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第26話

京都に着きまずホテルに行きまだ部屋には入れる時間では無いので荷物を預け送っていた土産を何個か持ち午前中に卸問屋2カ所.午後に呉服屋2カ所と自社工場と結構ハ-ドスケジュ-ルである。 卸問屋2店を挨拶と商品確認.市場状況.店主と話している課長を側で見てやっぱり仕事ができる人だと益々尊敬してしまう。 呉服屋を訪問前に「そろそろ昼だな。やはり湯葉か、香坂は何食べたい?」何でも良かったから「課長にお任せします」と返事をした。 「夜は工場の人達と会食だからなぁ、昼は軽めにしよう……やっぱ湯葉だな。香坂行くぞ」って場所も教えて貰えず黙って着いて行く。 歩いて15分位の所にある店に入って案内されて座る。 店内を見回すと古民家風の落ち着いた雰囲気がとても良い店だと見ていたら 「ここは湯葉あんかけランチセットがお勧めだぞ」 メニューを見ると湯葉なのに値段も手頃で課長のお勧めもあり「じゃあ、折角ですからそれを頼みます」そうかって笑顔を見せて2つ頼んでくれた。 課長の笑顔やばいカッコ良すぎ、さっきもここまで歩いて来る時も何人か女の人が振り返ったりしていたからやっぱりモテるんだろうなぁ、課長はそんなの全然気にして無いみたいだから慣れているんだろうな。 「香坂、3時に工場だからその前に呉服屋に2店舗訪問するからな、ちょっと今日きついがその分明日楽になるからな」 「はい、大丈夫です。……新幹線でゆっくりさせて頂いたので」 新幹線で休んで無かったら寝不足できつかったと思ったので感謝の意味で返事を返した。 「頼もしいな。休ませた甲斐があった」とははははと笑うから会社で課長が声出して笑ったのを見た事が無かったから少し驚いた、課長も笑うんだと変な事考えてその笑い顔もかっこいいなんて思っていた。 そこにランチセットが運ばれてきて「香坂食べてみろ」って言われて口に入れたら甘くてトロっとして美味しかった。 「凄く美味しいです。甘くてトロっとして、こんなに美味しいのに値段が安いのが信じられない」興奮気味な俺に「だろう。そんな喜ばれたら湯葉も本望だろうな」はははははってまた笑う。 やっぱりかっこいい、課長って思ってたより気さくで優しいし大人で頼り甲斐がある会社の課長はストイックで判断力があるけどまた違うなぁと感じた。 それから京都の名所以外の俺の知らない所など教えて貰ったりして楽しく会話をして昼食を食べた。 課長と2人で御飯食べるなんて会社でも無かったから会話続くか心配だったけどやっぱり課長は大人だ楽しく過ごせた。 また課長の知らなかった面を知れて嬉しく思った。 会社以外での香坂は朝から行動も仕草も可愛い。 今も目の前で美味しそうに食べている姿も本当に可愛い。 本当の香坂の姿は一目見たら忘れられ無い程の絶好の美人だがこうやって一緒に過ごしていると可愛さの方が目につくたぶん性格の良さが仕草とかに出ているんだろう。 2人での食事に緊張してたようだが話していくうちに緊張も取れたようだ、ここの食事は値段は安いが美味しいって評判良かったがこんなに喜ぶなら明日の夕飯はもっと良い所に連れて行ってやろうと楽しみが増えた 香坂の美味しそうに食べてる姿を見ながら思った。 昼食を食べ終えて午後から2店舗の呉服屋に訪問し挨拶.着物関連の話.呉服屋さんならではの話しを聞いてまた勉強になり呉服屋を後にした。 「やはり専門家の話は勉強になるな」って課長が話すのを聞いて「課長ぐらい凄い人でもそう言う事言うんですね」って感心して言うと「俺の何が凄いかは分からんが知らない事を知るのは大切な事だ。前にも言ったが専門家に聞くのが一番早いし的確だからな」って笑いながら話す。 はぁ、やっぱ仕事出来る人は考え方も仕事に対しての姿勢も違うとまた尊敬し自分も見習わないといけないと感じた。 3時に自社工場に訪問し挨拶.工場内を視察.商品の過程を確認.機械の不備.など今後の話をし、なかなか訪問できないので充実した話し合いになった。 工場関係の方々も話が判るやり手な課長というイメ-ジを持ったらしい、後で会食と言う名の接待で工場長が教えてくれた。

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