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第62話

水色にするか迷ったがやはりオレンジにしたのは正解だったな。 女っぽいかと考えたが夕陽を思わせるような綺麗なオレンジ色は、香坂の華やかな顔と白い肌に、とても似合っている。 手際良く野菜を切っている香坂を見て、後ろから抱きしめエプロンの脇から手を入れて……いや裸エプロンもいいかとニヤニヤといやらしい顔で妄想し視姦していると香坂の動きが止まった。 何だどうした?直ぐに駆け寄り「どうした?指でも切ったか?」 俯いていた顔を上げ見ると涙を流して「すみません、玉葱のみじん切りで」 袖で拭おうとするのを止め「待ってろ」温かいタオルを持って来て、目に当てる。 「ありがとうございます、玉葱のみじん切りするといつもなんです」 それを聞いて今度フ-ドプロセッサ-を買おうと決めた。 1時間も経たないで「課長、出来ましたよ」呼ばれ、テ-ブルにはハンバーグ、ご飯、茹で卵のサラダ、ス-プが乗っていた。 「早かったな。香坂、手際が良いな」 「時間短縮で手抜きもしてるんです」ふふふ 「そうか、全然わからん。早速頂くか」 「どうぞ、いただきます」 香坂に習って「いただきます」手を合わせる。 ハンバーグを食べるとふわふわとして美味しい 「香坂、美味いぞ。よく出来てる」 「口に合ったら嬉しいです」照れて話す。 ご飯もス-プもサラダも美味かった、あっと言う間に完食した。 「片付けは俺がやるから」と言っても食器洗い機に突っ込むだけだから楽だ。 「じゃあお願いします。俺はコ-ヒ-入れますね」 それからテレビを見て時間を過ごし 「香坂、今日はあっちこっち行ったから疲れただろう。先に風呂入れ」俺の言葉に「えっ、良いんですか?1人で入っても」 この前の事を覚えていたんだろう。 「今日はゆっくり入れ。それとも一緒がいいのか?」 「いいえ、今日は1人で入ります。じゃあ、お先に」 浴室に向かう。 香坂の部屋着を置きソファに戻り、一緒に入りたかったが絶対風呂でやってしまうと思い、香坂をゆっくり風呂に浸かって疲れを取って欲しかったからだが、これからもっと疲れさせてしまうのが目に見えているから束の間の休息タイムだ。 香坂が風呂から出て、いつもの如く髪を乾かしてやりふわふわの髪に「乾いたぞ。風呂入ってくるから寝ないで待ってろよ」 頭にキスを落とし浴室に向かう。 浴室に向かう課長の後ろ姿を見て、俺の勘違いから課長を困らせて…。 課長から離れようなんて出来る訳無いのに馬鹿な事をした。 あんな素敵な人どこにもいないのに。 仕事もでき男らしく優しいモテる彼氏、これからも色々あると思うけど側にいたい。 「愛してる。離れないで側にいて、俺も離れない。課長が側にいて良いって言ってくれるならずっと側にいる」 懇願と決意を呟く。

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