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第67話

田口さんに挨拶して、パソコンを立ち上げメ-ルチェックする。 佐藤さんが出勤してきたのを確認して直ぐに声を掛け 「佐藤さん、おはようございます。金曜日は途中で抜けてすみませんでした。電話掛かってきて友達と約束してたの忘れて慌ててたので、佐藤さんに声を掛けないで行ってしまいました。すみませんでした」 頭を軽く下げて謝る。 「いや、俺の方も急に誘ったからな。気にしなくていい」 快く受け入れてくれて助かった。 ほっとした所に課長が出勤して来た。 「おはよう」 挨拶して自席に座りパソコンを立ち上げてる姿を目で追って俺達も「おはようございます」 挨拶仕返して俺も自席に戻ろうとすると 「そうだ。香坂、次は早めに言うからダブルブッキングするなよ」ははははと笑う佐藤さんに 「佐藤さん、すみません。暫く合コン誘われても参加しません……俺、好きな人いるんで」 「別に付き合ってるわけじゃないんだろう、だったら合コン位いいじゃん。誰だよ好きな人って、会社の子か?」 こう言う話が好きな佐藤さんだから絶対聞かれると思ってたから返事は考えていた。 「会社の人ではありません。佐藤さんの知らない人です、俺の片思いなんです。好きな人いるのに合コンに参加するのは不誠実な感じで……なのですみません」 「香坂は堅苦しいなぁ、合コンは楽しく人脈を広げて上手くいけばラッキー位で良いんだよ。それに、金曜日美咲が香坂の事可愛いってお気に入りだったのに残念だったな」 「……」 返事に困ってると田口さんが「佐藤、香坂は佐藤とは違うんだよ、軽くは考えられないんだから自分の考え押し付けるなよ。香坂の考えも尊重して暫く合コンは誘うな。解ったら仕事しろよ」 助け舟を出してくれて助かった。 「解りましたよ。香坂、好きな人と上手くいかなかったり誘って欲しい時は言えよ」 佐藤さんも折れてくれた。 「すみませんでした」 軽く頭を下げ、今度こそ自席に戻り田口さんに「ありがとうございます」と小声でお礼を言う。 「いいから、仕事しろよ」 田口さんに言われ、やっと本格的に仕事に取り掛かった。 出勤し自席でパソコンの画面を見ていると香坂が佐藤に合コンには誘われても行かないと断っていた。 俺には「もう、合コン行きません」と言っていたが、先輩に誘われたら香坂の性格では断り切れないんじゃないかと思っていたがきちんと断っていてくれて、香坂の誠実さが感じられて嬉しかった。 佐藤が何やらしつこく話して、困り気味の香坂を助けるかと声を掛けようと思った所に、田口が2人の話に割って入って治めてくれてた。 心の中で「田口ナイスだ」と賛辞を送るが、佐藤の最後の言葉に眉を顰(ひそ)める。 美咲?お気に入り?何があったんだ?あの時は俺の部屋に来ていた。 何かあるわけが無いはず………。 機会があったら佐藤にさり気なく聞くとしよう内容によってはお仕置きも考えて置かないとな。 会社の容姿なら大丈夫だと思うが、プライベートな容姿で合コンなんか行ったらと思うと冷汗が出る。 お洒落が好きな癖に自分の外見はクォ-タ-だから多少は見られる程度にしか思って無い無自覚さもどうかと思うが、香坂も行かないとは言ってたが、今後、そんな機会があればどんな手を使っても阻止してやると険しい顔でパソコンの画面を見ていた。 仕事から帰って部屋で趣味のアクセサリ-を作っていると ♪*ピロ~ンLINEの音で開く。 ♪*今、帰って来た。ス-ツと服届いたぞ、物置場になっている客間のクロ-ゼットに入れておくから♪* ♪*ありがとうございます。遅くまで仕事お疲れ様です。俺は今、アクセサリ-を作って遊んでました♪* ♪*この間、海で拾ったガラスか?♪* ♪*それとは別ですがシ-グラスは綺麗に洗って準備してます。次に使おうかと♪* ♪*あんまり根詰めて寝不足になるなよ、程々にしろよ。ガラスのアクセサリ-出来たら見せろよ、あれがどうなるのか見たい♪* ♪*程々にします。上手く出来るか解りませんが出来たら見せるので意見お願いします♪* ♪*よし、俺の評価は厳しいぞ♪* ♪*覚悟してます。でもお手柔らかにwww♪* ♪*どうかな?見てからだな。早めに寝ろよ♪* ♪*はい、課長も疲れ取るようにゆっくり休んで下さいね。おやすみなさい♪* ♪*ありがとう。愛してる、おやすみ♪* 間があってから ♪*俺も♪* 返信がきて、余りの可愛さにニマニマしてしまう。 これで今日の疲れも吹っ飛んだなと浴室に向かう。 課長とLINEしてる時に考え付いた事を実行することにした。 綺麗に洗浄.殺菌し乾かしていたシ-グラスを眺め白.緑.水色う~んどうしようかな?どれがいいか悩む。 1つずつ色や形を確認して、選り分けてると青と赤がそれぞれ1つずつ見つかった。 「わぁ、レアな色だ」 青色を手に取り深い青色で形も丸みがかった三角 「1つはこれにしよう」 赤色も同じように手に取る長細い丸みで綺麗な赤 「うん、これにしよう」 2つ並べ「いい感じだ」 作るのは明後日からにして、早速明日、会社帰りに材料を買ってこよう。 どんなのにするか考え出したら楽しくなり、早く作りたい気持ちが高ぶって、アクセサリ-製作雑誌を見て「明日の買物楽しみ♪♪♪」 これもいいあれもいいと時間を忘れて読み耽っていた。

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