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第114話

ミキの家のお墓は霊園にあり、車だと1時間30位掛かる郊外にあるらしい。 「ミキ、途中で花買わないとな」 「はい」 「ミキの家族はどんな人達だったんだ?」 「えっと、普通ですよ。祖父は俺が小さい時、亡くなりましたから記憶に残って無いです。祖母はイギリス人で良くイギリスの話をしてくれました。父と母は留学先で知合い結婚して2人共外資系の会社で働いてたので、俺どっちかというとおばあちゃん子だったんです」 「へぇ、なんかグロ-バルな家族なんだな」 「後……妹の美香がいます。8歳離れていたので凄く可愛かった。お喋りでおませな子でした」 妹の話をする時が一番辛そうに話す。 「ミキに似た兄妹ならモテただろうな」 「それが俺は父方の血が色濃く出たのか?小さい頃はハ-フに間違えられていたんですが、妹は母方に似たのか?純日本人って感じで全然似てなかったんです」 「そうなのか」 「はい、だから良く小さい頃の美香に、ミキちゃんみたいになりたかったって言われて、困った事がありました」 懐かしそうに話す。 「ミキは小さい頃と今とは変わったのか?」 「そうですね。幼稚園の時は髪も、もっと茶色で肌も真っ白だったし、家で祖母と話す時は英語だったから小さい頃は日本語と英語がごちゃごちゃに混ざって話してました。段々と大人に近づくにつれハ-フっぽさは薄れてきました」 「ミキの小さい頃も見たかったな。可愛いかっただろうな」 ふふふ「どうでしょうね。あまり期待してる程でも無いですよ。ただハ-フっぽいってだけですから」 ミキの話からも仲が良い家族だと解る。 「いい家族だな」 「………。」 急に黙るミキに「どうした?」 「……伊織さん、本当は毎年お墓参りは辛かった。色々思い出して時間が経つと薄れていく思い出もそして自分だけが生き残った事も……。でも今年は伊織さんが居てくれる」 涙を溜めて泣き出すのを我慢していた、そんなミキに 「ミキ、これからは毎年一緒にお墓参り行こう。そして今日みたいに車で家族の話を聞かせてくれ。家族の事を思いながら向かうのも喜ぶんじゃないか?それとミキが生き残ったのは、俺と出会う為だと思う。だからミキもそう思ってくれ」 頬を伝う涙を拭いて 「伊織さん、ありがとう。そうだね、‘R’moneで会ったのも会社で再会したのも俺が生き残ったのも全て伊織さんと会う為の運命だったんだね」 「そうだ、惹かれ逢う運命だった。もしそうじゃ無かったとしても、俺はミキを見つけ出し必ず手に入れていた」 「伊織さん……強引なんですね」 「強引な俺は嫌いか?」 「どんな伊織さんでも、大好きです」 暗い雰囲気から結局イチャイチャモ-ドになっていった この方が俺達らしくっていい。 霊園に着き暮石に花を飾り軽く掃除をし、線香を点け手を合わせるミキ。 その後ろ姿を見て、今まで1人で頑張ってたんだな、寂しがるのも解る。 「伊織さん、どうぞ」 俺は墓石の前で宣言した。 「成宮伊織と申します。ミキの事は大切にします、安心して下さい」と声に出し話す。 それから手を合わせ心の中で、ミキを必ず幸せにします俺にミキを任せて下さいと語り掛けていた。 フッとミキを見ると涙ぐんでいた。 「伊織さん…」 感極まったのか言葉にならないようだから俺から話す。 「今の俺の気持ちをミキの家族に解って欲しかったんだ。ほら、ミキ泣いてると家族の皆んなが心配するぞ、皆んなの分もいつも笑って幸せな顔でいるんだ。いいな」 頭をぽんぽんする。 「そうですね、俺は皆んなの分も生きなきゃ」 涙を拭い泣き笑いの表情で話す。 「そうだな。それでミキの隣にはいつも俺がいるから、安心しろ」 「伊織さん…ありがと」 俺の胸に顔だけを埋めた。 ミキと初めてお墓参りし家族に宣言した日だった。 これから毎年必ず幸せにすると宣言しに、ここに来ようと密かに思った。

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