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第54話
夕飯も一緒に食べられないとLINEあった時は、正直がっかりした。
平日は仕事で顔を見れるだけでもと我慢し、休日にはその分側にいて離さないつもりで居た。
ここ最近、週末を香坂と過ごしているからか居ないと物足りない。
特に先週末の甘い雰囲気を思い出し香坂不足が堪える
それでも明日には会えるだろうと気軽に考え、香坂が居ないと出掛ける気に成らず、片付けて無い荷物の整理をし少しでも香坂が過ごし易い部屋にしておくかと荷物の整理をして過ごした。
遅い夕飯は出前を取り、食べながら香坂の手料理を思い出し
「味気無いなぁ、はあ、香坂の手料理食べたい。明日は具合良くなってるかな?LINEしてみるか」
♪*具合どうだ?頭痛はどうだ?治ったか?明日は会えそうか?♪*
LINEを見て質問ばかりだなぁと思って苦笑したが心配と会いたい気持ちの表れで仕方無い。
暫く待ってみたが返信も無いし既読にも成らず相当具合悪くなったか昨日みたいに寝てしまったのか解らず途方に暮れた。
「香坂、せめて返信いや既読位はしてくれよ」
呟きマンションに行くかどうか悩み、明日まで待とうと決め昼迄に返信無かったらマンションに行くと心の中で決めた。
目を覚まし時計を見ると10時になっていた。
「あのままソファで寝てしまったんだ。昨日は気分も沈んでコ-ヒ-しか口にしてない。あぁ、流石にお腹空いた何か食べるかな」
悩んでいてもお腹は空くんだと思い本能って凄いよなぁと変な感心をする。
冷蔵庫からヨ-グルトを取り出し食パンを1枚焼き食べ、目が痛い事に気付いて洗面台の鏡に映る顔を見て
「うわぁ、泣いて寝たから目が腫れて赤くなってる」
温かいタオルを目にあて「はぁ気持ち良い」
暫くそうして、それから思い出したようにスマホのLINEを開くとやはり課長からLINEがきていた。
心配しているLINEに申し訳無く思うが、これから課長とどう向き合うか決めてなかった。
♪*おはようございます。金曜日ソファで寝たのがいけなかったのか、風邪気味なので今日は寝てます。心配掛けてすみません♪*
返信し「どうせこの顔じゃあ会えないし…」
♪*ピロ~ン
♪*おはよう、大丈夫か?必要な物あるなら見舞いがてら買って行くが何かいるか?♪*
課長の優しさにまた、涙が溢れてくる。
♪*ありがとうございます。特に何も必要な物もありませんので移るといけないのでお見舞いも大丈夫です。今日は寝てます♪*
♪*解った。会えないのは寂しいが早く良くなれよ♪*
♪*ありがとうございます♪*
また、会わない嘘を付いてしまった、本当は会いたい。
会って色々聞きたいが勇気が出ない。
本当の事を聞かないで課長と離れる時間を少しでも先延ばにして逃げてるだけなのは解っている。
やはり課長の幸せを考えることが1番大事だよな。
そうなるとこのまま彼女が居ても日本には、中々来ないだろうから知らない振りで恋人紛いの事してて良いのかな?それが1番丸く収まると思うけど……。
暫く頭の中で想像してみる……やっぱ俺が耐えられない。
彼女の存在に怯えて課長と過ごすなんて、それに課長を独り占めしたい。
でも無理だよな、どう考えても俺の方が後だ。
2人の中を引き裂く事なんて出来ないし、課長はあんなに堂々とべた惚れって言ってたんだから俺の出る幕は無いんだ。
今更、上司と部下の関係に戻れるかなぁ……仕事やっていく上では、表面上だけでも上司と部下で居ないと…。
どうしても辛かったら部署異動か最悪会社辞めるかだよなぁ。
LINEを見て「離れたく無いなあ」声に出し、やっと甘えられて素の俺を見てくれる人と出逢えたと思ったのに……。
また、涙が溢れ出る。
明日から会社だ、今日おもいっきり泣いて明日から普通の上司と部下に戻るように努力すると決め、その日は泣いて過ごした。
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