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第77話
シャワ-浴びて浴槽を軽く洗い、腰の立たない香坂をバスタオルで包んで、ベットに運び横たえて、俺も直ぐに横になる。
これからイチャイチャタイムだと細く微笑む。
「香坂、眠いか?」
「…ん…まだだけど…課長の側にいると安心して、眠くなる」
また、嬉しい言葉を無自覚で話すから困る。
「俺もこうやって香坂といるのが、1番落ち着く」
ふふふ「一緒だね」
ふわりと笑う顔で俺の心も温かくなる。
香坂の笑顔が1番だな。
「そうだな。俺の生涯でこんな気持ちになれるとは思わなかった。愛してる。どれだけ言っても足りない、香坂と出会えた事が俺の宝だな」
「課長、大袈裟です…でも俺も同じ気持ちです。こんなに人が沢山いる中で、俺の一生のうち出会える人はほんの僅かで、その中でも愛して愛される人に出会えた事に感謝しなきゃ」
「そうだな、“R”moneで会社で会ったのも偶然いや、必然だったんだな。それに俺は強運の持ち主だからな」
「うん、こうなると決まってた運命なんですね」
抱きつくと課長の心臓の音が規則正しく聞こえ、温かいぬくもりに包まれ安心して眠くなる。
「ふわぁ…」
「ほら、あくび出てるぞ、もう寝ろ」
頭のてっぺんにキスする。
「…まだ、話たいけど…あぁ…ねむ…ごめ…おやすみなさい」背中を向ける。
背後から覆い被さるように包み「おやすみ」後頭部に唇を落とす。
ス-ス-と寝息が聞こえ、幸せだなぁっと感じていた。
本当に香坂と出会えた奇跡に感謝している。
俺は今まで、いや香坂に会うまで人は愛せない人間なんだと思っていたからだ。
これまでも付き合った人はいたが、それは相手から言ってくるパターンだ、俺から言ったことは無い。
付き合う条件として、たぶん好意は持てても好きにはなれないから、お互い割り切った付き合いをする事、だから浮気しても何にも言わない事、まあ付き合っても自由でいると言う事だ。
長くても半年と期限付きでも良ければ…と今、考えれば結構酷い事してたと思う。
それでも付き合ってくれと後は絶たなかったから、いい気になってたんだな。
若かったんだ仕方ない。
俺は根本的に人が信じられ無い奴だったからな。
人はいずれ裏切るから初めから割り切って付き合った方が楽だった。
それが香坂と出会って一目惚れして、付き合っていくうちに俺も変わった。
今の自分の方が好きだ香坂のお陰だな。
もう一度、唇を落とし抱き締め直して、俺も目を閉じた。
人肌の温もりで目が覚めた。
「おい、目覚めたか?おはよう」
「ふあぁ、おはようございます」
「そろそろ起きるか?」
「はい」伸びをして起きると裸だった。
「ギャアッ」慌てて布団の中に逆戻りする。
くっくっくっ「何だ、朝から騒がしいな」
楽しそうに笑う課長に「課長。俺、服着て無いんですけど」全裸だったのでびっくりした。
「ああ、浴室からそのままベットに運んだからな。服はリビングとキッチンかな?」
昨日の夜、脱ぎ散らかしたままかぁ、全裸で取りに行く勇気無いなあと考えてると「今、取りに行って来るから待ってろ」
ベットを全裸で抜け出し歩いて行く。
課長の全裸を直視出来なくって、布団に潜り込んだ。
「ほら、持って来たから着るか?」
手だけ出し服を貰う。
「どうした?」
「課長、もう服着てますか?」
「ああ、着てる…そっか俺の裸見て照れてるのか、裸見るより凄い事してるのに初々しいなあ」
「ギャア、言わないで下さい。その時は、もう夢中で解らなくなるんです」
顔を赤くし嬉しい事を話す香坂。
「それは俺のテクでか?」
揶揄うと、もっと赤くなり布団に潜り小さな声で
「…そうです。俺、課長に夢中です」
それを聞いてもう、俺の方がメロメロで夢中だと言いたかったが、布団事抱きしめた。
朝飯兼昼飯の時間になり、香坂がチャ-ハンを作るとエプロンを手に取り思い出したのか、真っ赤になってエプロンをジッと見詰めていた。
「何、エプロン見詰めて、昨日の事思い出したのか?今日もやるか?俺はいつでも大歓迎だ」
「ギャアァ、課長、変な事言わないで下さい」
クッションで俺の顔ごと口を塞ぐ。
「ぷっ、こうしやか…くるひい」
ハッとなり手を離す。
「ごめんなさい、苦しかったですか?」
「ぷはぁ、あぁ、大丈夫だ。たまにはいいだろう?香坂もノリノリだったし」
何とは言わなかったが、エプロンプレイを言ってると解るだろう。
「ノリノリって…課長が上手いのがいけないと思います……でも、たまになら…」
顔が真っ赤だ、可愛い過ぎだ。
「よし、許しは得たからな」
香坂の手からエプロンを取り、首から被せて結んでやる。
「腹減った。今は飯頼む。奥さん」
ぽんっと背中を軽く叩く。
「はい。直ぐ作りますね。今日はキッチン出入り禁止ですからね」
赤い顔でパタパタとキッチンに行く姿を見て、今度はどんな事してやろうか考えニヤニヤする。
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