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第92話
ちゃぽんっという水音で目が覚めた。
気が付くと伊織さんに後ろから抱きしめられて湯船に浸かっていた。
肩にお湯を掛けてくれながら
「おっ、気が付いたか?また、飛んだからそのまま浴室に連れて来た」
「えっ、すみません……」
ベットの上で、いつもより感じて訳が解らず変な事、口走った様な気がして恥ずかしい。
「何だ、恥ずかしいのか?照れてるのか?」
ニヤニヤと揶揄う様に話す伊織さんに
「だってぇ、俺…変な事、言ったりして無かったですか?…なんか今日、変だったと自分でも思ってぇ」
恥ずかしくって顔を手で覆う。
「まあ、ロ-タ-入れたりしたからな。あっ、そう言えば、いつものロ-ションじゃなくネットで買ったロ-ションのせいもあるかもな」
絶対、媚薬入りとは口が避けても言えない。
「えっ、ロ-ションってそんなに違うんですか?」
「ああ、色々有るし、メ-カ-によって多少は違うだろう。全部一緒だと売れないだろうから、各メ-カ-色々違いを出して売ってるんだろうな」
最もらしく話すと素直なミキは
「そうなんですか?俺、買った事無いから解らないけど……。」
ジッと見詰められて
「何だ?」
「伊織さん…やけにロ-ションの事、詳しいですね。そんなに色々使ったんですか?」
少しヤキモチ焼いてしまう。
「はあ、ミキだって買ったこと無いって、全部相手が用意してたって事だろうが」
焼いているのは解るが俺だって焼く。
「へえ、そんな事言うですか?自分が色々使ってるからって……。どんなの試したんでしょうねぇ」
悔しくって意地悪く話す。
「ミキが、先に言ってきたんだろうが。ミキこそ、どんなの使われてるか解ったもんじゃねぇぞ」
下らない言いがかりにちょっとムッとする。
「そんな事する相手いません。伊織さんのバカァ」
バチャッとお湯を顔に掛けた。
お湯を掛けられて顔を拭い、言い合いはいい加減止めたい。
「ミキ、もう、不毛な話はやめよう。お互い過去はどうしようもない。俺だってミキの相手は気にならないと言ったら嘘になるが、これからは俺だけのミキだろう?」
静かな口調で話す。
「ううぅ、伊織さん、ごめんなさい。少しだけヤキモチ焼いちゃったんです」
シュンとするミキに
「俺だってヤキモチは焼く。ミキ、この際だからはっきり言っておく。過去は仕方ないが、これからは、ココは勿論だが、コレはもう誰にも挿入させないからな」
後孔は俺専用だが、ミキのモノは女には挿れさせないと宣言した。
「どうしても挿れたいなら尻は無理だが、俺の咥内に挿れろ。女より気持ち良くしてやるから」
案にフェラで我慢しろと言っている。
「伊織さんのバカァ。恥ずかしい事ばっかり言ってぇ。……でも俺、伊織さんに抱かれてるだけで充分満足してますから、そんな気、起こりませんから安心して下さい」
嬉しい言葉に「そうか、そう言えばもう課長呼びしなくなったな」
「あっ、ほんとだ」ニコニコ笑う。
ニヤニヤしながら「ミキはロ-タ-より俺とのセックスが、一番効果あるみたいだな」
また、バシャッお湯を掛けられた。
「伊織さんのバカァ」
何度目かのバカ呼ばわり、それも嬉しい。
そこからはミキのご機嫌を取りながらイチャイチャした。
リビングでミキの髪を乾かしていると
「伊織さん…あの…」
何か言い難い事らしいから優しく語り掛け
「ん…どうした」
「あの…伊織さんは満足しました?」
「はあ、どうした?いきなり」
背後からだが、耳と頬が赤らんでるのが解る。
「だってぇ、いつもは1回じゃ終わらないのに…」
背後にいて良かったぁ。
思わずマズイと顔に出てたかも知れん。
まさか記憶無い時に、手を借りて扱いてたって言えない。
「…今日はミキもロ-タ-使って、体力消耗してるからな……。ミキのご要望なら、俺はいつでもOKだが…」
ミキの事思ってと言う風に話すと素直なミキは
「伊織さん、俺の事考えてくれて…嬉しいです。大好きぃ」
後ろを振り向いて抱き付く。
少しばかりの罪悪感はあるが、気にする程では無いとギュッと抱きしめ返し、話を晒す様に髪にキスし
「ほら、乾いたぞ。今日は遅いから出前でも取ろう、ミキも疲れただろう」
昼過ぎから始まった行為だが、今は夜の8時を回ってる、流石に腹が空いた。
「はい、今日はお言葉に甘えます」
ニコニコ笑う姿が可愛い。
それから出前を食べゆっくりと過ごし、勿論イチャイチャするのは忘れない。
寝室でも「明日、出掛けよう。近くを散歩しても良いし買物行ってもいい。もう、今日はゆっくり寝よう」
寝ると解るとクルッと後向きになり、背中を見せる、背後から抱きしめる。
「伊織さん、おやすみなさい」
フイに振り向き、ちゅッと軽めのキスをくれ直ぐに向き直る。
この不意打ち、嬉しいがやめてくれぇ、可愛すぎて俺が保たない。
髪を撫で「愛してる…ミキ。おやすみ」
頭のてっぺんにキスを落とす。
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