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第104話
上野さんにまた電話番を頼み会議室で、籠バッグの打合せを始めた。
「じゃあ、進捗状況を田口から話して貰うか」
「ロゴは一応、字体を変えて3種類プリントアウトしてきたので、ここで皆んなで決めたいと思っています」
パッと見た感じで当初、仮で考えていた字体が1番いいと俺は思ったが皆んなの意見を聞く事にした。
「kawaiiをロ-マ字の小文字で明朝体.筆記体.ゴシック体です、私個人の好みでは明朝体が親しみ易いかと思ってます」
「どう思う?」
佐藤.ミキに聞いてみる。
「私も明朝体が良いと思います」「私もです」
2人の意見も合った。
「俺も明朝体が1番良いと思った。これで全員の意見が一致したな。田口、その線で詰めてくれ。次の会議までにロゴは、完成したものを持ってこい、サンダルの方は?」
「解りました。サンダルの方は工場長に口効いて頂き電話で詳細を話した所、賛同して頂けました。和サンダルは日本で流行った時に、生産していた事もあり出来るそうです。現在も注文が少しあるようで、数は多く無いですが生産してるようですから」
「解った。じゃあ、引き続き工場長と連絡取り合い、2週間後に見本を貰うように」
「解りました」
「次、佐藤、竹細工業者の件は?」
「はい、先日話をしてた業者と京都の竹細工業者を田口さんにお願いして工場長に当たって貰い、1社業者で見つかりました。工場長のお話だと結構大きい会社らしく量産できそうです」
「佐藤、よく気が付いたな。京都の業者」
「この間会議終わった後、田口さんが近場に1社と京都に1社当たった方が良いとアドバイス貰いました。良く考えたら、大量生産するなら京都の工場近くに1社有った方がスムーズにいくと」
「田口、良くフォロ-してくれた」
「大した事じゃ無いですが、そのお陰で工場長の長話付き合う羽目になりましたが」ははは…苦笑い。
俺も苦笑いし「佐藤、両方の竹細工業者には詳細話したか?」
「はい。近くの業者は大量生産は出来ないですが賛同頂き、京都の業者も大丈夫です」
「そうか、じゃあ籠バッグのデザインは?」
資料を配り「手書きで申し訳ないですが」
「お前、絵下手くそだな」
田口さんが笑って揶揄う、俺もそう思ったけど……。
「それは自分が一番、解ってますよぉ。では、バッグの方は底から全体の3分1を竹細工で、後は着物布地を編んでト-トバッグにします。これは前回でほぼ決まった事です。中の方ですが袋状にし巾着で縛る形にし鍵や携帯電話など入れられるポケットを作り仕切りを半分程入れて整理しやすいようにします。以上ですが」
佐藤にしては上出来だと思ったのは俺だけじゃ無かったようだ。
「おっ、佐藤にしては良く考えてるな」
田口もそう思ったらしい。
「実は、田口さんに言われて合コンの時、女の子達にどんなバッグ欲しいか聞いんですよぉ。外見は可愛い方が良いのは勿論だけど、中身が見えたりごちゃごちゃして直ぐに取り出せないのも嫌だとか、結構拘ってるようで」
「お前の合コンも偶には役に立つな」
田口がまた揶揄う。
「またぁ、俺だってやる時はやりますよ」
「佐藤、良くリサ-チしてる。合コンもお前の人脈だな」はははは
「課長、それは良く言い過ぎですよ」
ツッコミを入れる田口に佐藤は苦笑いしてる。
サクサク進む打合せ、流石に伊織さんだ。
やはり仕事が出来ると尊敬する。
佐藤さんの発言しているのを聞いて、殆ど同じ考えで俺は言う事無いなぁなんて考えていた。
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