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第57話
「俺も課長の事愛してます」
首に腕を回し抱きついてきた。
はあ、変な誤解で香坂を失わなくて良かった。今、抱きしめてる幸せに浸っていると
「…やっと課長が俺だけの……独り占め…できる」
耳元で嬉しい言葉を言って直ぐに寝息が聞こえた。
香坂を横抱きして、寝室のベッドに運ぶ。
「色々、悩んでたんだな。安心したのか」
軽く額にキスをし、静かに降ろし隣に横になり腕枕をし、綺麗な寝顔を見て考えていた。
色々誤解があったが取り敢えず解決したか。
俺も迂闊だった。
まさか愛してると伝わって無かったとは、我ながら何してるんだか。
こいつの思い込みの激しい所とか何も言わず1人で思い悩む所は、どうかと思うがそれ以上に香坂の何もかもが愛しい。
これからは言葉にも態度にも表して、不安にさせないようにしようと決め、さっきは本当に失うかと思ったら、今更ながら血の気が引く。
何があっても離さないと愛しい人をギュッと抱きしめ眠りについた。
ソファでコ-ヒ-を飲み新聞を読んでいると寝室のドアが開きトコトコ歩き、俺に跨り抱きついてきた。
まだ眠いのか寝ぼけてるのか
「ん…ねむ…課長…居た」
独り言を言って、そのまま寝てしまった。
隣に居なかった俺を見付けて、安心して眠る姿に小声で「おい、朝から可愛い事するなよ」
デレデレするが仕方ない。
俺に甘える香坂が愛しく、暫くそのまま寝かせていたが密着が激しい体勢に段々と俺のモノがヤバくなってきていた。
今日は出かける予定にしていたが……このままベッドにUタ-ンするか……駄目だ…いつも出掛けられなくなると理性を総動員させ
「香坂、起きろ」
「ん…もうちょっとだけ」
頭を擦り寄せる。
余りにも可愛らしさに仕方ないとそれから香坂が起きるまでの15分位は忍耐との闘いだった。
起きた香坂は目の前に俺がいて驚いて、自分が抱きついていると解ると降りようとするのを阻止し
「目が覚めたか?前に言ってた美味しいパンを買って来たから食べよう」
「えっ、本当ですか?課長から聞いて気になってたんです」
俺はコ-ヒ-とパンを持って来てテ-ブルに置くとラグに座り足を開きソファに座っている香坂に
「ここに座れ」
ぽんぽんと俺の前のラグを叩く。
頬を染めて素直に俺の足の間に座り
「課長、食べ難くくないですか?」
「いや、この体勢が落ち着く。ほら好きなの食べろ」
何種類か買ってきた中からクロワッサンとマフィンとメロンパンを手に取り
「課長、沢山の種類食べたいので分けて食べませんか?」
クロワッサンを半分契り俺の口に入れ、残りを自分で食べ「バター効いてて美味しい」ふんわりと微笑む。
うわぁ、可愛い天使がいると心で思い咀嚼する。
「香坂、食べたら買い物に付き合ってくれ。後、夕飯は香坂の手料理をまた食べたい」
今日の予定を話す。
「いいですよ。夕飯は何がいいですか?この間は和食だったから……今日はハンバーグはどうですか?」
「それいいな、楽しみだ」
この前から香坂の手料理に飢えていた。
また食べられると思うと嬉しい。
お腹一杯食べて、昼は食べられないと言うので朝昼兼用にし夕飯を早めにする事にした。
出掛ける為に俺の服を貸すと
「課長やっぱり大きいですね」
自分の姿を見てふふふと可愛く笑い、シャツの匂いを嗅いで
「課長の匂いがする」ふふふと笑う。
可愛い顔と態度で嬉しいことを言う、また、押し倒したくなるのを理性を総動員させ、こいつの場合計算じゃなく天然なんだと言い聞かせ、今日何度めかの忍耐と闘う羽目になった。
部屋にいると理性が保てなくなると思い香坂を急かし外出した。
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