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第28話
今日も午前中に卸問屋.2カ所の呉服屋に挨拶周りをし昼食挟んで午後から呉服屋と3カ所の織染会社を周り今日のスケジュ-ルは終了した。
今日もかなりハ-ドスケジュ-ルだったが時間はまだ4時で他もどこか訪問するのか?と思い
「課長、まだ時間ありますがどこか周りますか?」
「いや、仕事はこれで終わりだが、まぁ、これからは仕事絡みの市場調査をしに行くか」と言うとどこに行くとも言わず歩き出したので黙って付いて行くと京都ハンディクラフトセンターに入って行く。
俺は聞いた事はあるが1度も入った事が無かった「メインは四条通りとか河原町通りだがそこは行った事あるだろう?ここは日本伝統品がこの建物に全部入っているからゆっくり見られるぞ時間があれば体験教室や実演もあるが今日は無理だな」俺は興味津々で「ここ話には聞いてたので1度来てみたいと思ってたんです。体験教室ってどんな物があるんですか?」来たいと思っていた場所と手作り好きな俺はワクワクしていた。
「体験は9種類あるが例えば木版画.土鈴人形と京扇子絵付け.におい袋作りとか他もあるから帰りにパンフレット貰って帰るか」興奮している俺を見て課長は笑って話す。
「絶対、貰って帰ります」と意気込んで話すと
「じゃあ1階から順番に周るか」と歩き出す。
俺も付いて行き東館1F洋書.2F陶器・着物浴衣・漆塗・工芸品など.3F和雑貨・和紙和小物・日本酒・和コスメなど、西館木版画・京人形日本人形・刀・真珠などがあり周って歩くのが楽しくって仕方なかった。
仕事と重なる商品もあり色々店員さんに聞いたり課長にも質問したりその度に課長は優しく答えてくれた。
特に和雑貨.和小物.和コスメコ-ナ-が興味を惹かれ1つ1つじっくり見て周る、コスメはこれからうちで扱っても面白いかも知れないと思い「課長、うちの商品で和コスメ扱って無いですよね。外国人の方に喜ばれそうですが」って聞いてみると「確かに容れ物日本風で綺麗だが外国人に紅とか白粉が似合うかどうかだな。後、肌質があるから外国人には合わないと思うし需要が少ない観賞用だな」
良いと思ってたのに残念って顔に出てたようで「香坂、そうやって商品を見て考えるのも大切な事だ、次に繋がる」言われ課長のただダメだと言うだけじゃなく理由や根拠を優しく教えてくれる、こういう所が大人の仕事が出来る人なんだろうと思うと同時に部下にも好かれるんだろうと考えてると
「香坂、他も行きたい所があるんだが」って言われてハッと気がついた。
「すみません、結構時間経ちましたよね。俺こういうの何時間でも見てられるから時間忘れちゃうんです。すみません」仕事の延長だと忘れてたと反省する。
「いや、謝るな。本当はもっとゆっくり見せてやりたいがまた今度来れば良い。じゃあ、次行くぞパンフレット忘れるなよ」って頭をぽんぽんされた。
なんか子供扱いされてるけど嬉しい。
「はい」って元気良く返事してしまった。
「元気だなぁ」って笑われた。
この出張で課長の笑い顔沢山見てる、やっぱかっこいい。
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