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第59話
池袋なんて学生の時以来で新鮮だった。
俺が知っている時とは大分街並みも変わっていた。
俺が買い物するとしたら下北沢も偶に行くが、代官山か銀座が多い。
駅近くに商業施設が集中しているから買い物には、便利だと思った。
香坂は駅近くのショッピングパークに行き、店内をふらふら見て周る、その後を俺は物珍しいからキョロキョロして、結構見る所あるんだなぁと思っていた。
1時間位見て周って「課長、スタバに寄って休憩しませんか。あまり来ない場所で疲れたでしょ?」
香坂の気遣いに「そうだな。少し休むか」
パーク内のスタバに入った。
俺はドリップコーヒー、香坂はラテを飲み。「学生の時以来だ、随分変わった。買い物も便利だな。香坂は結構来るのか?」
「そうですね、服見るの好きだから百貨店とか集中してるし見て周るには便利なんで。見るだけで買わないけど」
「確かに、買い物は楽そうだ。若者の街ってイメージだったがそうでも無いんだな、香坂、今日も見てるだけで買わないとか言うなよ、まだ何も買って無いが」
「休憩したら、パルコに行ってみて無かったらすぐそこにユニクロとZARAに行ってみようかと…課長、疲れませんか?」
「いや、大丈夫だ」
暫く休んでパルコに行くがあまり気に入った物が無かったらしく、結局ZARAで外出用に白ロングTとチェック柄シャツ、紺色のパ-カ-、ボ-ダ-長T.黒のスキニーパンツ、ダメ-ジジ-ンズを買う事に決めたようだ。
レジに向かう香坂に俺が支払うからと言うと「自分の服ですから」遠慮するが
「俺の部屋に置いとくんだからいいんだ」
カゴを奪いサッサとレジに行き支払いを済ませて香坂の所に戻る。
「課長、すみません、ありがとうございます」ときちんと礼を言われ
「大した金額じゃないから気にするな」
頭をぽんぽんして話す。
実際、思っているより全然安かった。
シックなモノト-ンな品物が多いし、今度俺も買いに来ようかなその時は香坂に選んでもらうのもいいなって考えていた。
「課長、部屋着は家から持ってきますので…」
「いいのか買わなくて?まあ、部屋着なら俺の貸してもいいし、じゃあ次行くか」歩き出す。
「課長、次って?」
「香坂のス-ツ買う」話すと驚いて「えっ、聞いてませんよ。必要無いですよ」遠慮するから
「平日も泊まりに来て欲しいから俺の部屋に替え用に置いておく為だ。香坂の物が部屋に有ると安心するんだ、また来てくれるってな。俺の為だ」
「そこまで言うなら、でも高いお店では買いませんよ。量販店で買います。これは譲れません」
「折角だから良いス-ツあってもいいだろう」
「俺がそんな高いス-ツ着て、会社出社したら変だと思われます。それに課長お金使い過ぎです」
香坂は結構お金に関してはしっかりしている、俺が浪費家だから良い奥さんだとニヤニヤして
「お金はアメリカで殆ど使わなかったからな。じゃあ、量販店行くか」
近くの量販店でス-ツ.ワイシャツ.ネクタイ其々2着ずつ買う事にした。
香坂は1着でいいと言ったが高いス-ツ買う予定だったから2着買っても安いからとごり押しした。
ス-ツを俺のマンションに送るついでに、さっき購入した服も一緒に中に入れて送って貰う事にした。
「課長、すみません。何からなにまでありがとうございます」
頭をペコって下げる。
「気にするな。俺の精神安定の為だから」
笑って応える。
「もう帰りますか?」
「ん…そうだ、雑貨屋か食器売ってる所行って香坂のマグカップ買うか」
「はい、それは俺が払いますからね」微笑み
「解った。好きなの選べ」
雑貨屋に向かう、楽しいデ-トはまだ続く。
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