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第82話

「祐一とは高校で、偶々、一緒のクラスで隣の席だったんだ。あいつ少し変わってるが話してみると結構、面白い奴でウマがあった」 「もう1人の龍臣さんも同じクラスだったんですか?」 「あいつは他で悪さして、高2の時に転校して来て、俺達と同じクラスなった。祐一が龍臣に興味持って話し出したのがキッカケかな。あいつ悪い噂が立ってたから誰も近づかなかったんだ。でも、話すと結構良い奴で、結局、大学も3人一緒だった。そうなると腐れ縁だな」 「仲良いですね」 「仲良いかは解らんが、ツルむようになって 3人で馬鹿な事ばっかりしてたな」 「どんな事ですか?」 「そうだな、俺達の高校は男子校で自宅からか寮のどっちかで、俺と祐一は自宅から通ってたが、龍臣は寮だった。良く龍臣の部屋に忍び込んで、酒飲んだり騒いでいたり、授業サボって遊びに行ったり、龍臣の喧嘩の巻き添え食ったりしてたなぁ」 龍臣の部屋に良く行ったりしてたのも事実だが、誘われて他の奴の部屋でセックスしてたり授業サボって空き教室でセックスもしてたなぁ。 昔を思い出し、あの年頃は性欲旺盛な時だったからなぁ、これは言わないでおこう。 俺からは誘う事は無かった全部相手からだ。 俺は物心ついた時から女が嫌だった。 煩いしヒステリックに騒ぐし、だからと言って男が好きってわけでも無かった。 性に興味が出てきた時に、女とはする気にもならず、でも性欲はある。 そんな時、男同志でもセックスできると知り、女はダメだから必然的に男とするようになっただけだ。 そんな感じだからスポーツ感覚で、お互い気持ち良ければいい。 そんなセックスをしてきた、香坂に会うまでは…。 自分より相手に気持ち良くなって欲しいと優先するようなセックスも、香坂が初めてだった。 そんな事を心で思いながら話をしていた。 香坂の頭を撫でていたら、いつの間にかス-ス-と寝息が聞こえてきた。 綺麗な寝顔を見て、気持ちの上では全て香坂が初めの事ばかりだ。 だから祐一の言葉が気になり、離れ難かったのかも知れない。 香坂の寝顔を見て、どんな奴が来ても蹴散らしてやる寂し思いはさせ無い。 「他の男は絶対見るなよ、俺だけを見てろ」 眠る香坂に語りかけ離さないとギュッと抱きしめた。 「…かち…かちょう」 俺を起こす声で目が覚め、目の前には香坂の顔がある まだ、夢を見てるのかと抱きしめる。 ふふふ「課長、寝ぼけてます?おはようございます。朝ですよ。今日、俺の所に寄って行くから早めに起こしました。朝食出来てますから起きて下さいね。」 そうだった。昨日、離れ難いから泊まらせたんだと思い出した。 「ああ、そうだったな」 体を起こすと唇にチュッとキスをくれた。 「おはようのチュッですよ。早く起きて下さいね」 頬を染め恥ずかしいのか足早に、寝室を出て行った。 唇を指でなぞり「参ったな」 朝から可愛い事をする香坂にデレデレになる。 目玉焼きとベーコン.食パン.コ-ヒ-を食べて 「朝、無理しなくって良いぞ。俺はあれば食べるが、コ-ヒ-だけってのも多いから気を使うな」 「俺、朝は軽くいつも食べるんです」 「朝は弱いのかと思ってたが」 休みの日は「まだ…ねむい」とか言ってるし、寝ぼけてたりするからだ、それはそれで可愛いが。 「俺、平日は会社だと思うと遅刻しちゃいけないと思うのか、不思議と起きられるんです。その代わり休みの日は緊張が解けて、ダラダラ寝てるかも。最近は課長の所が多いから、前の日の影響で……起きられなくって……」 言ってて恥ずかしくなったようで、頬を赤く染め俯く。 香坂が何を言ってるか解ってわざと 「前の日の影響って……ああ、セックスしまくるからな。香坂とだと何回でも出来るからなぁ」 赤い顔が益々、真っ赤になり 「朝から、やめて下さいよ」 恥ずかしがる姿が可愛い。 「はい、はい。解った、もう言わないから許せ」 朝からのイチャイチャタイムは楽しかった。 香坂の部屋に寄る為、いつもより早めに出ることにし玄関で後頭部に手をおき引き寄せ、唇を奪う。 「行って来ますのキスな」 「えっ」 チュッチュッと軽くキスし咥内に舌を入れ絡ませる。 クチュクチュと音をさせ、また絡めて、唇を離す。 「はぁはぁ…課長、挨拶のキスは、こんな濃厚にしませんよ…これからは軽めにお願いします」 俺にお手本だと言うようにチュッと軽くキスをくれた 「ああ、解った、解った」はははは 今日の朝は最高に良い気分だった。 香坂がここに居れば、毎日が幸せな日々だろうなと思った。

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