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第83話

「おはよう」挨拶して席に着く。 香坂のマンションに寄り、そのまま車に乗り、会社近くのパ-キングに入れ、時間差で出社した所だ。 これが社内恋愛なんだろうなって感じていた。 朝からイチャイチャし気分は上々で、今日は仕事も捗りそうだ。 平日はおやすみLINEと電話で我慢し、週末が待ち遠しい。 木曜日の午後にアメリカ支社からの電話を終え 「香坂、ちょっと」席に呼び。 「はい、何ですか?」 「今、アメリカ支社から連絡あって、手拭い商品が順調らしいから、在庫送って欲しいそうだ。香坂が提案した‘手拭い洗顔’の効果が現れてきたらしい。あっちの雑誌にも日本の美容洗顔って事で、少しだが掲載されたのもあるが」 「本当ですか?嬉しいです」 「今ある在庫を送って、新たに今の2倍在庫ストックしておけ。このまま順調なら手拭いは前年比余裕で越せる。じゃあ、業者に増産連絡頼む」 「はい、解りました」 嬉しそうに自席に着く。 田口と佐藤も「香坂、やったな」「頑張ったな」と声を掛けていた。 「ありがとうございます」 嬉しそうに応えて早速、業者に連絡していた。 その姿を見て心の中で、良く頑張ったなと褒めていた まあ、会社全体からすれば、手拭い商品は売っても売上は微々たるものだが、これを足掛かりに会社名と桜シリーズを認知して貰うのが、俺の考えだ。 その点では、上手くいってると思う。 特に、今回は売り方も良かった。 ポップや商品説明文など地道だが効果が現れた。 もっと売れるようなら商品説明はビデオかDVDにして、店に流して貰うのもいいかと考え中だ、もう少し市場の様子を見て判断するか。 この事で、田口や佐藤にも良い刺激に成ればいいし香坂も、もっとやる気が出てくるだろう。 その日の夜に、スマホが鳴る。 ♪♪♪♪画面を見ると香坂からで、LINEはあるが電話は珍しいと思い、電話に出る。 「課長、お疲れ様です。もうお家ですか?」 「ああ、さっき帰ってきた。珍しいな、香坂がLINEじゃ無く電話するなんて」 「今日の‘手拭い洗顔’の話を詳しく聞きたいと思って」 会社では順調としか言って無かったからな。 気になるんだろう、それと嬉しいのもあるか。 「ん、アメリカ支社の方での話だと、香坂が提案した売り方で試しにしてみたら、日本好きのセレブの外国人は割といて、そこから口込みで広がった所に、雑誌掲載が上手く重なって、順調に売上伸ばしてるらしい」 「そうだったんですね。でも、まだまだですね」 「これから、どの位浸透していくかだな。アメリカは広いからな、急には無理だろうが、取り敢えず日本ではこんな使い方もあるって興味持ってもらう事だ」 「はい、そうですね。でも、嬉しかったです」 「頑張っていたからな。で、会社の話はこれ位で良いだろう。これからはプライベートな話をしよう。明日、金曜日だが香坂の所に行きたいが、荷物が届く予定だから土曜日に迎え行く。どこか行くか?」 「あっ、すみません。プライベートな時間なのに…えっと土曜日ですね、特に、行きたい所無いですけど」 「考えておけ。特に無かったら適当にドライブかDVDでも借りて、部屋でゆっくりしてもいい」 「解りました、考えておきますね。じゃあ、ゆっくり休んで下さいね」 「香坂もな。また明日」 電話を切り、この数日、香坂に何度も聞こうと思っていたが今日も聞けなかった。 今日は電話だし、あんな嬉しそうに話していたら、なんと無く聞けなかった。 どちらにしろ顔を見て話たい。 俺は香坂の大切な人に慣れているのか?ミキと呼びたいと。 いつもの俺なら直ぐ聞くが、香坂の事になると慎重になってしまう。 「らしく無いなあ」 独り言を言って週末には聞くと決意する。 仕事を終え、ネットで纏め買いした荷物が届いた。 待ちに待った商品だ。 ニヤニヤしながら箱を開け中身を取り出す。 「フ-ドプロセッサ-と後は香坂のヘヤピン.ヘヤゴム。ロ-ションと……」 ニヤニヤとしながら取り出した物は、小さな卵型のロ-タ-と男のモノ型の大人の玩具だった。 ネットでフ-ドプロセッサ-を探し、他にどんな商品があるか検索してラブロ-ションを見つけ、そこから何と無く見ていたら見つけた物だ。 ヘアピンは向日葵、ヘアゴムはピンクの花が付いた物にした、香坂がここで使う用に買った。 香坂が使ってる姿を想像した。 「可愛いだろうな」くっくっくっ。 ロ-ションは纏めて10本と1本は色が紫のラベルが貼ってる少量の媚薬入りだ。 機会があったら使ってみたい。 これを使った香坂の濫れた所を見たいと思ったからだ 商品を1つ1つ手に取り見てはニタニタし、卵型のロ-タ-と男型玩具は初めて買った。 使う機会は無いかもしれないが興味深々で購入した。 ネットを見て驚いたが、結構色々あって迷った位だ。 需要があるんだなと思いながら、初心者用の卵型と悔しいから俺のモノより一回り小さいサイズの男型の玩具にしたが、実際見ると結構グロテスクでリアリティ-がある物を見て、1度は香坂に使ってみたいが……妄想が止まらない。 多分、普通に言っても嫌がるだろうからな。 嫌われてしまうかもと思うと「使え無いな」と言って、一応クロ-ゼットの奥に仕舞う事にした。 明日、フ-ドプロセッサ-と髪飾り、喜んでくれるだろうか?喜ぶ顔を想像し寝室に向かった。

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