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第115話
「ふう、やっと着いたな」
ドサッとソファに座る。
「伊織さん、見て見て海がこんなに近い。凄く綺麗」
カ-テンを開けバルコニ-から外を眺めて、興奮気味に話すミキを見て「子供みたいにだな」と聞こえ無いように呟く。
「ミキ、取り敢えず一休みしてから島を探索がてら、ダイビングショップ行こう」
「そうですね、本当に石垣島に来たんですね。あぁ、楽しみ」
子供みたいにウキウキしてる可愛い。
羽田から3時間30で石垣島に着いた。
飛行機では誰にもばれないように、ずっと手を繋いでいた。
これから3泊4日で石垣島にいる。
誰にも邪魔されず島を探索したり、シュノ-ケルをしたり、出来れば少し遠くの方まで足を伸ばしたい。
2人での初めての旅行だ。
沢山楽しい思い出を作りたいと思っているが、やりたい事が多く日にちが足りない位だ。
備え付けのインスタントコ-ヒ-を入れて持ってきたミキは部屋をグルッと見渡し
「思ったより、良いホテルですね」
リビングと寝室.浴室.トイレのありきたりなホテルだが、ミキと俺の話し合いの結果、普通よりちょっと高めという所でここに決まった。
俺は絶対ユニットバスは嫌だ、そこは譲らないと言った、そう言わないとミキは勿体無いと言って、安いホテルや民宿で良いと言うからだ。
館内の案内図を見ていたミキが
「伊織さん、大浴場がありますよ」
入る気満々で話すがニヤリと笑い
「ミキ、大浴場入れると思ってるのか?」
俺の問いに「?」不思議顔でいる。
「自分の体、鏡で見てるか?」
暫く考えて思い出したのか真っ赤になって
「伊織さん、酷い。旅行、行くの決まってたのに……。これじゃ大浴場も海水浴もできない」
もちろん旅行、行く日は解っていて意図的にしたが、ミキの体は俺のキスマ-クが消える日があった事は今まで無い。
大浴場なんて以ての外だ、誰が恋人の体を見せるかっつ-の。
素知らぬ顔で「ミキの体に俺のキスマ-クが消える日は無かっただろう?だが、俺も鬼じゃ無いからな、海にはネットで買ったラッシュパ-カ-を羽織って入ればいい。大浴場はダメだ、俺も行かないから部屋の風呂で我慢しろ」
「じゃあ海には入れるんですね……伊織さん、用意周到ですね」
ニヤリと笑い「当たり前だ。どこのどいつが可愛い恋人の体を他の奴に見せなきゃならないんだ」
「解りました。どっちにしろ俺、日焼けしないで真っ赤になるから助かりました」
文句も言わず素直に受け止めるミキが可愛いくて仕方無い。
「ほら、ミキ、こっち来い」
グイっと引っ張り抱きしめた。
「はあ、飛行機の中では手を繋ぐだけで我慢してたんだ、やっと抱きしめられた」
そう話すとギュっと抱きしめ返して
「俺も伊織さんが足りなかったです」ふふふ
「ミキ…」
顔を上げさせ頬を両手で添え、軽いキスから深いものに変え咥内を弄る。
クチュクチュ…ジュルルと舐め回し唇を離す。
「これ以上すると出掛けられなくなるからな」
キスだけで上気した顔で
「はぁはぁ伊織さんのばか…もっと軽いのにしてよぉ~はぁはぁ」
「ミキの息が整ったら部屋を出て、先にホテルの中探索して外出しよう」
旅行は始まったばかりだ、焦る事は無いと軽く反応を示している自分のモノに言い聞かせ苦笑する。
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