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第70話
「課長、お待たせしました」
鞄1つをソファの横に置き、隣に座り恥ずかしそうに
「課長、良かったらこれ受け取って下さい。ス-ツとか服とかいつものお礼と思い出の品です」
目の前に細長い箱が現れた。
「ん…お礼は気にしなくっていいが何だ?香坂からの初めてのプレゼント…楽しみだ、開けるぞ」
箱を開くと中には少し太めのチェーンに、この間海で拾ったビ-チグラスに貝殻とYのイニシャル小さめの2つのチャーム付いてるネックレスだった。
手に取り「この間拾ったビ-チグラスか、ただのガラスが見違えるようになるんだな。ネックレスにしたのか綺麗な青だ、ありがとう。大切にする」
「良かった。気に入ってくれました?自分でも中々上手く出来たなって言っても、ビ-チグラスに通す穴開けるだけだったんですけど、チェーンとかチャームは少し奮発して買いました。課長に安いネックレスは似合わないと思って」
ホッとして興奮気味に話す。
「ありがとう。肌身離さず身に付けておく、いつも香坂が側にいる感じがする。ところで、なぜイニシャルチャームがY何だ?」
恥ずかしそうに「俺の名前のよしきのYです。俺もいつも課長と一緒にいたいという気持ちだったから、一緒ですね」ふふふ。
同じ様に考えていた事に感激していると
「……実は」
胸元からネックレスを取り出し
「俺は赤色のビ-チグラスで、貝殻とIのイニシャルチャームです。ペアにしたんですけど、まずいですか?」
バレたらまずいか不安そうに話す。
香坂のネックレスを手に取ると細めのチェーンに、赤色のビ-チグラス.貝殻.Iのチャームがあり、俺の名前のいおりのIのチャームが飾られていて、親指で撫でながら感動していた。
「赤色がよく似合ってる…俺の名のIか。香坂、本当にありがとう。どのプレゼントより嬉しい、今までで1番だ。ずっと着けていてくれ、俺もいつも香坂の側にいるって意味だ」
決意と共に香坂の赤色のビ-チグラスにキスする。
「そんなに喜んでくれて嬉しいです。課長、ネックレス付けてあげますね」
俺の手から取り着けてくれた。
「うん…やっぱりこの色で正解でした。凄く似合ってます」
俺の青のビ-チグラスに唇を落とす、その行動がさっき俺がいつまでも側にいると決意したように、香坂も同じ思いでしてくれたような気がした。
「…愛してる。どんな事があっても側にいる、離さない」
抱きしめると直ぐに「俺も」と抱きしめ返してくれる
腕の中から抜け出し隣に座って
「明日はどうするんですか?どこか行きますか?」
「予定は特に無い。車で少しドライブして昼は外で食べるか」
「解りました。朝もゆっくりで大丈夫ですか?
そう言えば、今日LINE送っても返信無かったのは、車だったからですね。夕飯とかお風呂は?」
スマホを取り出し、LINEを開くと香坂からLINEがきていた。
「夕飯は食べたし風呂も入ってきた。香坂は田口達と食べたのか、そんなに美味しかったのか?」
「早めに帰れたから、ご飯食べに行こうと誘われて、初めて行った所ですが、値段も手頃な感じで美味しかったですよ。課長にも食べさせたかった。今度一緒に行きましょうね」
「そうだな、今度行くか。田口達と楽しかったか」
それから暫く田口と佐藤との食事の時の話を聞いた。
「課長、そろそろ寝ませんか?」
時間を見ると結構な時間だった。
「そうだな、明日もあるし寝るか」
香坂の寝室に初めて入った、こっちも綺麗に片付いている。
「課長、狭いですけど大丈夫ですか?」
言いながらベットに入る、俺はいつも通りに服を脱ぎ始めた。
「か…かちよう」
慌てている香坂を見てパンツ1つでベットに入った。
「ああ、俺は寝る時はパンツ1つで寝る派だ。気にするな。今日は何もしないって言っただろう…ん…」
自分に言い聞かせるように話す。
「そうなんですね、知らなかった。すみません、変な勘違いしてしまいました」
腕枕をして抱きしめて
「いつもは、服、脱がしてやっちまうか香坂が先に寝てしまうかだったからな」
頬を染め「恥ずかしいから言わないで下さい」
胸に顔を埋めるからヤバい俺のが少し反応するが、今日は何もしないと言ったばかりだ。
気づかれないように、少し腰を引き気を散らすつもりで
「香坂、少し話をするか…大学の時の香坂の話…そうだな、さっき言ってたイベントサ-クルの話を聞きたい」
「いいですけど、別に面白い話何か無いですよ。大学の時に仲良くなったマコが、先にサ-クル入ってて、あっ、マコって初めて会った“R”moneで一緒にいたのが真琴って言うんですけど、マコって呼んでるんです。そのマコに誘われて、始めはお手伝い程度に考えてたんですが、やってみたら忙しいし、でも楽しくって友達も沢山できました」
マコって祐一の恋人かと顔を思い出し、真琴君の話をする香坂は嬉しそうに話す。
本当に仲が良いんだな俺と祐一.龍臣みたいな感じかと思い「本当に仲が良いんだな」
「俺、前も言いましたが、中々友達出来ずらくってマコだけが、いつも声掛けてくれて、そこから徐々に他の人も話すようになってマコのお陰なんです」
多分、綺麗過ぎて声かけたくっても掛けられなかったんだろう。
香坂の中身を知れば今度は離れられなくなるそのギャップがいい相乗効果を生んでいるしな。
「それで、忙しいってどんな?」
「年1回会場を借りて、自分達でクラブっていうかDJダンパを開催するんで、パ-券売ったり会場代とか捻出する為に、派遣会社みたいにアルバイトの代役探してあげたり、家庭教師先を探したり、誰も行く人が居ない時は、自分達が行ったり、代返とかもしましたし、授業ノ-トの貸出や大学生でできる事は皆んなでやりました。その上、月1回位はボランティアで施設の子供や老人ホーム行って歌や人形劇するんですから、忙しかったですが、どんどん知り合いが出来るのも楽しかったです」
充実した大学生活を送った事が解る。
本当に楽しそうに話す。
「それは忙しいな。劇ではお姫様役か?」
そうだろうとは思うが王子役の奴に、軽く嫉妬してしまうなと考えた。
「…あんまり練習出来ないんで、年始めに誰でも知ってるものを劇と人形劇とか歌は決めて練習をして施設回るんです。……俺は裏方が良かったんですけど…なぜか毎回劇班で…お姫様が多かったです」
「見たかったな。香坂のお姫様役、綺麗だっただろうな」
「別に大した事無いですよ、見せられたものではありませんよ」ふあぁっとあくびが出た。
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