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第88話

DVDを見始めて1時間位経ち、物語は中盤を迎えてきた所だった。 「ねぇ課長。犯人、この人怪しく無いですか?」「課長はどう思います?」 夢中になって見て話すミキに適当に答えて、俺は心の中で、また課長に戻ってるし敬語も直って無いと思っていた。 まぁ、敬語は徐々にでいいが、名前だけはどうにかしないとなって考えていた。 物語が終盤に近付き、段々とミキも見入って「ダメだよ、そこ行っちゃあ」「それ開けたらダメ」とか画面に言って可愛い。 俺がニヤニヤしてるのは、集中しているミキには解らない。 DVDが終わり、エンドロ-ルを見て「課長、犯人意外でしたね」「このDVD初めて見たけど、凄く面白かったです。課長の趣味良いですね」 全然、名前呼びを忘れてる。 「ミキ、昼飯はどうする?なんか出前取るか?」 「う~ん、勿体ないから、何か適当に作りますよ。待ってて下さい」 キッチンに行き冷蔵庫を開け考えてる。 その姿を見て、名前呼びをすっかり忘れているミキに、どうするか俺も考え中だった。 「課長、すみません。チャ-ハンと野菜炒めですが、良いですか?」 「いや、充分だ。いただきます」 素朴な味で美味かった。 「美味しいな」思わず口に出た言葉に「良かったぁ」ホッとしてミキも食べ始めた。 「課長、テレビでも見ますか?」 すっかり忘れているミキに、午前中から言いたかった事を話す。 「ミキ、また課長に戻ってるぞ。今度、課長って呼ぶ度にキスするぞ。罰だ」 ニヤッと笑って話す。 「あっ、ごめんなさい。気が付かなかった。でも、罰のキスは俺にはご褒美ですよ」ふふふ 「……そうだな。違うのにするか?」ニヤリと笑い寝室に向かう。 課長が罰と言って、ニヤッと笑って寝室に行ってしまった。 何か凄く嫌な予感がする。 この間の下だけ脱いで、エプロンの件もあるから警戒してしまう。 あぁ、俺はバカだ。 罰はキスにしておけば良かった、でも、そうそう変な事はしないだろうと楽観視もしていた自分に後で、後悔する羽目になった。 戻って来た課長が「ミキ、これ何だ?」 「?」卵かなぁ。 「解りません、何ですか?」 「ネットで見つけて購入した、卵型ロ-タ-だ」 サラりと、とんでも無い事を話す課長。 「ええぇ、嫌ですよぉ」 「ミキ、嫌な事されなきゃ罰じゃ無いって、この間教えただろう?まあ、俺も鬼じゃ無いから1時間の内に2回は、課長呼び許すが、3回目はコレを入れるからな」 「嫌です、嫌」 断固拒否するけど……, 「俺は早く慣れて、呼んで欲しいんだ」懇願され 「入れて、その後はどうするんですか?後、課長も俺の事、香坂って呼んだ時は?」 「そうだな、香坂って呼んだ時は、俺が裸エプロンするか。んで、入れた後だったな。考え無かったが…ん、切り替えが3段階か、4回目に弱で10分、5回言ったら中で10分、次は強で10分にするか。流石に、それまでには慣れるだろうから」 「ええぇ、嫌です。怖いです、違うのが良いです。俺が裸エプロンでもいいから」 まだ、裸エプロンの方がマシな気がする。 「それも良いが、この間やったからなぁ。うん、決めた。コレでいく」 プラプラとロ-タ-を振る。 青くなる俺の事なんか気も止めずに勝手な事を話す。 「今から1時間だから3時までな、頑張って早く慣れろよ」ニヤリ笑う。 「……。」 青くなって黙る俺。 さて、どうするかな?俺が言い間違う事は絶対無い。それは、ずっとミキと呼びたかったからだ。 まあ、裸エプロン位やっても構わないが、俺がやっても面白くも何でも無いからな。 俺の事、伊織さんって早く呼び慣れて欲しいのは本当だ。 だが、今はこの楽しそうなレクレ-ションを楽しもうと思ってる。 ロ-タ-を挿れたミキが、どうなるかと思うとニヤニヤが止まらない。

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