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第102話

会議室での打合せは思ったより早く終わりそうだ。 「じゃあ、ポップと手順.注意書きは私の方で印刷会社に連絡します。もう、原案できてるでしょうから部数を今日中にメ-ル下さい。明日には発注かけます」 早く仕掛けていきたいアジア担当の杉山課長。 「私の方は既にスタジオ.モデル.製作会社は抑えてありますから水曜日撮影します。撮影、終わり次第、午後にはテロップ入れて貰います。もし宜しければDVD増産かける前に、最終確認しますか?」 国内担当.嶋田課長。 「そうですね。韓国語は解り難くく間違え易い増産かけて間違えが見つかるとマズイから行きます。成宮課長はどうされます?」 「午後なら多少時間ありますから」 「それじゃあ、社有車で一緒に行きませんか?」 「解りました。お願いします。うちの方はご要望通りの在庫数お渡し出来そうです。社内ですから仕入れ価格で譲りますよ」 「有難い」 「これなら7月末か8月頭には宣伝関係は、発送出来そうですね。ああ、良かった。うちは夏休み前には発送したかったので」 「じゃあ、そんな所で宜しくお願いします」 やはり課長クラスになると会議もスムーズに済んで助かると思い会議室を後にした。 DVDの撮影の様子と最終確認の為、杉山課長との車中で 「いやぁ、今回は色々助かりました。この案件、香坂君の提案らしいですね。彼、目の付け所が違うねぇ。良いもの持ってる、是非うちに欲しいですねぇ」 冗談混じりで言ってるが、俺的には冗談じゃねぇぞ誰が渡すかと牽制する事にした。 「そうですね。私もそう思います」 「うちにも英語話せる人材いるが、トレ-ドするのはどうだろうねぇ」 ふざけんなと心で思い顔には出さず 「香坂は英語以外全く話せ無いんですよ。前に聞いた時に英語が活かせる仕事に就きたかったと話してましたから無理ですね。それに、うちは杉山課長の所と違って人数も少ないので、香坂が抜けると痛いですし今、部署的にも上手く纏まっていますしね」 はははは「冗談ですよ冗談。でも、成宮課長の秘蔵っ子と言う事ですかね」 冗談じゃない癖に、あわよくばと思ってんだろうが 「いやぁ、香坂に関わらず田口も佐藤も育てていきたいとは思ってますが」 部下としても恋人としても絶対離さない。 「そうですか、そうですか」 スタジオに着くまで会社の話や世間話をして過ごしたが、俺の中ではふざけんなって思っていた。 スタジオでは撮影がほぼ終わり、映像チェックをしていた。 今日、午前中から撮影現場にいた嶋田課長が俺達を見つけ 「丁度良い所に来た。今、映像チェックしているから一緒に見て下さい」 製作スタッフと俺達3人でチェックしテロップ入れと言語が間違えて無いか確認し、後は出来上がったDVDを必要な分だけコピ-生産を製作会社にお願いすれば終了だ。 DVDをチェックし見落としは無かった、後は嶋田課長にお願いして、俺と杉山課長はスタジオに入って2時間位で帰社した。 部署に戻ると田口とミキは帰る用意をしていた。 もうそんな時間か?と最近、忙しく時間の感覚が麻痺しているなと自分で感じていた。 「お先に失礼します」の声に「お疲れ」と応え遣らなければならない事を取り敢えず、今日1つ終わらせた。 「はぁ、疲れた」 また、パソコンに向かい仕事を開始する。

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