116 / 858
第116話
「伊織さん、結構レストランも3ヶ所あるしお土産屋さんもあるよ」
「そうだな、結構充実してるな」
「大浴場も見てみたい」
「入らないのに見ても仕方ないだろう」
誰のせいでって目で見て「見るだけ」ってスタスタ歩いて行くその後を黙ってついて行く。
大浴場には人も疎らで服を着たまま覗く。
「うわぁ広い、気持ち良さそう」
感想を言ってもどうしようも無い。
「もう、いいだろう。外行こう」
腕を引いて大浴場を出た。
ぐ~んと伸びをして
「外、気持ちいいぃ。青い空と海、やはり南国に来たって感じしますね」
「そうだな。3日間楽しもうな」
頭をぽんぽんすると「はい」ふわりと愛らしく笑う姿を可愛いなと思いながら
「今日は店とかダイビングショップを散歩がてら見に行こうか」
「はい」
食事処を何ヶ所か見つけ、コンビニやスーパーも場所を確認して、ダイビングショップの中に入った。
「いらしゃいませ」
若い茶髪の今風の青年がいた。
「ネット予約した成宮だが、明日と明後日レンタルしてるんだが」
書類を確認し
「はい、承ってます。ウェットス-ツだけサイズ確認してくれますか?」
店内を物色していた「ミキ」を呼ぶ。
近くに来たミキを見て、若い店員は目を見開き惚けていた。
店員を見て苦笑し
「大人のMとLでいいか?」
「解らないからお任せします」
店員と相談して、シュノ-ケル以外の基本レンタルにした。
「海は直ぐそこですから、ここで着替えて荷物はコインロッカ-ありますから使って下さい。帰りはシャワ-室あるので、そこに使った物は入れて着替えて下さいね。後、隣にはカフェありますから、もし宜しければお越し下さい」
「そうか、助かるな。君は店長?」
気になって聞いてみた。
「いいえ、夏だけのバイトです。店長は今、外出してます」
「そうか、じゃあ、明日10時頃来ます」
「はい、お待ちしてます」
言いながらミキを見ていた。
ショップを出て海が目の前だから、少しだけ散歩したいと言うミキと夕日が沈む浜辺を歩く。
さっきの店員ミキを見てびっくりしてたな。
ゲイかバイかも知れない、用心した方が良いなと考えこういう気苦労は絶えないなとモテる恋人は天然.無自覚だから、遠回しのアプロ-チには疎い、こういう時の天然は助かると夕日に照らされて神々しく輝くミキが綺麗で思わず見惚れる。
「夕日、綺麗だからここで写メ撮ろう」
2人頬を寄せたりミキだけを撮ったり沢山写メを撮った。
ホテルに帰りがてらス-パ-に寄り、お菓子や飲み物.ツマミを買い食事処で刺身定食を食べ、ホテルに戻った
部屋に入りソファに座り
「やはり観光地だけあって、割と栄えてるな」
「でも、都会とは違って島の雰囲気がのんびりして、ゆっくり出来ますね」
「そうだ、ホテルにレンタルサイクリングがあったから、それ借りて少し遠くまで行って見るか」
「楽しそう。行く、行く」
子供みたいだなと微笑む。
「ミキ、疲れただろう?先、風呂入れ」
「良いんですか?じゃあ、お先に」
浴室に向かうミキを眺め、買ってきたツマミとワインを用意しておく。
ともだちにシェアしよう!