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第27話

接待には工場関係者が15人位と課長.俺と結構な大人数になった。 高めの居酒屋の個室で上座に工場長と課長と何人かの年配の社員が座り俺は少し離れた若手社員と事務の女の子が周りにいた、後は工場の人達が適当に座って接待が始まった。 課長達は仕事や本社の話をしていて俺も若手社員と京都の話や東京での話をしてコミニケ-ションを取っていた。 会が進むにつれ場が和み始めると目の前の事務の子が「課長ってかっこいいですよね、結婚してるんですか?」って質問され「結婚はしてないですよ、モテると思いますがあんまり個人的な事は話さないので良く判りません」と話す。 「結婚して無いなら彼女はいるんですか?」 課長狙いか分かり易いと思いながら「彼女いるかは分かりませんがアメリカにいるかもしれませんね」と自分で言って胸がチクっとする。 他の女子社員も興味深々で「でも、アメリカにいるとしても遠恋でしょ。じゃあ日本にいる方が有利じゃない。東京と京都の方が全然近く感じるんじゃない」きゃはははって笑って冗談なのか本気なのか判らない話を聞いていると男性社員が俺の耳元で内緒話を始めた「朝からアメリカ帰りのかっこいい課長が来るって煩くって本当は少人数の予定だったのに連れてって欲しいって工場長に頼んで大人数になったんですよ、お宅の課長狙いですね」って渋い顔で苦笑いしている。 俺からは情報が取れないと思って課長にお酒を注ぎに行きそのまま居座って話し込んでいる、それを見て他の女子社員も課長の席に集まり工場長は仕方ないって空いていた俺の近くに来て「凄い人気ですなぁ、やはり男は顔と若さには敵わん」って苦笑いしていた。 そこからは工場長の独壇場で話を聞いて、チラって課長を見たら女子社員達に迫られて質問責めにあっていて困り顔で対応していた。 やはりどこでもモテるあんないい男に出会うチャンスを逃さない女性の強かさを見た感じがした。 やはり女性は強いなぁ。 程良い時間になり会も工場長の締めの挨拶で終わりになり2次会に誘われたが「明日も朝から仕事ありますから」って課長が断り俺もそれに同意して工場の方々とは分かれてタクシーを止める為に大通りに歩き出した 女子社員は残念そうにしていたので「課長、良かったんですか?2次会行かなくって女子社員の方残念がってましたよ」 「いいんだ。明日もあるし流石に疲れた、香坂は行きたかったのか?」と今日のハ-ドスケジュ-ルの事か積極的な女子社員の事を言ってるのか判らなかったが「そうですね。俺も疲れましたホテル帰ってゆっくりしたいです」と正直に話す。 タクシーでホテルに着きフロントで預けていた荷物を受け取って部屋に入る前に課長に「明日朝何時にどこで待ち合わせしますか?」 「そうだな。朝食はホテルで取るから8時にラウンジで、ゆっくり休めよ」って部屋に入っていくのを見送り自分も隣の部屋に入った。 部屋に入り荷物を置きベットに横たわり「ああ疲れた」部屋を見て「俺1人の時よりグレ-ドアップしてるよ課長用か、はぁあ、それにしても凄かったなぁ課長のモテ振り女の人なら絶対逃さないよなあんなチャンス。男の俺から見てもかっこいいし仕事出来るし優しいし頼り甲斐があるし大人だし、ああ切りが無いともかく理想的だ。あんな人に愛されたら幸せだろうなぁ男の俺なんて相手しないだろう、課長なら選り取り見取りだろうし相手が羨ましいなぁ」と独り言を言いやばいと頭を振る、変な事を考えた自分に「俺の愛した人は皆いなくなるんだから……変な事を考えないで風呂入って寝よう」と考えるのを拒否して風呂に入りベットに潜り込んだら今日の疲れで直ぐに眠りについた 部屋に入り椅子に座り我慢した自分の忍耐力を褒めてやりたいと思った。 本当によく部屋に引っ張り込まなかった。 流石に直ぐに部屋に入って何とかなったな、 はあ、今も隣に居る.こんな近くに居ると思うと襲いに行きたくなるが明日もあると思えば止まれるそれにして接待は疲れた何で女ってああ凄いんだ。 香坂の周りは若手社員が多いしあの社員顔近づけて話してたし他も距離が近かったように思ったあの時も香坂の隣に行きたいのを我慢した。悪いが早く終わって欲しかったから2次会なんて行くわけが無い少しでも香坂と一緒に居たかった。 タクシー迄歩く時間.タクシーの中、香坂は少し酔ってほんのり桃色になっている頬.赤く色づく唇.ああ抱きしめてキスしたかったそこも我慢した。 今日は忍耐力を試される日だったなあ。 隣にいる香坂に「全ては明日だ、いい子で待ってろよ」と独り言を言って明日の為に早く休もうと浴室に向かった。

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