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第45話
髪を拭きながら「課長、お先にすみません」
「おい、洗面台にドライヤーあっただろう?」
「大丈夫です。いつも面倒でやらないんです」
折角ふわふわと手触りの良い髪が……そう思うとドライヤーを洗面台から持ってきて
「そこ座れ、乾かしてやる」
「良いですよ、課長にそんな事させられ無いです。自分でします」
「俺が乾かしたいんだ。いいから黙って座っておけ」
無理矢理座らせて背後に周りドライヤーを当て乾いてふわふわしてくる。
「ありがとうございます。凄く気持ちいいです、誰かに乾かして貰うの子供の時以来です」ふふふと笑う。
「これからは俺が香坂の髪は乾かすからな」
誰にも触らせたく無い。
「えっ、課長にさせられませんよ、いいですから」
遠慮なのか恥ずかしいのか解らないが
「嫌じゃないなら俺がやりたいだけだから遠慮するな。香坂の髪触ってるとふわふわして気持ちいいんだ。それに今は会社じゃないんだ、プライベートな時間だぞ課長とかは関係無い」
ペコっと頭を下げて
「解りました、課長が面倒じゃないならお願いします」
「大した時間も掛ら無いし結構楽しいぞ。ほら終わったぞ」
ふわふわの髪にチュっとキスし乾いたぞって意味で頭をポンポンする。
「ありがとうございます、凄く気持ち良かったです」
照れて話す顔が可愛いこのまま押し倒したくなるのを我慢する為に
「風呂入ってくるから香坂ビ-ルと適当にツマミあるから先呑んで待ってろよ」と話して浴室に向かう。
やっぱり課長大人だなぁビ-ルにツマミと気遣いが出来てそれに比べて俺緊張して……もしかして俺の緊張を解す為に用意してくれたのかも…だとしたら嬉しい。
折角だから課長戻ってくる前に呑んで、ある程度緊張解そうとビ-ルのプルトップを開けお風呂入って喉が乾いていたのか緊張からか一気に喉に流し込んだ。
「プハッう〜ん美味しい、半分呑んじゃったかもヤバイ」
ツマミのチ-ズ.クラッカー.チョコを少し食べて課長がお風呂から出てくる迄チビチビ呑んで待っていたが今日の疲れが出たのか段々瞼が重くなってきた。
「課長待ってなきゃ……でもちょっとだけ」
ソファに横になってしまった。
風呂から上がり髪を拭きながらリビングに行くと香坂がソファに横になっていた。
ビ-ルを呑みながらその姿見て
「寝たか、今日出かけてはしゃいでたからな。疲れが出たか」髪を撫で
「それにしても起きても寝ても美しさは損なわれ無いなぁ、若干目を閉じてる方が幼くなるかな、今の内に写メ撮るか」
カシャ.カシャと何枚か角度を変え撮っていると
「うぅん」
目を擦る仕草が幼く可愛いからまたカシャっと1枚撮り
「香坂眠るならベッド行くぞ」
声を掛けると両手を挙げて
「うぅん。眠いから抱っこ」
寝ぼけてるのか酔ってるのか解らんがメチャメチャ可愛い。
「解った解った。ほら、首に掴まれ」
首に手を回させ横抱きにしお姫様抱っこして寝室に運ぶ。
「うわぁ、楽ちん楽ちん」ってギュっと抱き付く。
「暴れると落ちるからな大人しくしてろよ、お姫様」
頭にチュっとキスしてベットにゆっくり下ろし上掛けを掛けてやる。
「嫌、どこにも行かないで」
腕を掴まれ「リビングを片付けてくるだけだからすぐ戻る」
「嫌」
甘えたの可愛いお姫様だ、リビングは明日片付けるか電気も付けっ放しだがまぁいいか。
「解った、どこにも行かないから、ほら寝るぞ」
ベットの中に入り腕枕をしてやり頭をぽんぽんしてやる。
「俺、課長の頭ぽんぽん好きです」
ふにゃって可愛いく笑う。
無意識にやってたがそうか香坂好きならこれか沢山してやろう。
「そうか、香坂だけにしてやるからな」
「嬉しい」
頭を胸に押し付けてくる可愛い頭を撫でてやる。
「後、俺の前から居なくならないで絶対ずっと離れないで側にいて、約束して」
こんな甘えて自己主張するのも酔って本音が出てるのか嬉しい言葉だ。
「安心しろ、俺は何があっても香坂の側を離れないから俺が手離すわけないだろう」
俺の言葉を聞いて安心したのか
「うぅんねむ…やくそ…く」
限界なのか最後まで言えずにス-ス-寝息を立て始めた。
香坂の頭を撫でながら「いつもこう甘えてくれればいいのに我儘も沢山聞いてやるのに」
独り言を呟きちゅっと顳顬(こめかみ)にキスする。
普段はまだ少し硬さがある、付き合い経てだからか上司と部下が抜けきれ無いのかプライベートでも敬語だったりするが本来の香坂は甘えたがりなんだと今日感じた。
少しずつでも甘えられるよう信頼され無いとな。
綺麗な寝顔の香坂に
「絶対離れないし離さないから安心しろ」
言うとふわりと微笑んだ気がした。
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