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第81話

「今日は驚いた事もあったけど、凄く楽しかったですマコ達とWデ-ト楽しみ」 帰りの電車の中でニコニコと話す。 「そうだな。また、祐一の所に呑みにも行こう。その時は真琴君も誘えばいい。香坂、祐一の所以外では1人で呑みに行くなよ、絶対に」 良い機会だから釘を刺しておく事にした。 「はい、前々から祐さんとマコに、言われてますから大丈夫です、皆んな大袈裟過ぎます」 「…香坂、今日このまま俺の所に泊れよ。ス-ツもあるし、朝、マンションまで車で送るからその時鞄だけ取ってくれば良いだろう」 「俺は良いですけど…。課長、面倒じゃ無いですか?」 「別に面倒じゃ無い。今日は一緒に居たいんだ。明日、仕事だから何もしない、約束する。ただ香坂を抱きしめて眠りたいんだ」 ふふふ「課長は、俺の事喜ばすのが上手いですね。俺も一緒に居たいです、明日の朝よろしくお願いしますね」 泊まる事が決定した。 楽しかった事もあるが祐一の離すと他に持っていかれると言う言葉と香坂が寂しがり屋というのもあり今日は離れがたかった。 「帰ったら、少しだけシチュ-食べるかな」 「解りました。少しだけ用意しますね」 そんな会話をしていると2人の家に帰る夫婦みたいだと思った。 駅からマンションまで歩き、人通りが少ない所は手を繋いで歩いた。 そんな事も嬉しかった。 「はい、課長。シチュ-温めましたよ。気を付けて下さいね」 「おっ、美味そうだな。香坂、先に風呂入れよ。俺、食べてからで良いから」 「ん…じゃあ、そうします」 浴室に向かった香坂の後ろ姿を見て、1人でシチュ-を美味しく食べているとスマホが鳴った。 ♪♪♪♪ 画面には祐一とあった。 さっき別れたばかりなのに何だと思い 「どうした?」 「そろそろ着いたかと思って電話した。マコが変な態度とった事、気にして謝りたいって、今、代わる」 サッサと言いたい事言って真琴君と代わるが俺は別に真琴君の事は悪く思って無い。 「成宮さん、すみませんでした。意地悪な事言って、あの後ミキが恋人兼家族だって言われたって凄く喜んでた…ミキの事お願いしますね」 「ああ、任せておけ。真琴君も今まで通りよろしく頼む」 「それはもちろんです。俺はいつもミキの味方ですから……じゃあ、祐さんに代わります」 「まあ、そういう事だ。今度は2人で呑みに来いよ。じゃあ、またな」 サッサと切りやがった。 香坂は、ああ言ったが祐一は真琴君のこと大事にしてると思った。 ディズニーの件で香坂達に聞こえ無いように 「おい、本気か?香坂と真琴君は合うが俺達はああいう場所浮くんじゃねぇか」 「そんな事、解ってるよ。さっきも言ったが普段は生意気で物事はっきり言う奴が、俺の体を心配してどこか行きたいとかそういう事はあまり自分から言わないから叶えてやりたいんだよ。悪いが付き合え」 真琴君の祐一思いと祐一の気持ちが解って 「んじゃ、恥は掻き捨てって言うからな。ところで俺、行った事無いけど…」 「俺もだ…」 顔を見合わせて 「……」 大笑いしたのを思い出し、祐一も大切にしてるんだなと思った。 「…課長?電話ですか?」 「ああ、祐一からだ。今日は楽しかったって真琴君が言ってたらしい。今度は2人で呑みに来いだってさ」 「そうですか。なんやかんや言ってもあの2人仲良しですからね」 香坂も解ってて、わざと真琴君の為に祐一に言ったのだろう。 そんな香坂だから真琴君や祐一に守られてきたんだ。 2人には感謝しなきゃな、これからは俺が守る。 楽しそうに話す香坂を見て決意していた。 俺も風呂に入り、2人ベットで横になり腕枕し抱きしめて、ああ香坂がここにいると実感し、心にあった少しの不安が飛んでいく。 「祐さんと課長は高校からの友達なんですよね、高校で知り合ったんですか?」 あまり良い行いをしていないから話したく無いがでも隠すことでも無いし、まぁ、当たり障り無い事から話すかと少し昔話をする。

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