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第120話

初シュノ-ケルでウキウキしてるミキが海に行くまでの道でニコニコ顔で話す。 「伊織さん、上手くできるか解らないけど凄く楽しみ伊織さん、ニモいるかな?見たいなぁ。本物は可愛いだろうなぁ」 ミキの言いたい事は解っていたが、可愛い間違えを正す。 「ミキ、初めてだから慣れるまで浅瀬で練習してからな。後、ニモって魚はいない」 「?」 不思議顔で俺を見てるから 「ニモって映画の魚は映画の中だけの名前であって、本当の名はカクレクマノミって名の魚だ」 可愛いさにくっくっくと笑う。 「えぇ~、知らなかった。今までずっとニモって魚かと思ってたぁ、や…恥ずかしい」 そう言えばミキは天然で可愛いのを思い出していた。 浅瀬で少し息の吸い方.フィンの使い方を練習し 「だいぶ、上手くできるようになったな。少し深い所に行ってみるか?」 「はい、うわぁドキドキする」 「俺の横につけ、何かあったら合図する事、決して慌てるな。いいな?」 「はい」 こうして海の中に入ってサンゴ見たり、小さな魚や南国特有の色の魚や貝を見て回った。 ミキは夢中になって泳いで、魚を追いかけていた。 ミキの泳ぐ姿を見て 「海の中の人形姫みたいだ」 体にフィットするダイビングス-ツがミキの細い体の線が良く出ていて堪らない。 充分1人でも泳げるようになって楽しんでる。 結構、海の中にいたから少し休憩しようと合図する。 砂浜で買ってきた缶コ-ヒ-を飲み 「伊織さん、海の中は凄く綺麗ですね。こんなに楽しかったら、早くやってれば良かった。伊織さん、ありがとう」 「海の中は外部の世界がシャットアウトされるからなその世界に浸れる。心の中まで綺麗な気持ちに慣れる」 「本当ですね。綺麗な生き物見て、小さくても一生懸命生きてるのが凄く良いですね」 「また、少し休憩したら行こうか?結構、海の中は体力使うから、小まめに休憩しないとな」 「はい」 それから小まめに休憩し、コンビニで買ってきたお握りやサンドウィッチを食べ、3時頃には海から上がってダイビングショップで、シャワー浴び着替え終わって店内でミキを待っているとこの間居なかった店長が挨拶がてら話し掛けてきた。 暫く話していると着替え終わったミキがアルバイトの青年と話してるのが見えた。 笑いながら楽しそうに話していたのが気に入らず、店長との話しを切り上げてミキに声を掛ける。 「ミキ、行くぞ」 「はい」 アルバイトの青年に「また、明日来ます」と挨拶して俺の側に来て店を出てホテルに向かいながら歩き出す 「ミキ、楽しそうに話してたな?」 少しのヤキモチもあり聞いてみた。 「初めてのシュノ-ケルどうだったか?聞いてくれて、凄く綺麗で楽しかったって話してました。他も綺麗な所があるそうですよ。それで困った事や聞きたい事あったら連絡してって、名刺渡されました。やっぱ、観光地だけあって凄く親切な人が多いんですね」 話しながら渡された名刺を出してきた。 「俺が持ってても良く解らないから、伊織さんに渡しておきますね。道に迷ったりとかそういう時に便利かと思って」 「ん…解った。預かっておく」 名刺を受取り確認するとご丁寧に裏側に、携帯のナンバ-が記入されていたが、ミキは気がつかなかったに違いない。 それをポケットに入れ、頭をぽんぽんしてミキの天然ぶりに感謝する。 こんな、あからさまな軟派も気づかず、親切な人だと言うミキとミキの天然を知らず軟派した可哀想なアルバイト君。 でも、ここはアルバイト君にクギを刺しておくかと決め、可愛い天然ミキとホテルに向かう。 ホテルの部屋で、少しゆっくりと過ごしてから外に出ようという事になった。 いつもの体勢になって背後から抱きしめ、海の中ではイチャイチャできなかったからとギュッと抱きしめた ミキは余程楽しかったのか、シュノ-ケルで海の中の話を興奮気味で話す。 俺も海の中の魚やサンゴ見たり泳ぐのも楽しかったがやはり最初の頃慣れないミキと手を繋ぎ泳いだのが1番嬉しかった。 一緒に旅行に来れて良かったと楽しそうに話すミキをニコニコしながら聞いていた。 一通り話、満足したのか疲れて欠伸をしているミキに 「まだ、時間がある1時間位寝て、疲れを取ってから自転車借りて海沿いでも走るか?それでどこか店に入って晩飯食べてから帰って来よう」 「ふあい、そうします」 俺に凭れ掛かり直ぐに、ス-ス-と寝息が聞こえ後頭部に唇を落とし、俺もミキを抱きしめたまま海の疲れがでたのか、いつの間にか寝ていた。

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