肩にコテっと小さな頭が乗っかってきた。 可愛いなぁと思いながら頭を撫でると気持ちいいのか頭を擦り寄せてくるその姿が貴賓のある猫を思い出させまた撫でながら顔が緩んで笑みが溢れる。 可愛すぎてどうしようかと思う。 いつまでもこうしていて欲しいとそのままにしておき時折あまりの可愛さに頭を撫でていた。 誰かに頭を撫でられて「頑張ってるな」って褒められた夢を気持ち良くみていた。 「……香…香坂…おい香坂」呼ばれ頭をぽんぽんされる。 ハッとして目を開けると課長の肩に頭を乗せ目の前には端整な課長の顔があって慌てて 「すみません。寝過ぎちゃいました課長の肩をお借りしてすみません」と頭を下げて謝った そんな俺に課長は「まぁ、今週は週始めから忙しかったからな」って言ってくれたが申し訳無さでいっぱいだった。 今は京都出張の為新幹線の中だったのを思い出し確かに今週始めから自分の仕事と‘手拭い洗顔’のポップと説明書作りに忙しいかったからって熟睡した挙句課長の肩迄借りてしまったと少し落込み唐突に、あっ上野さんにお土産買って帰ろうとぼんやり考えていた俺に「まだ眠気から覚め無いか?」って優しく微笑む顔を見てドキッとして「すみません。もう大丈夫です打ち合わせですよね」と京都に着く30分間スケジュ-ル確認などの打ち合わせをして過ごした。

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