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第68話

昨日、車が納車された、これで香坂とどこでも出掛けられると浮かれて出勤すると会社には佐藤と上野さんだけが自席に座って仕事していた。 スケジュールボ-ドをチラッと見ると田口は外周り.香坂は出版社で2人共夕方に戻る予定になっていた。 そう言えば昨日LINEで ♪*明日、朝から出版社と小物掲載の打ち合わせですから♪* ♪*出社して朝、香坂の顔見れないのは寂しい♪* ♪*俺もです、なるべく早く会社戻ります。課長に会いたいから♪* そんなラブラブな遣り取りを思い出し、ニヤけていると「課長、どうしました?どこか具合悪いんですか?」佐藤が話し掛けてきた。 「いや、何でも無い。今日は人が少ないと思っただけだ、佐藤は内勤か?」 「はい、先週は飛び回ってたんで事務処理します。電話対応で今日は過ごします」 良い機会だと思い「そうか、折角だから昼飯一緒に食べるか?」 「良いんですか、課長の奢りですか?」 「解った。奢ってやるが今回だけだぞ。後、今日、金曜日だから上野さんに経費の精算しておけよ」 奢ると言うと喜んで「はい、直ぐします」元気に返事する。 全く現金な奴だ、まぁ奢って合コンの時の情報を得られるなら安いもんだ。 それからは昼休みまで黙々と仕事に集中した。 昼休み佐藤と連れ立って歩き、近くの定食屋で食べる事にした。 「好きなの選べ」 「う~、生姜焼き定食にします」 定員を呼んで生姜焼き定食を2つ頼む、暫くすると料理が運ばれてきた。 「うわぁ、美味そう。早速いただきます」 佐藤が食べ始めたのを見て俺も食べ始める。 「ああ、1人暮らしだとこういう料理に飢えるんですよね」 美味しいそうに食べながら話してきた。 「そうだな、1人だと面倒で作らないからな。買ったり食べに行ったりした方が安く上がる」 言いながら最近、香坂が作ってくれた充実している食生活に密やかな幸せを感じる。 「そうなんですよね。やっぱ、そういう時に彼女が欲しいと思うんですよね。彼女の手料理とか良いですよね」 自分に矛先が来ないうちに 「そう言えば、先週、香坂と言った合コンでいい子居なかったのか?」 「先週の合コンは大学の女友達の会社の人とだったんですが…ん~乗りは良かったんですがパッとくる子は居なかったですね。楽しかったけど」 ついでみたいに「へぇ、残念だったな。香坂は?」 「私の女友達と仲良く話してたんですが香坂、寝不足だったみたいで、途中で彼女の肩に凭れ掛かって寝ちゃって……それを見て可愛いと頭撫でられてましたよ。でも、電話きて慌てて行ってしまったようです。なんか約束してたの忘れてたみたいで」 大体の様子が解った。 「そうか、香坂も残念だったな。女友達も残念がってたんじゃないか?」 「ん~どうでしょう、彼女、元々姉御肌だから弟みたいな感じだったのかもしれませんね。香坂の事、素直で可愛いとは言ってましたけど」 それを聞いてほっとし「まあ、田口も言ってたが、香坂を無理に合コン誘うなよ。佐藤も程々に」軽く釘を刺す。 「はあ、田口さんにも言われたんで、他当たります」 「自分が楽しむ分にはいいだろうが、それにしても本当に合コンが好きなんだな?」 「私のステイタスですから」はははは それからは、合コンの楽しさを語られて昼休みは潰れいやいや聞きながら、そんな可愛い所を見せた香坂にどんなお仕置きをしようか考えていた。 夕方に会社戻ると課長は急な打合せが入ったようで、自席には居なかった。 会社も戻ったら課長に会えると思ったのに残念と少しがっかりして自分の仕事に取り掛かった。 退社時刻になってもまだ打合せは、終わらないようで俺も今日は粗方仕事は終わってた。 「今日は、早く帰るとするか」 「賛成。俺、内勤だったから疲れた、今日位、皆んな早く帰りましょうよ」 「そうだな、課長もいつ戻るか分からんから待ってても仕方ないしな、じゃあ今日は帰るか。香坂も終わったんだろう」 「はい、終わりました」 本当は待っていたいが皆んなに合わせる事にした。 「折角、早く帰れるなら飯行きませんか?3人で」 「ん~、そうだな、久しぶりに行くか?香坂も大丈夫か?」 「……はい」 「じゃあ、最近出来たステ-キ屋行きませんか?事務の子が安くて美味しいって言ってたんで」 「お前、情報早いなぁ。ま、いっか、そこにするか」 3人連れ立ってステ-キ屋に向かう。 ステ-キ屋は、そこそこ混んでいたが席に座れた。 メニュ-を見ると値段もリーズナブルな価格で美味しそうだった、それぞれ注文して料理が運ばれてきた。 美味しいそうにジュウジュウ煙がたって食欲をそそられた。 「美味そう、早く食べようぜ」 「腹空ました、早速いただきます」 「美味しそう、いただきます」 1口食べると肉汁が溢れて肉も柔らかくって美味しいかった。 「美味い、美味い」と豪快に食べてる佐藤さんに「そんな急いで食べると味分かんねぇだろ」笑いながら話す田口さん。 「内勤で頭使ったから、頭に栄養与えてるんすよ」わけの分からない事を言ってる。 「頭使ったんなら、普通は糖分欲しがる筈だが佐藤の頭は特殊だなぁ」 飽きれ笑いをして俺も可笑しくって笑ってしまった。 そんなバカ話をして楽しく食事をした。 田口さんと佐藤さんと分かれて部屋に着き、LINEを見るが課長からのLINEは無かった。 「?」 もうこの時間ならLINEあってもいい筈だけど、俺が帰る電車の中でしたLINEにも既読が無い。 田口さんと佐藤さんと3人で夕飯食べてる事とステ-キ屋さん美味しいかったから今度一緒に行きましょうねとLINEしたんだけど……。 いつもあるLINEが無いと寂しく不安になる。 まだ、会社なのかなぁと考え部屋着に着替え、浴室に向かった。

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