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第103話
部屋に入りソファにドサッと座り「疲れた」と呟き目を瞑る。
ミキにおやすみLINEするかな?いや、今日は疲れた。
ミキの声が聞きたい、電話するか。
♪♪♪♪…
「伊織さん、お疲れ様です」
ミキの声に癒されると感じ
「悪いな、遅くに。もう寝る所だったか?」
「今、籠バッグのデザインを考えて調べてました。伊織さんこそ忙しそうですね」
「ああ、長期休み前後は何かとやる事があってな。それと9月の仮決算も、ある程度やっておくと後が楽になる」
「ちゃんと食べて睡眠も取ってますか?」
「ああ、大丈夫だ、ありがとな。ミキと夏休みに旅行に行けると思うと頑張れる」
「でも、あんまり無理しないで下さいね。夏休みも別に旅行に行かないで、ゆっくりしても良いんですよ。俺は伊織さんと一緒に居られればそれで良いんですから」
ミキの嬉しい言葉で疲れが飛んだ。
「俺もミキと居られれば、それで良いがやはりどこか一緒に行きたい。今からミキと旅行先で何しようか?どこ行こうか?考えるのも楽しいんだ」
「伊織さん、ありがとう」
「俺の楽しみを奪うなよ。週末、旅行の計画を立てよう」
「はい、計画立てるのも楽しみです。シュノ-ケルはしてみたい。伊織さんはした事あります?」
「ああ、何度かな。スキュ-バはした事無いが、シュノ-ケルはそう難しく無い」
「じゃあ、伊織さんに教えてもらおう」
「難しく無いが、手取り足取り腰取り教えてやるから」くっくっくっ
「またぁ、伊織さん腰取りは余計です。おやじ臭いですよ」ふふふ
「ヤバイな。ミキに嫌われる」くっくっくっ
「……大好きです」
嘘でも嫌いと言わないミキが愛おしい。
「俺は愛してるが……ミキは大好き止まりか」
「んもう、解ってるくせにぃ、意地悪」
「どうせ、俺はおやじで意地悪ですよ」くっくっくっ
「おやじで意地悪な伊織さんを愛してます……恥ずかしぃ」
イチャイチャモ-ドの時やセックスの時は言えるのに何気ない会話の時は恥ずかしいらしい…全く可愛いお姫様だ。
「俺も恥ずかしがり屋で寂しがり屋のミキを愛してる」
「……伊織さん…」
このままだと朝まで電話してしまいそうだ、いや会いに行ってしまうと思い
「ミキ、もう遅くなった。ゆっくり寝ろよ」
「伊織さんも疲れを取って、ゆっくり休んでね」
「解った。おやすみ」
「おやすみなさい」
切れた電話のスマホ画面をジッとみて
「会いたくなった。だが今日は電話で我慢だ、ミキのお陰で疲れが取れた。ああ、癒される」
忙しい中で癒された、また明日から頑張れそうだ。
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